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幸せに暮らしましたとさ  作者: シーグリーン


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213/216

めぐるめぐる

 







「エルンストさん、何でビデオ通話?」

「え? あたりまえチガウ?」

「私にとっては違います」

「まあまあ。でメールのつづき、わたしはヘンタイじゃなく――」

「またその話?」

「その話をするタメにニホンゴおぼえてるんだよ!」

「うわあ……世界を救う話をしませんかあ」

「そのカオやめて!」









「エル、何で跪いてんの?」

「プロポーズなんだけど」

「えっ今さら?」

「確かに何年も友達だったけど……」

「……愛はあるけどそれが恋人に対する愛なのかわからん」

「新しい夫婦の形でいいんじゃないの? 異世界同盟みたいな」

「そういうもの?」

「そういうものそういうもの」

「春・キューンになるの?」

「なんだか陽気」

「かっこいい……」

「思春期に発症する病?」

「言い方!」









「うわ~。とうとうあそこが戦争始めちゃったかあ……えっあの時の天使が現れた? こりゃ嘘だな」

「その話は無事に出産を終えてから」

「まあそうだね。名前はどうしようかな~」

「ん~強くたくましく育って欲しい」

「強さだけで言うならサンリエルという人がいてね――」

「却下」









「お母さん、私結婚します」

「え?」

「ええ!?」

「ちょ、エルうるさっ」

「なんでだ!? だって大学卒業したばっかり! 人生これからだしパパのお嫁さんになるんじゃないの!?」

「うわ……」

「お母さんそんな顔しないであげて。お父さんが可哀想。――あのね、今から子供を生んで若いうちに子育てを終わらせて緑化研究に没頭したいの」

「……この計画性って……誰の血?」

「僕達じゃない事は確かだと思う」









「お母さん、お父さん」

「何?」

「じ、陣痛か!?」

「エル、ちょっと静かにしてて」

「夢の中でね、陽気なハイテンションの人とね、クールな敬語の人とね、古典のSFっぽい恰好をした女の人が出て来てね、『アース』とか『チカ』とか『ピュー』とかお互い言い合って喧嘩してるの。どうも産まれてくる子供の名前の案を出してくれてるみたいなんだけど――――え? なんで2人とも泣いてるの……?」















「チカ、おじいちゃん呼んできて」

「うん!」





「どうした?」

「予感がする。お先に」

「…………」

「人間は滅亡してないからチャンスがあると思う。エスクベルチャンス」

「……そうだな」

「エルも念願のハーレムいけるんじゃない?」

「そんなもの枯れ果てた!」

「だろうね」

「……春が先か……」

「ふふふ、残された方が辛いからね。ふふふ、お先に」

「寂しくなる……」

「エル達の様子はチカチカさんに聞いて見守ってるよ。あ、お葬式には桜を頼むよ」

「……幸せだった?」

「もちろん。エルのおかげで3倍は楽しかった」

「…………春」

「うん」

「春……」

「……エル、ありがとう」














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