17.璃央への気持ち。
「このまま幸せが続くか、手握っててみようー」
璃央はそんなことを言い、嬉しそうに私の手を握ったまま再度、窓の外に顔を向けた。
私もドキドキとしたまま外に顔を向ける。
でも今は幸せを感じる余裕などなく、握られた手に意識が向いてドキドキとしてしまう。
肩に力が入る。
「あ、やっぱり幸せ続いてるかも。何でかな?」
璃央は不思議そうに外を見たまま私に問う。
「さあ……」
それは私にもわからない……。
「あ、ねえ、ちょっとここ来て!」
座っている位置を奥へとずらし、自分の長い足の間に空いたスペースを指さした璃央。
私はえっと硬直する。
そこに座るという事は……。
「ほら! 早く早く!」
璃央は何かを期待している様子で足の間のベッドの縁を叩く。
私はこの後の状況を想像して恥ずかしくなり躊躇うが、うっすら湧いた期待感もあり立ち上がり璃央の足の間に座った。
するとやはり、後ろから抱きしめられた。
「……っ」
私が黙って硬直していると……。
「茜に触れたら幸せな気持ちになったから、こうしたらもっと幸せな気持ちになれるかなーって思って」
私の体を抱きしめ、右肩に顎を乗せて耳のすぐそばから囁くように璃央の声が聞こえた。
正直、私は今、人生で一番心臓の鼓動が早くなっているかもしれない。
顔も熱くなるのを感じる。
どうしていいか、何を言ったらいいかわからず私が黙ったまま硬直していると……。
「あ、やっぱりこの方が幸せの感覚多くなる!」
嬉しそうに璃央が大きな声で言った。
「そうですか……」
「不思議だな……今まで他の女の子と手繋いでも何してもこんな気持ちにならなかったのに……」
璃央のその言葉に、私は今までの璃央と付き合った女性たちを何となく想像して暗い気持ちになった。
え、あれ? これって……
私が自分の気持ちに気付いた時だった。
「茜とセックスしたらもっと幸せなのかな?」
「!?」
璃央から出た言葉に私は瞳を見開き、更に硬直する。
「今からしてみる?」
私の顔を覗き込む璃央。
「え……あ……」
何と答えればいいかわからず、視線を泳がして俯くと……。
「茜は初めてか。だよね?」
平然とそんなことを聞いてくる璃央。
女性慣れしているのが伺える。私は小さく頷いた。
「嫌?」
璃央が私に問う。
私は俯いたまま……
「いや……じゃないけど、ちょっと……怖いです」
と、答えた。
恥ずかしさで更に顔が熱い。
「茜、可愛いー!」
璃央は、ははは!と笑いながら再度、後ろから私を抱きしめた。
「じゃあ、今日はやめておこうか。このまま幸せに浸ってよ……」
そう言って璃央は私の肩に再度、顎を乗せた。
「…………」
私はもう拾われて璃央にあげた、璃央の物なのに……。
私の気持ちを尊重してくれてた璃央に、私ははっきりと自覚する……。
私は璃央が好きだ。




