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深層を目指す傀儡廻しのダンジョン探索日記  作者: 百舌巌


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第041話 謎の石像

 ダンジョンにやってきたハジメは第ニ階層に立ち寄った。

 この階層のスライムを全滅させているので、再びスライムが発生しているのかを確かめる為だ。


「んー、外時間で一日経過すると発生すると思うんだけど……」


 床をキョロキョロと見ながら探し回ったがスライムは見かけなかった。

 空いている部屋を覗き込んだ時にあるものを見つけた。


「ん?」


 天井付近に黒い霧が掛かっているののに気が付いたのだ。

 スライムをやっつけた時に見かける黒い霧に似ている。


「なんだ?」


 ハジメが見ていると黒い霧は渦巻き状になっていく。

 そして、渦の中心に魔石らしき物が生成され瞬く間にスライムが形成された。

 天井から雫が垂れるようにスライムが床に落ちてきた。


「生成というより生まれたという表現が正しいのか?」


 初めて魔獣が生成される瞬間を目撃出来た。

 ハジメはちょっとだけ嬉しくなった。自分に新たなるダンジョン知識が加わったからだ。


「魔石から出たものと雫みたいに出たものは種類が違うのかな?」


 ハジメはスライムを鑑定してみたが、スライムとしか表示されない。

 第三階層のように名前が付いている魔獣では無かった。

 どうやら決められた種類しか生成されないようである。


「まあ、良いか……第三階層に移動しよう」


 今回はドローンを使って第三階層を調べる事にしていた。歩いて調査するには広すぎるのだ。

 購入した物には、スマフォと連動するタイプのカメラが付いていた。

 ドローンには魔石を貼り付けてある。これでカメラが使えるはずだ。


「電波がちょいと乱れるな……」


 それでもドローンからの映像をスマートフォンで受け取ると想像以上に画質が良かった。

 もっと酷い画質になるかと思っていたのだ。暫く上空からの眺めを楽しんでいた。


「う~ん、ちょっと見ただけじゃスライムの居場所は分からないな」


 すると、草むらが揺れている部分に気が付く。スライムだ。

 急いで見つけた場所まで移動する。

 レベルアップのお陰なのか疲れることなく素早く移動出来る。


「次はスリングショットだぜ」


 ハジメはスリングショットを構えてパチンコ玉を繰り出した。パチンコ玉は玄関先に放置されていた物だ。

 恐らく父親がパチンコ屋で遊んだ時に、余った少量の玉を持ち帰って来たのだろう(駄目だよ?)

 勢いよく飛び出したパチンコ玉はスライムに命中する。


ぽよん


 スリングショットを試してみたが弾き返されてしまった。

 金属球なので結構自信があったのだが、外の物質では通用しないようである。

 スライムは攻撃されたことに怒っているのか触手を振り回している。


「じゃあ、石部屋に落ちていた小石で試す!」


 次にスリングショットから小石が飛んでいく。


ぽよん


 やはり、通じなかった。威力が無いようだ。

 どちらも外世界では空き缶をぶち抜く威力は有っただけに残念である。


「これじゃスリングちょっとじゃねぇか」


 一人ツッコミを入れておいた。失敗である。

 スライムが弾け飛ぶのを期待していたが駄目だった。


「ゴムが弱いのかなあ……自転車のチューブ使って大きめのを作るか」


 幸い納屋にはパンクした自転車の空気チューブが沢山置かれている。

 それを裂いて大きめのスリングショットを作る事にした。


「じゃあ、もっと強力で大きいのを自作すれば良いはず」


 ハジメは引き返して納屋から空気チューブを持ってきた。

 拾ってきた枝に裂いたチューブを取り付けてスリングショットを自作してみる。


「どれどれ……」


 ゴムを引いてみると、玩具のゴムと違って強度はありそうだ。かなりの弾きごたえがある。

 レベルアップで身体能力が上がっているので楽に引ける。

 玩具の方ではゴムが千切れそうだったので手加減したのであった。


 早速試してみると呆気なくスライムをやっつける事が出来たのであった。

 魔石を残して黒い霧になった。


「うん、コレなら狩りが捗りそうだな」


 出来栄えに満足したハジメは手にしたスリングショットを眺めた。

 ふと、これにガイドレールを付ければ、狙いが安定するのではないかと思い付いた。

 ガイドレールと言っても納屋に置かれていた用途不明の金属板だ。元はカーテンか窓枠かの一部であろう。

 それにチューブを取り付けるだけだ。ハジメは知らないのだが、これはスリングライフルと呼ばれる物である。


「今日も十匹討伐を目標にしよう」


 新しい武器を手にしたハジメは嬉しそうにしていた。

 そして、ドローンで第三階層を見て回り、見つけたスライムを狩り続けた。


「なんだ……アレ?」


 ハジメはドローンが撮影している光景に戸惑っている。

 映像には石像みたいな物が映されているのだ。



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