19話
目が覚めらと見知らぬ真っ白な天井だった。
一度やって見たかったんだコレ!
そんな馬鹿なことを考えながら起き上がり、辺りを見回すと。
綺麗な金髪のベールが風に乗り揺れていた。
二継さんだ。
「...綺麗だ。」
「えっ、あ、起きた...?」
「お、おはようございます...。」
「おはよう、今、香具師奈我さん呼んでくるわね。」
「ま、待って下さい...ずっと見ててくれたんですか?」
僕がそういうと、ビクッとしたように二継さんの身体が跳ねる。
「...もちろんよ、その、わ、私のせいで、貴方に、す、すごく、め、迷惑を、かけてっ、しまったし、け、怪我までさせて、だ、だから看ててあげなきゃって、うぐっ、ほ、本当に、ひぐっ、ごべんなざあい!...ううっ、うぐっ。」
二継さんはベットの布団に顔を埋めて泣いた。
「か、顔を上げて下さい...。」
「うぐっ...ひぐっ...。」
鼻と目を赤くし、涙を流しながら上目遣いで僕を見てくる。最高に興奮したのは内緒だ。
「そ、それより、僕、今髪の毛と言いますか、カツラと言いますか、ウィッグというか、無いんですが...。驚きませんか?」
「香具師奈我さんからっ、ひぐっ、聞いてるわ。...知ったら死ぬ情報までね。」
「Yuuuが男だという事ですね。」
「そうよ、色々あって複雑な気持ちなのに、私、男にアイドルとして負けてたって知って、衝撃過ぎて...。」
「ご、ごめんなさい。」
「あ、謝らないでよ‼︎よ、余計に惨めじゃない...。」
気まずい空気が流れる。
でも、これでずっと言えてなかった事が言える。
「二継さんに憧れてアイドル始めたんです。」
「え?」
「僕は、3年前に両親を海外のテロで亡くしてて、心が壊れて、学校にも行かず、ただずっとボッーとしてテレビ見て生活してたんです。」
「ご飯とかは...?」
「世話とかは全部妹がやってくれて、妹だって、両親がいなくなって辛いだろうに、沢山迷惑を掛けました。」
「うん...。」
「ある日、両親の貯金や遺産が訳あって無くなって、その時、妹の絶望を越した顔で、やっと目が覚めたんです。何かしなきゃと。それで、テレビで二継さんの歌が、何かが産まれる毎日が流れてきて、僕もこうなれるのかな、って思ってアイドル目指したんです。」
「え、それで女装でアイドル...?そんなこと出来るの...?い、いや現にしてたけど...。」
「えっと、まず普通に男性アイドルとしてやりたかったんです。だから、スカウトされるように駅前でずっと待ってたら雨が降ってきて、雨宿りした先に居たのが香具師奈我さんでした。」
「運命的ね...。」
僕はそれには苦笑いで答えた。
「それでちょうど話をしたら、そういうことなら詳しい話がしたいということで、香具師奈我さんがシャワー貸すから家で話さないか、という風になって。シャワーをお借りしたんです。」
「ごくりっ...。」
なんか、生唾飲み込んでるけどエロい話ではないぞ。
「シャワーから出たら服は乾燥機にかけてるって言われまして、そこにあったのが、香具師奈我さんの服だったんです。それも、めちゃくちゃ女の子っぽい物でした。」
「え?着たの⁈」
「最初はゴネたんですが、芸能界入るならこれぐらいはしなきゃって言われまして...。結果、着るハメになって、香具師奈我さんの所にいったら、香具師奈我さんが女装でアイドルしなさい!って言い始めて、それが始まりだったんです。」
「中々...というか、とても大変だったのね。」
「えぇ、両親がもし生きてたら、多分普通に二継さんのファンになってたと思います。」
「...凄く照れるわね。」
「だから、本当に二継さんと競争とか争いとかそういうことしたくなくて。」
自然に涙が出てくる。
「ごめんなさい、それは私がっ、八つ当たりでっ。」
二人で泣いていた。
僕は泣きながら二継さんにお願いをする為に言った。
「二継さん、僕、アイドル辞めようとおもうんです。」
一回書いたのが消えたのでエタるレベルで萎えたんですが、なんとか頑張りました。
短くなってしまったのは消えたせい、ふぁっきゅー(SaekoAI)
新作
なんでも出来るよ、山本先生‼︎
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