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第一話「もう!」

 ススペリア王立国の東に位置する城の中で一人の美少女が慌ただしく早歩きで移動していた。


「大変だわ!もう時間がない!急ぐわよ。セバス、準備はもう終わっているのよね?」


「はっ。すでに準備は終わっております。あとはお嬢様が魔力を通すだけです。」


 少女の後ろから長身の執事が少女の後ろを付いて来ていた。


「もう!どうしてこういう日に限ってお父様の話が長くなるのかしら!…わかっているわよ。期限の日まで時間がないことぐらいわ!」


 今までとある理由により実父の話を聞かされていた少女は時間が惜しいとばかりに頬膨らませ急いで階段をかけ登り廊下の奥にある部屋へ到着した。

 部屋の中は蝋燭が四隅に置かれ四つの火が灯されていた。部屋の真ん中には魔方陣が描かれ、部屋の壁面には巨大な目が付けられていた。


「セバス!本を早く!」


「はっ。」


 執事は間も無く少女に本を渡した。


「まだ月は灯っているようね。これで時間切れなんて冗談ではありませんよ!」


「はっ。今だに月は灯っています。」


 執事が部屋に一箇所だけ設置されている窓から空を覗き込んだ。その先には、月が赤色に変色しており、このことをこの世界の人は、月に火が灯ると言われている。八十八年に一度月が赤色に変わるとされており、様々な事が起こるとされていた。地震、津波、火山噴火が起きる等の天災の発生や、生物の蘇生と眉唾物の話が上がるほどだ。

 その月の明かりで魔法陣が照らされており薄々と金色の光を放っていた。


「それでは始めますよ。」


 少女の体が徐々に神々しく光だし、左手に本を持ち、右手を魔法陣に向け手を広げた。

 少女は何かを呟いた瞬間、魔法陣が激しく発光し、中心が見えない程に光を帯びた。

 それを見計らって妖艶な笑を浮かべた少女が口を開き最後の言葉を紡いだ。


「ふふふ、さぁ出ておいで私の奴隷よ!」

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