第24話 新しい錬気の進捗
第24話 新しい錬気の進捗
今日も第三区は快晴だった。
早朝の第三区教練場、よく見ると少女が立っている。
「ユーキさん おはようございます」
「カグヤさん おはよう。早いんですね」
「はい」
・・・・・・無言のまま気まずい雰囲気が立ち込めてくる。
遠くにカレンとゴーキがステップを踏みながら駆けてくる。
ユーキと元気に挨拶を交わす。
いつもの日課が始まる。朝は入念な柔軟体操と、その後、第三区内を軽く一周する長距離走。
タローはハリセンを各自に渡しながら使い方を教える。
ハリセンを打つとパァーン パァーン、草原でも良く響く、
試しにタローは行き成りゴーキの頭を叩いた。
「何する痛てじゃー・・・・・・あれ全く痛くないぜ!」
二人一組になり予気と感気の訓練をする、カレンとゴーキはやる気全開だ。
ゴーキはゆっくりカレンの後方に移動していく、パァーンとカレンの後頭部に命中した。
「痛い? あら不思議ね音の割に痛くないわ。ゴーキ卑怯よ背後からの攻撃は」
「関係ねー、敵の攻撃が正面からくる決まりはないぜ」
「そうー 今度は私の番ね、食らうがいいわ!」
カレンが左右に動くとゴーキも一緒に動く、急にカレンはしゃがみ込み何かを取った。
ゴーキの顔にパァーン パァーンと二度鳴り、ハリセンが当たる。目くらましで石を投げたのか!
「これ気持ちいいいー」
顔面直撃か、倍返しで容赦ないカレン。
(予気・感気の訓練だから、五感を使かわない)
(ハハハ 忘れてたぜ)
まぁーゴーキだからな・・・
攻守交代。カレンが集中している、騙し音が鳴っても動かない。スキを伺っているがスキがなく打ち込めない。
ゴーキが閃いたようにハリセンを降った。空振りのあと、パァーン~と空に響きわたっていく。
かわされると思ったゴーキは、かわしていく方へ二度目の攻撃を間髪入れたのだ。
「あぁーあ かわして喜んでいたのが敗因だわ・・・」
二人とも楽しんでいる。お遊びの遊戯といえ勝負は勝負、勝つには駆け引きも必要。
三人は交代しながら感覚をつかんでいく。
暫くすると音が鳴らなくなってくる。とことん順応が早い連中だ。
小休憩するころは草原にこだましなくなった。
「お疲れ様です。冷たい飲み物もご用意しております」
「カグヤ 気が利くじゃない」
鉄板です、ユーキの手に飲み物が渡され持っています。
「あ、ありがとう」
「助かるー、・・・うめー生き返るぜー」
カレンがユーキに無言でカグヤに何か言えと・・・催促する
「カグヤ 飲み物も用意してもらいありがとう。訓練に参加してないから詰まらなくないですか?」
カレンがウンウンと頭を小さく上下に動かす。気が利く少女である。
「お気遣いありがとうございます。治療錬気の基礎の訓練をしておりますので大丈夫です」
ほめられたカグヤは満面の笑みを浮かべる。
「しかし、目をつぶって良くかわせるものです」
カグヤの目がしょっちゅうユーキの方を追っていたのは内緒にしておこう。
(ハリセンの成果はどうだった?)
「ハリセンは愉しいです」
いき成りか、場の空気読めよユーキ。カグヤがパチクリしてるだろう。
「ハリセンが飛んでくる感覚は読めるかな、まだ予気はないってところね」
「そうだなー、ハリセンは連撃も速度ないから楽にかわせる」
「僕も『きた』って感覚はつかめるようになった。けど、まだ音に反応するダメだな」
(全体に上々な仕上がりだ、もう一段あげるか! 次は指弾も入れて訓練だ)
(了解)
またパァーンと単発に草原にこだまする。夕方まで訓練は続いた。
新しい錬気の特訓を初めて12日目
今日も第三区は晴れだった。
雨の日は一般教養の座学を勉強はしてます。戦闘バカでも一般常識は身に着けないといけんません。
授業中寝てる方が多いとか言っちゃーいけませんよ。
(ユーキ 治療錬気の基礎はどこまでか聞いてくれ)
「治療錬気はどこまで進んでます、僕は気の通し方と身体全体はつかめました」
「同じね」「同感」
「ユーキさん 聞いてください、私は各部位をハッキリと確認できるまでになりました。こんな短期間に上達できたのはユーキさんのお陰です」
カグヤはユーキの手を握り顔を近づける。
「ち、ち、近い。カグヤさん顔近すぎます。あと手を握ってブンブン振るのも止めて落ち着いてください」
「それとですね、気装も気衝も格段にあがり、特待生の人たちから驚かれました。最近は体の体調も凄くいいんですよ」
「おめでとう!、でもブンブン振るのはやめましょうね」
カグヤの体が弱いのは内臓の働きが悪く病気にかかり易い体質のせいだ。
ユーキがカグヤに気の流れを探った時に、俺が気の巡りを直しておいた成果だ。
断じてユーキじゃない、言えないが。
三人は治療錬気の効果に驚いていた、カグヤが治療錬気の効果を証明したからだ。
これで、治療錬気もしばらくは頑張れるだろう。
(次は予気と感気の確認だな)
「次は予気と感気です。同時攻撃もかわせる程度、予気は攻撃直前って感じで使えないかな」
「感気はユーキと変わらないかな、予気はバラツキがあるのよね。もう少しかな?」
「同時攻撃はほぼ確実でかわせるぜ,3連撃は時々かな。予気はちゃんと出来てるのに、誰も打ってこないんだよな?ー」
「ハハハ アンタってつくづくバカよね! 気づいてないの?」
「うむ、何がぜょ?」
「こちらが打ち込もうとした時、アンタそこに構えているでしょ。誰が構えたとこに打ち込む人がいるの・・・バカじゃない」
ユーキもウンウンと頷いている。
「俺としたことがー バカだぜぇ」
ゴーキだからね・・・・・・仕方ない。
「歳が1つしか変わらないのに、同じ人間なのでしょうか?」
カグヤは青ざめていた、数日で錬気を習得していくなど聞いたことがない。
俺が錬気の達人になるのは至極当然の結果、脳や補助脳・神経系統を自由自在に操れるのだから使いこなすのは簡単だ。住んでるのは脳内、何時間も訓練し放題、これで達人になれない道理はない。
この三人の上達は異常と思えるところがある。
気脈を探るとその異常さが分かる、驚くほど綺麗に整っている。つまり広い道は整地されていた。
寝静まったころ他の子供達を調べたことがあった、気脈の流れは曲がりくねって酷いもんだった。
優秀といわれる子供も大して変わらない。
綺麗に整っているなど普通ありえないのだ。
補助脳以外に、三人は何か特別な秘密が隠されている気がする。この件に関して答えは出でてこないので先送りしてる。
(治療錬気の練習は従来通りでいいとして、予気・感気は難易度をあげて木剣と指弾にしようか)
(了解!)
訓練は一段階上げ、木剣と指弾なったことで集中力が増してる、いい結果になった。
カグヤは見学
新しい錬気の特訓を初めて15日目
今日も第三区は快晴だった。
(予気・感気で防げるようになったけど、反応も鈍く、動きに無駄が多いし大袈裟に避けたり完成度は低い。が短期間で出来たことに及第点を差し上げよう)
(あざーす)
(今日からは実戦でやっていこう、一対二の対戦形式で攻撃は剣主体で危ないのはなし)
最初はゴーキね、前衛型なので防御の動きはいいが・・・
(こらー ゴーキ! 視覚で全て防がない、予気・感気はどうしちゃったのかな?)
(おおおぉー 忘れてたぜ! ハハハハ)
やっぱりゴーキだな・・・定番になってしまってる。
動きが格段に良くなった、普通にやればできる子なのだ!
ユーキが剣で頭、胴、足にたて続けに攻撃を仕掛け、カレンは指弾を打ち突きを入れてる。容赦ない
攻撃だゴーキでもユーキ・カレンを相手して攻撃に転ずるのは流石に難しいか。
小休止
攻守交替で練習開始
カレンとユーキはゴーキほど防御は得意じゃない、きつく成ると逃げに回って回避する。
小休止
攻守交替で練習の繰り返し。
(よーし 特訓はこの位でいいたろう。明日からは君たちが大好きな練習試合やろう)
「うっおしゃー」と拳を空に突き上げるゴーキ
(ナイス!)と親指を立てるカレン
「やったー」と何もないユーキ
三者三葉の仕草をする、これ性格だな。
どうしちゃったもんかね! 簡単に能力上昇は有り得んでしょ。普通は簡単じゃないよ、何この超速の能力獲得。タローは肉体を持たない精神体だ、気を見ることも感じること簡単にやれる、だから錬気は得意中の得意に決まってる、出来ない方がおかしいでしょ。しかし、この三人は生身の人間、教え方が上手だとか覚えが言いとかそんな程度の問題じゃない。明らかにおかしい、が、2割増の実力をつけたから良しとしよう。
不安を煽ってる割にいい加減だな!
用があると来ていなかったカグヤがスキップしながら走ってくる。この世界でスキップが流行ってるのか。
「第二区を相手に練習試合ですが、前回戦ってるので新鮮味ありませんねー」
「そうね、イートンはいいとして、あと他の班長くらいなもんよね」
「二区に強いのいないぜー」
会話を聞いていたカグヤがいい案くれそうだ、閃いたかのように顔がパット輝いた。
「あのー、練習試合とかされるんですか?」
「そうなのよ、対戦相手がいなくて困ってるの」
「よろしければ、私の班と対戦してみてはどうでしょうか?」
「???・・・」
「少し説明不足でした、第一区でカグヤ班を作らせて頂いているのです。最近、私がいないため何処に行ってますとか?、根掘り葉掘り聞かれて、うるさい方達ですが強いんですよ。ちなみに私は班長やらせて頂いてます、6名全員が優しい方達なんです」
「へー班長ねー 班の人は優しい? ちなみに試験の順位はどれくらい?」
試験の順位など当てにならないけど一応目安として聞く。
「確か、本戦出場で6位?と7位?のお二人と16位以内に4名かと・・・」
順位に自信なそう!興味がないんだ、カグヤ班可哀想に・・・
「でも強いの間違いないです、副班長の7期生のシーナーさんと同じ7期生のカツキさんは、今年になって武術技能試験で二段を取りました。他の方も一級や初段を受かり教官方に優秀だと褒められたばかりです」
「へぇー それは中々やるわね」
(因みに三人は試験受けてる?)
(僕たちは全員四級です)
(今年になって試験受けられないから昇級してないわ)
(シャンティ院長が妨害しまくってるぜ)
(確かに)
武術技能試験とは全国(各大陸)で行う剣と錬気の技術や技能を検定する試験である。八級から始まり十段が最高位の階位になってる。六段以降は演武試験はあるが基本は自推薦なので強さに関係ない。実力五段とも云われ五段が最高位になっている。
話しの流れを戻すと、カグヤ班はカグヤのためにある班。
(これって、カグヤの親衛隊だろう!)
(100%親衛隊ね!)
(親衛隊だな!)
「カグヤさんに親衛隊、あわ!あわ!あぁ・・・」
(何くちゃべってんだ、カレン頼んでみてくれ!)
「ユーキはほっといて・・・カグヤ あんたの班に練習試合頼んでみてくれる。日にちは何時でも構わないわ」
「分かりました、ユーキさんバッチシ決めてきますから、ご心配なさらずにお待ちください」
「あ、ありがとう」
カグヤは急がねばと思ったのか、一目散に駆けて行った。どことなく嬉しそうにみえるが・・・
(これは一波乱ありそうで楽しみだな)
「カグヤさんはいい人ですね」
なぬー こいつも恋の魔法に掛かって周りが全然みえてないのか?
(何はともあれ練習相手が見つかって万々歳としよう)
(5位か? タロー バシバシ戦うのは良くないわよねー)
(止めた方がいいー 余計に反感かいそうだから止めた方が・・・カレンならいけ、嫌ダメだな!)
女の子に負けたなど親衛隊として失格だしな。
(ゴーキに聞くだけ無駄よ!)
(親衛隊を侮っちゃいけないぞ、関われば面倒ごとに巻き込まれるからな!)
(そ、それはゴメン被るぜ!)
(僕はどうします)
(お前は張本人だし、巻き込まれてるから好きにすればいいさ!)
(えっ なんです? 酷いじゃないですか!悪いことしてないのに・・・)
(わるい悪い、試合当日は死なないように助言するから心配するな)
(ハハハハハ)
笑うカレンとゴーキ、納得してないユーキが佇んでいた。
『錬気』は架空の能力、空想(妄想)で書いてますから破綻(ご都合主義)してる部分はあるかと思います。文章力は書き続けてもド素人の範囲から抜け出るとこはないでしょう。ならストーリーで頑張りたいけど、拙い表現力に撃沈しそうです。
遅筆なので溜めている分が無くなると更新遅くなります、悪しからず。




