16話
「私ね、今、凄いバカな事を考えてる。」
リンゴを見てバナナ( ᐛ)と感じたのだろうか。いや、そうだったら嬉しいがきっと違うだろう。
古川さんは僕の正体がYuuuだと気づいたんだろう。思い返してみれば、僕はYuuuじゃないよ、と言った時点でYuuuですと言ってるもんだ。
ただ、彼女はきっと僕みたいな陰キャでつまらない奴がYuuuだとは思いたくなくてきっと、核心には迫って来ないのだろう。
ただ、ただ、彼女が失望してネットに書き込んだら、週刊誌に情報流そうものなら、噂は広がり、いつか世間的には追い詰められるだろう。
どっちなんだ と。
嫌な事しか思い浮かばない。どうすれば、どうすればいい。古川さんだけじゃない。
スタッフ、芸能人、記者、全ての人間が秘密のベールに包まれたYuuuについて気になっているだろう。
その時バレた僕はどうなる?
きっと死ぬだろう。政府がYuuuの事を情報統制してくれているから守られていることを暴く人、暴露する人、絶対に出てくる。その前にきっと僕は殺されてしまう。
いや、僕だけじゃない、家族、事務所、あるいは最近親しくなった学校等の人間、全てが巻き込まれる。
それだけはダメだ。どうすればいい。
今からYuuuを辞める。それしかないだろう。ただ、辞めるにしても理由が必要だ。それも事務所も国も認める、いや、認めるしかない理由。
僕が必死に脂汗を額に浮かせながら思考を巡らせていると古川さんは心配そうに声をかけてきた。
「だ、大丈夫?顔色悪いよ...?」
「え、あぁ、大丈夫だよ。」
「Yuuuに会う時、きっと、この疑問が解消されると思うんだ。」
「............。」
何も言えなかった。何を言えば良いか分からなかった。
「ライブも楽しみ、会うのも楽しみ。私は何があってもYuuuが好きなの。私に、あの時の私に元気をくれたのはYuuuだから。」
ありがとうを言いたいの。--------------
古川さんはそう言い切ると、自分の席に向かっていった。
最近、がんばるんばって言いながら書いてます。
嘘ですよ。
新作
なんでも出来るよ、山本先生‼︎
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