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17話

 学校が終わり仕事が始まった。

 CMの発表試写会で、ぷっチュウというソフトキャンディのお菓子のCMだ。

 新発売のルビーベリー味とエメラルドライム味。

 私が担当するのはルビーベリー味、そして、エメラルドライム味は....。


「Yuuuちゃんに負けないように頑張ります。」


 カメラのフラッシュに照らされた先にいたのは、二継さんだった。


「Yuuuさんも一言下さい!」


「憧れの先輩と共演は何度でも慣れないものでとても光栄に感じてます!」


 記者に聞かれた私は本心を答えたが、二継さんの目からは、「煽てても無駄よ。」と聞こえてきそうだった。


 試写会が終わり、楽屋に戻る途中、二継さんが声を掛けてきた。


「Mタミもドラマも負けたけど、今度は直接対決よ。ツイッターで#Yuuuのルビーベリー味、#希望のエメラルドライム、このツイート数で勝負よ。」


「え、えっと、もうやめませんか、勝負とか。」


「何?負けるのが怖いの?そうよね、そうよね、世界で一番のYuuuちゃんは私如きに負けるのが怖いのよね!」


「ち、違います、私は二継さんに本当に憧れてて」


「そういうおべっかはいいのよ!どうせ心の中でバカにしてるんでしょ!」


「本当に私は」


「この、この勝負こそ、負けない!負けられないんだからっ!」


 そういった彼女は何か焦っているようだった。


 私は何も言えずに二継さんが立ち去るのを見る事しか出来なかった。




「香具師奈我さん、どうして、どうしてこんなに嫌われなきゃならないんですか。」


「う〜ん?何がぁ?」


「二継さんです。」


「ぁ〜あ、羨ましいんでしょ、Yuuuちゃんが。」


「...二継さん程の人が?」


 考えられない、7年もやっていて、日本でアイドルといえば彼女。そのレベルの人が僕にそこまで...。


「自分の半分の年月以下しか活動してない人間にトップの座を奪われ、裏では名前にこじつけて、第一志望(ゆーみ)に断られた時の第二志望とか、滑り止め子ちゃんとまで言われてるのよ。」


 酷すぎる...。


「.......。」


「しかも、ぷっチュウなんて、彼女がCMで初めて起用された時の製品。それもこの7年ずっと。それで、Yuuuが遂に侵入してきた、敵だと思ったんでしょ。」


 それで、今回は負けられない、か。

 とはいえ、憧れの人に敵だと思われてるのは辛い。

 どうすればいいのだろう。


「私は何があってもYuuuが好きなの。私に、あの時の私に元気をくれたのはYuuuだから。」


 ふと、言葉が思い浮かぶ。そうだ。そうだよ。私だって、僕だって、二継さんが好きで憧れて、


 ありがとうを言いたいんだ。






 3年前、僕はいつも通り何も見てない目でテレビを見たいた。何故テレビを見ていたかは分からない。

 人が恋しかったのかもしれない。

 音が恋しかったのかもしれない。

 テレビのように笑いたかったのかもしれない。

 妹がいたのに。

 そんな中でハッキリと思い出せる。


 二継さんの何が産まれる毎日。


 ワンフレーズで引き込まれた。僕だって何かを生み出せるのかも知れない。誰かがいなくなり、消えるだけを見ているだけじゃない。


 そうして僕はアイドルへと踏み出したのだ。

結構繋がってるので16話と繋げました。

ってか、ここ今度改変すると思いますのでしたら、活動報告か、あとがきに書きます。

ますのすし!



新作

なんでも出来るよ、山本先生‼︎

https://ncode.syosetu.com/n3330fa/

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