デブリーフィング(2)戦闘を振り返る
「では、これより『デブリーフィング』を開催する。全員、準備はいいな。」
『パローム人』全員から大丈夫と返事が返る。勿論、『罰則』が、完了した博士も参加している。それらの情報も、『パローム人』全員は、共有しているので、特に疑問も出ない。
「今回、心三は、1戦目に続き、2戦目に勝利した。更に、敵の攻勢は、苛烈さを増している。それらを踏まえて、分析して欲しい。まずは、今回の戦闘を振り返って見る。」
戦闘記録映像をさせる副長。
こちらは、北米ノースダコタ州。
「誤っ鬼ぃーん!」
『ナウスレーゼ』の『突撃槍』で、腹部を刺された『ブラジオウ』。
こちらは、インドセイロン島。
「射っ鬼ぃーん!」
『ナウスレーゼ』の『銃剣突撃』で、腹部を刺された『ブラジオウ』。
そして、操縦席内部。
「だが、これでいい……これで、全て僕の『予想通り』だ!」
「……そう、ここからだ。一見不利な状況から、一気に勝敗を覆す。それが、心三だ。」
独り言をつぶやく副長だった。
「……『固着』……『接続』……『防壁突破』……『防壁突破』……『防壁突破』……『防壁突破』。」
静かに目を見開いた。
「……『最終防壁』……『防壁突破』……『完了』……。」
完全に停止している2機の『ナウスレーゼ』だった。
「機械は、『説得』が楽でいい。」
「危ない所だった。何とか『ナウスレーゼ』の電子頭脳の『クラッキング』に成功できた。」は、「機械は、『説得』が楽でいい。」と聞こえた様な気がしたが、きっと気のせいだろう。
某狐の妖怪とも無関係に相違ない。
「おい! 『聞こえた』って、『真逆』じゃねぇーか!」
などと言う無意味な指摘をする者などこの世界に存在しない。
更なる攻勢を続ける。両手にある全ての指先から、『ケーブル』を伸ばす『ブラジオウ』。
『ケーブル』を、2機の『ナウスレーゼ』に突き刺し、ややあって、何かを取り出した。
「よし、あった。『自爆装置』Get。後片付けは、お願いします、副長。」
「いいだろう、状況終了だ。今日の反省会は、中止とする。帰ってゆっくり休め。心三。」
* * *
次回予告
第27話 デブリーフィング(2)
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