11.広いベッドの中で。
「すみませんでした」
ひとしきり泣いて涙がおさまったあと、私は涙を拭い西園寺璃央に謝った。
「君の涙で顔がびしょびしょだ」
西園寺璃央は私を見上げながらおかしそうに笑っている。
そんな西園寺璃央に再度、狂気を感じながらも、慣れて来たのか変な人だな。と、私はつい少し微笑んでしまった。
「あ、初めて笑ったね」
西園寺璃央は驚きの表情をした。
私はすぐに真顔に戻す。
「さ、じゃあ、冷めたお茶飲んで今夜は寝ようか」
ああ、ついにヤるのか。
まぁ、西園寺璃央になら、処女あげてもいいかな。
私はこの狂気を持った変な人、西園寺璃央に少し、いや、だいぶ心を開き始めていた。
と、紅茶を飲んだまではいいが、
なんで?
私は広いベッドの中央で、西園寺璃央に抱き枕にされていた。
なんかめっちゃ抱きしめられてる。苦しいんだけど。
しかも西園寺璃央ぐっすり眠ってるし……。
だけど何かちょっとほっとした。
人に触れて、体温を感じるのはこんなに気持ちいいものなんだな。
セックスも強要されなかったし、よかった。
やっぱりちょっとまだ怖いしね。
西園寺璃央は私のないに等しい胸に顔を埋めて寝ている。
綺麗な髪……綺麗な寝顔……私はなんとなく、西園寺璃央の頭を撫でた。
「ママン……」
西園寺璃央は小さく寝言を呟く。
ああ、きっと西園寺璃央も母親と何かあるんだな。
私は仲間意識が芽生えたのか、綺麗な寝顔にやられたのか、少し西園寺璃央が愛しくなり、西園寺璃央を軽く抱きしめ、眠りについた。




