第040話 上昇の波動
ぴろりん♪
翌日、レベルアップ音が頭の中で響きハジメは目を覚ました。
猫缶の開封音で覚醒する猫に似ている。
「自分を鑑定……」
階級が上がっていた。
やはり、第三階層産スライムの経験値稼ぎは効率が良いようだ。
「よっしゃ!」
いつものV字ポーズを決めながら喜びを噛みしめるハジメ。
ハジメのBPは2超えて階級もレベルアップしている。
名前:石垣一
階級:2
HP:7/7
MP:4/4
BP:2.079
状態:正常
職業:謎こんにゃくの魔法使い
筋力:3(+1)
頑丈:3(+1)
敏捷:4(+1)
魔力:2(+1)
・生活魔法(初級)
知力:2(+1)
幸運:1
特技:(鑑定:初回特典)(傀儡廻し:初級)
「うん、全般的に上がっているな」
レベルアップのお陰なのか各項目も上昇している。
筋力・頑丈・敏捷はスライムを倒すのに使用する力。魔力は練習したおかげと思われる。
幸運が上がらないのは必要とされる場面が無かったせいだろう。
「BPってボーナスポイントだよな……」
ボーナスポイントもしくはスキルポイントと呼ばれるものは、項目に振り分け加算しているのを読んだ記憶がある。
「やってみよう……魔力に+1……」
魔力が3になった。それと同時にMPが5となる。
「おほぉー、じゃ知力も+1!」
知力が3となり同時にMPも6となった。睨んだ通り連動しているようだ。
「MPは魔力と知力の合算値なのか」
魔法を使用するのに、知力が足りないと発動出来ないみたいな縛りがあるのだろうと推測した。
「HPは筋力・頑丈・敏捷のいずれかの合算値だろうな」
次回、BPが貯まった時に試してみようと心に決めた。何時になるのかは不明だ。
特技の項目は特に変化はない。きっと、これもBPからの振り分けが必要になるのであろう。
「よし、学校から帰ったらスライム狩りの続きだな」
ハジメは登校前にダンジョンに寄って装置を確認してから出かけていった。
学校に着くと鳥居が話しかけてきた。
「魔法陣はどうだったの?」
「凧を上げたかったから、風が吹く魔法陣のつもりだったけど駄目だったよ」
「そうなんだ……」
「鳥居の方はどうだったの?」
「私の方はちゃんと効いたよ。 晩御飯は鶏の唐揚げだった」
「すごいじゃん」
「うん。 でも、次の日にも唐揚げ魔法陣作ったけどおでんだった……」
残念そうに鳥居は言った。
それは『効いた』と言わないのではと喉元まで出掛かったが我慢した。
気を利かせることもたまにはあるのだ。
学校から帰ってきたハジメは、ドローンを抱えてダンジョンへと向かった。
第三階層で飛ばすためだ。
「その前にカメラの動作確認……」
自分のスマートフォンをカメラモードにしてみた。
素のままではカメラが起動しないのを確認するとダンジョン草を巻き付けた。
カメラモードをオンにすると映し出した。
「やっぱり、そいう事だったんだな!」
取り敢えず写メしてみると画面は暗転してしまった。
「え?」
もう一度オンにしようとしたが何も反応しない。
「何でやんねん……」
ダンジョンの外に出ると普通に動作している。写メを確認すると半分ぐらいで切れていた。
「魔蘇が足りなくなったのか?」
途中で力尽きたかのような印象を持ったのだ。
スマートフォンに巻き付けたダンジョン草を違うものに取り替えた。
「さあ、どうよ」
ダンジョンの中に入ってカメラモードをオンにすると動作する。
そして写メを撮影しようとすると、やはりオフになってしまった。
「うーん」
ダンジョン草には魔蘇があるが絶対量が少ないのは理解出来た。
「ダンジョン草を沢山巻き付ける?」
それはそれで持ち運びが面倒くさい。
暫し考えて思い付いたことがあった。
「あっ、魔蘇の塊を持ってるじゃねぇか」
魔石の事だ。ハジメは魔石とダンジョン草でスマートフォンに巻き付けた。
見た目が怪しげだが動作すればそれで良いのだ。
「どうよ……」
カメラモードをオンにして写メを撮った。カシャッと動作音が響く。
「よっしゃぁぁぁぁ!」
画像を確認するとシン・スライムプレスが写っていた。
これでダンジョン内でもカメラを動作させることが出来るようになった。
見た目はショボいが、世界で最初の魔道具が爆誕したのである。
ハジメがやっとレベルアップしました
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