12、*私の天使が可愛すぎる件について
タイトルで誰目線の話になるのかはわかると思います…。
…立派に弟大好き人間に成長しました。
最近、本当に「私、出欠多量で死ぬんじゃないか」って思うくらい私の天使達が可愛すぎて仕方ない。
ルセットはシェロが屋敷に来て暫くして、弟の素晴らしさに気づいたらしく、5年経った今では「あれ?恋人かな?」ってくらい一緒にいて、べたべに甘やかしている。
ルセットの腕にすっぽりと収まるシェロが可愛くて、そんなシェロを愛おしそうに後ろから抱きしめているルセットが可愛くて、思わず鼻血を出してしまったのは記憶に新しい。
……2人に引かれてしまった気がしないでもないが、それが私だ。諦めて受け入れてほしい。
シェロは天才なんじゃないかと思うくらい覚えもよく、頭が良い。教えていない所も出来るくらいだ。
……ダンスは得意では無いらしいが。
以前ダンスの練習に付き合おうとしたらマリア先生に怒られた。「シャルルヴィル様?男の動きを2人で踊ってなんの練習になるのですか?シャルルヴィル様が女役で踊るのですか?」と怒られた。
以来、ダンスをしているシェロを見ていないので、"らしい"になるわけである。
まぁ、シェロがダンスを人の前で披露するのは当分先になるのでそれまでに一度、必ず一緒に踊ってもらう。勿論ルセットも一緒に。これは私の中で決定事項である。
ルセットは要領が良いのでなんでも出来る。
それは"能力"の力も少しは関係しているとは思うのだが、それを引いても優秀なのである。
『何故私の天使達はこんなにも優秀で可愛のだろうか』と、エセンと会議を開こうとしたら「くだらないなぁ。ヴィルの人選なんだから間違いないでしょ?まぁ、ルセットもシェロも見た目に惚れて懐に入れたわけだから関係ないのかもしれないけどさ。2人共ヴィルの為に頑張って、努力してる結果でしょ。多分」と言われてしまって、嬉しくて泣いてしまった。『ヴィルの為に頑張って』の所で。本人達の言葉ではないのだが。
そしてそこで会議は終了した。
ルセットの言った『ヴィルの人選なんだから間違いないでしょ』って言うのは私の"能力"の力である。
私は『人の本質がわかる』という能力を所持している。
地味そうな能力ではあるが、政では大変重宝される能力である。見れば黒い物がわかるのだから。細かく調べたい場合はルセットに力を借りれば良い。なので、政ではよく「カトラリー家を敵に回すな」と言われる。
敵に回せばその家の明るくない所が暴かれ、没落一直線になるのだから。
この力のおかげで、シェロは優秀だが何か得体のしれないものを抱えていると言うところまではわかっているが、別に害のある事柄ではないので聞いていない。
ルセットもただの平民でない事も知っているが、同様に聞いていない。
いつか、話してくれればいいなとは思っているが。
カトラリーの人間だ。
何か隠し事や秘密がある方がそれらしい。
カトラリーとは元々食器のことである。
私達カトラリーの先祖は王族の1人だった。
その先祖は当時、王を暗殺しにやってきた隣国の者を見抜き、食事に誘い逆に暗殺したと言われている。食器に見立てた銃で。
食事を準備する執事のふりをして、食器型銃で撃ち殺したそうだ。
それ以来先祖は家臣に身を落とし、王を守り続けだと言う。その時に与えられた姓が"カトラリー"。
…安直すぎる。
…そういえばシェロの能力について何も知らないな…。
今度聞いてみるか。
今日はそんな天使達の誕生日である。
さて、張り切って準備をしようかと思ったら城から召集がかかった。なんでも産まれてすぐに行方不明になっていた王子が見つかっただとかで。
正直どうでもいい。私は誕生日の方が大事だ。だが、シェロに「早く帰ってきてね」と城に行くのが決定事項と遠回しに、でも可愛く言われた為、早く城に出向き、早く仕事を終わらせて帰ってきたわけであるのだが……
私は現在マリア先生に正座をさせられて説教をされている。
「いい歳した大人がいつまで弟君にべたべたしているのですか。貴方はいつ、身を固めるのですか」と怒られている。
べたべたするのは可愛いのだから仕方ない。
身を固める気は当分ない。一生ないかもしれない。
…その辺の話はまたいつか。
とりあえず今はどうやってマリア先生のお説教を終わらせて、シェロとルセットに会うかを考えたい。




