聖夜SS2
ようやく帰宅
調査隊イベント当日
「ダメです、どの転送魔法陣もここに繋がってます」
「全ての転送魔法陣が【奈落渓谷】からここに変えられたのね……一体どうして?」
「えっ!?」
マリナ先生のつぶやきに周りが固まった。
転送魔法陣を書き換えた犯人はわからないが、理由はここにいる誰もがなんとなくわかっていた。
おそらく聖夜だからだと。
「本気でいってるんですか?」
「?……あなたはわかるのかしら?」
「ここがどこか……今日がなんの日か考えればわかるでしょう?」
「大きな樹……よりそうような塔があって……ユグドの町かしら。今日は調査隊の日でしょう」
全員がこの人ダメだぁって思った瞬間だった。
「いいですか、マリナ先生!!……今日は聖夜祭です……ここはユグドの町ですが、数百年前に幻獣に滅ぼされる前までは聖夜の町と呼ばれてたでしょう」
「あぁ、なるほど……つまり聖夜祭の日に聖夜の町にくるようにしたかったわけね」
「おそらくは」
漸く聖夜祭を楽しみたかったであろう犯人の動機にいきついた。
「はぁ、聖夜祭なんて自分とは縁のないイベントのことはすっかり忘れていたわ」
重いため息をつきながらマリナ先生が暗くなった。
「許せませんわ、聖夜祭とはいえ大切な学園行事を潰されるなんて」
「同感……【リンドブルム】生徒に迷惑をかけているのも気に入らないよ」
【ルブルンド】風紀委員であり発明家のセリエ、【ルブルンド】教頭のヴィスカルテが犯人に対して怒りを顕にする。
「この転送魔法陣の書き換え方……犯人はルイズだと思います」
転送魔法陣を調べていたティーチェルが書き換えの癖を見つけた。
「「ルイズが!?」」
「えぇ、この間教えてくれって言われたので教えたのですが、教えた通りにいじってありますね」
ティーチェルはルイズの書き換えの腕に少し感心して、セリエとヴィスカルテは犯人の捕縛を指示する。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「これをルイズがやったんですか?」
「そのようだ、君はルイズと仲が良いだろう……なにか知らないか?」
先に来ていた【ルブルンド】の生徒たちに続いて【リンドブルム】の生徒達も時間になり次々と転送されてきた。
死霊蠢く【奈落渓谷】と、ある意味正反対の場所に転送された
生徒たちは首を捻る。
「これは、あの時の魔法か」
【リンドブルム】の生徒の到着に合わせたのか、幻獣に滅ぼされ、時空の彼方に取り込まれ聖夜祭の時期にしか姿を現さない、今では廃墟と化したユグドの町に光魔法の灯りが輝いた。
マリナ先生との勉強で完成させた電飾の魔法がユグドの町にかつての姿を浮かびあがらせた。
「良く見れば、町の中にも手が入ってるわね」
生徒達が通り易くするためだろう、瓦礫や邪魔になりそうな草は取り除かれて光魔法で作った幻影の壁の中にある。
「効果範囲のわりに使用魔力が少ないな、改良もしてあるし……ルイズはなんでこんなことをしたんだ?」
「捕まえて見ればわかるんじゃないか」
【ルブルンド】の教師たちやセーラはルイズの捜索し、ルイズ捜索をしないメンバーはせっかくきたのだからと意中の相手を誘って聖夜の町でのデートを楽しむのだった。




