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とある従魔師の交遊記録  作者: 安芸紅葉
七人目「荒々しく気高き走り屋」
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第39ページ 捜索

村の空き家を借り一泊。

僕らはスマートカウの捜索を開始した。

フェオンを連れてきたのは、主にこのためだ。


「何かわかる?」

「クゥン」


フェオンは地面を嗅ぎ回るが、どうやらもう匂いはあんまり残っていないみたいだ。

となるとやっぱり森の中に入ってみないといけないかな。


この村は、森の中の一角に作られており、辺りには木々が茂っている。

スマートカウは本来なら平原を走り回っており、この村に現れること自体が稀らしい。

普通は群れで生きている魔物だから、何かしらの理由があって群れからはぐれたのだろう。

目撃した村人の証言から、体格が小さくおそらくは子どもだということもわかっているため、外れてはいないだろう。


そういう理由で、魔物のためにも早く見つけて群れに戻る手伝いをしてあげたいんだけど。


「森に行ってみようか」


手がかりを得られなかった僕らはとりあえずと森の中に入ってみる。

さっきも言ったようにスマートカウがこの辺りの魔物でないということは、森の生態系にも乱れが出てるかもしれないからだ。

まぁスマートカウに遭遇できればそれが一番いいんだけどね。


「んー走り回った跡はあるね」


森の中にはスマートカウが走り回った跡はある。

寝る時以外は走っているという魔物なのであってもおかしくはないが、ありすぎて逆に居場所の特定は難しそうだ。


「森の木には被害ないんだね」


器用なことに木は避けて走っているようで、ぶつかった跡などはない。

そうしていると、フェオンが何か見つけたようで、こちらを見て「ワン!」と鳴いた後駆け出した。


「見つけたのかな!?」


僕が追えるスピードで走ってくれているので、後についていく。

ビギンは落とさないように抱えておく。

しばらくしてフェオンは、一度こちらを振り返り「ワフ」と鳴いた後、前方を示した。

そこには少し大きめの洞窟のような穴が開いている。


「あそこにいるの?」


そう尋ねるとフェオンはそうだよと言うように「ワフ」と鳴く。

尻尾をぶんぶん振って、褒めてと言わんばかりにすり寄ってくるフェオンをわしゃわしゃと撫でてやる。

数分間そんなことを行い、気が済んだのか満足気な表情でまた洞窟を見やるフェオン。


「よし、行こうか」


僕らは慎重に洞窟へと足を踏み出した。

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