16話
1章終了、ストック溜まるまでおやすみです
シルニスにアポカリプスが襲来した。
羽ばたきひとつで家屋が倒れ、ブレスで広範囲が焼失した。
ブレスからユッカとゼノを守ったところでアポカリプスらしき声が聞こえた、ゼノの様子から聞こえたのはボクだけのようだ。
(コタエヌカ………ソレトモ、キコエテナイノカ?………マァイイ、タメシテミヨウ)
また聞こえた、この声はやっぱりアポカリプスのようだ。
アポカリプスは右前足をゆっくりと持ちあげた。
爪の少し先に爪の形をとった魔力が見える。
(シャドウスキル、エイソウ………ウケテミヨ)
爪の形をとった闇が唸りを上げて襲いくる。ゼノを抱えたまま大きく距離をとる。
爪との間にあった障害物を豆腐か何か柔らかいモノのように、抵抗なく切り裂きながら迫る爪をなんとか回避する。
(ハナレタラ、コレダ………エイシ)
「ゼノ、ちょっとボクの後ろにいて」
「うん」
アポカリプスから剥がれた鱗がトゲトゲしく変わり無数に飛んできた。剥がれたように見えた鱗は魔力のようで、元の鱗はなんともない。
トゲトゲしい魔力をゼノに通さないようにひとつひとつ潰していく、数が多くなって捌き難くなった。
「このっ、【アースブレイカー】」
隙をみて、波打つ剣を《異空庫》から取り出した。
大地の力を秘めた波打つ剣【アースブレイカー】ボクたちの回りを素早く4箇所突いて、【アースブレイカー】の力を解放する。
突いた場所を起点にボクたちを被う土の防御壁を作り上げた。
「ゼノはここにいて、アポカリプスの注意を引くから注意がそれたらその間に移動して」
「うん」
ゼノの返事を聞くと同時に壁から飛び出し、残りの魔力を潰しながらアポカリプスの元へと向かった。
(マチガイナイ、オマエダナ)
「あの娘って誰のこと?もしかしてユリィだったりする?」
(オマエヲ、ショウカンシタムスメダ)
「ユリィは無事なんだろうな」
(イマハナ、オマエガモトノバショニ、カエルノニアルジヲタオスッテノガアル)
コイツ、何を言った?ユリィを倒せば帰る事が出来るって言ったか?
(ソウイウホウホウモ、アルッテシッテオケ、ワザワザワレラヲタオシテ、アタリヲミツケナクテモイイノダ)
「そんなことするわけ無いだろう」
(ナゼダ?)
「こんな事する存在を放って置けないよ」
人だった黒い塊や破壊の爪痕を指しながら言う。
(ワカランナ、ナニヲオコッテイルノカ………オマエラモ、アソビデイノチヲ、ウバウコトモアルダロウ。ソレトオナジダ、ノロイデモアルシナ)
「呪い?」
(チカラアルゲンジュウデスラ、イットキシカアラガエヌ……オウノサケビガ、ノロイトナッテワレラヲ、ウゴカス。シハイスルノダ)
幻獣にも事情があるのかも知れないが、ユリィは返してもらおう。
「ユリィはどこにいる?」
(アノムスメナラ、ワレノ!?ウグッ)
アポカリプスが一瞬苦しんだように姿勢を変えた。
尻尾で攻撃してきたので跳び越えて回避。
アポカリプスとの会話中に移動し終わって、誰もいなくなった防壁を崩しながら振り抜かれた尻尾に、回収したアンカーバスターを縫いとめるように《異空庫》から落とした。
(グアァァァ~)
尻尾からアンカーバスターを抜こうとアポカリプスが暴れる。タイミングが悪いことに、アイルスさん達がやってきた。
「放て」
アイルスさんのかけ声に後方にいた人達が魔法陣を完成させる。
大きな魔法陣に別の魔法陣が重なって完成した魔法陣から氷の嵐が発生してアポカリプスを包む。
「はやく逃げて」
氷塊、氷柱、氷槍となってアポカリプスを襲うがアンカーバスターを抜こうと暴れるのが弱々しくなる様子はないから効いてはないようだ。
「そんな……合成魔法も効かないのか?」
「六芒星級でもダメとは」
「切り札だったのに……幻獣は人の敵う相手ではないということか」
合成魔法を放った二人がショックをうけている、ここまで連れてきたんだから最高戦力だったのであろう。
それが足止めほどの効果もない様子にアイルスさんも折れかけている。
「危ないからさがって」
暴れているアポカリプスが崩した建物が運悪く三人に向かって飛んでいく。
場所が近かったおかげで、ギリギリ追い付き斬りながらアイルスさん達を守る。
アイルスさんが立ち直り、二人を連れて移動するのを見てから一気にアポカリプスに近づくも攻撃が激しくて進めなくなった。
鉤爪が近くを通りすぎる、そのすきに接近しようとするも逆の手の鉤爪が振るわれ近づけない。
溜めの少ない連射型のブレスをばらまかれて距離を開けるしかなくて離れる。
アンカーバスターを抜いて拘束を解いた方がやりやすいかもしれない。
「《ダブルスラッシュ》……ヒカリ姉いまだよ」
アポカリプスの動きが一瞬止まった。
死角から近づいたゼノがアポカリプスに攻撃をしたようだ、ゼノがくれたチャンスを活かす。
「これでも、くらえー」
ゼノに気を取られたアポカリプスに向かい全力でかける。
アポカリプスがボクに意識を向けた時にはアポカリプスに向かってレヴァンティンを突き出すところだ。
体ごとぶつけるように加速した突きがアポカリプスに届く寸前に、アポカリプスの前足がギリギリで間に合って急所への攻撃を防いだ。
そのまま前足に刺さったレヴァンティンを振り抜いて前足を斬り飛ばす。
(オノレ………ワレノスミカデモウイチドアイマミエヨウゾ、アノムスメモスミカニイル。カエシテホシクバオッテコイ)
アポカリプスは蜥蜴の尻尾切りのように尻尾を切り離すと、飛びたち、リッタ大森林の方へと逃げていった。




