反省会(5)
「このスバ!」
一等書記官の「すぅばらしいぃわぁ。心三くぅん。これで、5連勝じゃぁないのぉ。」は、「このスバ!」と聞こえた様な気がしたが、きっと気のせいだろう。
某異世界転生ライトノベルとも無関係に相違ない。
「それは、当然です。僕には、『負け』が許されない。連勝し続けないと、『ガウスレーゼ』の侵略に、屈するからです。だから、当然なんです、一等書記官。」
「だからこそよぉ。そんな極限状態で、闘い続けるって、凄い事よぉ。心三くぅん。」
「すると、省みるべき事柄が、多いですね。『祝福』の『構築』に時間がかかり過ぎます。次は、『対策』されている事でしょう。一等書記官。」
「問題無いでしょうぅ。心三くぅん。」
「今までの『ガウスレーゼ』は、僕の『対策』に『必ず対策』を『講じて』きました。ですが、『夢現傀牢』に関しては、何もしてない。不気味です、一等書記官。」
「考え過ぎじゃあないでぇすかぁ。心三くぅん。」
「ひょっとして、こうは考えられませんか。一等書記官。」
「何かしらぁ。心三くぅん。」
「『ガウスレーゼ』は、『夢現傀牢』の『本質』に気付いてない。そう言う可能性ですよ。一等書記官。」
「『本質』って、『あれ』は、心三くぅんの『夢』に引きずり込む訳ですよねぇ。……ああ、分かりましたよぉ。心三くぅん。」
「つまり、『ガウスレーゼ』は、『機械』だから、『夢』を見ないと言いたいのか。」
などと言う無意味な指摘をする者などこの世界に存在しない。
「それが、事実なら、『ガウスレーゼ』には、対抗しようが無いと言いたいのか。」
などと言う無意味な指摘に、無意味な指摘をする者などこの世界に存在しない。
「それは、『似て非なる』表現です。あくまで、『あれ』は『現志力』で作った『仮想世界』に、引きずり込んでいるだけです。但し、『現実世界』には存在しませんがね。一等書記官。」
「いずれにしても、いずれは『対策』されてしまうぅ。そう言う事ですねぇ。心三くぅん。」
「はい。ですから、『祝福』の『高速化』並びに『精密化』と共に、『対策』が急務なんですよ。一等書記官。」
「んーーっと、で、具体的には、どぉしましょうぅ。心三くぅん。」
「これを見て下さい。一等書記官。」
一等書記官に、タブレット端末を、指し示す。
* * *
次回予告
第53話 デブリーフィング(5)
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