嵐の前の
「ふんっ、所詮は王国の者・・・か」
虫酸が走る。
何が和平だ。
「元々我が領地に侵攻してきたのは貴様らの方だろう!」
ドン!
「帝様、心中お察し致します。しかし、今は堪えるべきですぞ。」
会議場に集まった帝国の重鎮がそれを諌める。
「しかし、だ。火種を持ち込んだ人間がのこのこと上から物を見る態度で言ってきたのだぞ!さらにだ!和平を結んでやってもいいという態度だぞ!?」
火種が見下す対応をするのだ。
それ相応の報いをせねばなるまい。
焼き討ち?奇襲?
なんでもいい。
全て向こうが起こした火種だ。後は私達が燃やせば問題ないのだろう?
「し、しかし・・・それでは向こうの思うがままです。」
「では、こうすればいい。」
そう、私達が主役になれば良いのだ。
大義名分を作ればいい。何も私達にはソレがないわけではない。
「まずは向こう方の悪事を徹底的に洗い出せ。やるからには本気でな。」
「帝の仰せのままに」
戦争は情報だ。そのため、我が軍には諜報部隊が多数存在している。
「戦いはこれから始まる。平和ボケしたエルダートの国王には一泡吹いてもらおう。」
これからの事を予想すると、自然と笑いが込み上げてくる。
ここまで笑ったのは久しぶりだ。しばらくこの感覚に浸りたい。
ちょっと、と言いますか、かなり変な感じがしてきましたが、帝王の視点ですね。
少し、動き始めました。