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【紋章:勇気の証】

称号:勇気の証と称号:悪魔の種を

紋章:勇気の証と紋章:悪魔の種に変更します



マグナード先生の合図と同時に、僕は後ろに飛ぶ。


その直後に前、右、左、そして足元が同時に爆発した。多分さっき食堂で使ってた魔法だろう。


「チッ!勘のいい野郎だ」


アドルフ君の面白くなさそうな声が聞こえてくる。


「次は僕の番だよ」


小さく呟いたあと、僕は速度を上げアドルフ君に近づく。


いきなりの緩急でアドルフ君の反応は遅れた。その油断が命取りになるよ。


「なっ![ファイアー…くっ!」


アドルフ君は魔法を詠唱しようとしてたけど間に合わないと判断したのか剣の腹をこちらに向けてガードする姿勢を向ける。そんな剣ごとき!


「アァッ!」


僕は前への勢いをそのまま拳に乗せて、剣の腹に殴りかかる。だけど剣の腹を殴る前に見えない壁のような何かに阻まれてしまった。


「っ!?」


「ハッ![ファイアーボム]!」


バカにするような笑いのあとに詠唱が聞こえて慌てて後ろに飛ぶ。だけど間に合わなかったみたいで少しダメージを受けてしまった。


「くぅっ!」


後ろに吹き飛ばされながら受け身を取り、すぐさま起き上がり態勢を整える。


「厄介だな…」


「足を吹き飛ばすつもりだったのによぉ、身体が頑丈で良かったなぁ」


アドルフ君の言葉を聞き流しながらさっきの出来事について分析する。見えない壁?防御魔法かな?でも詠唱はしてなかったはず…。


「いくら考えようが、テメェの攻撃でこの【紋章:守護の盾】は破れねぇよ![ファイアーボム]!」


アドルフ君はこちらに剣を向けながら魔法名だけを叫ぶ。


「っ!」


僕の足元に魔法陣が現れ先ほどの爆発を起こそうとする。僕はそれを横に走り出し、それを回避した。


「けっ!すばしっこい野郎だ![ファイアーボム]!」


途切れさせる事なく連続で魔法を唱えるアドルフ君。それを彼の周りを走りながら回避し続ける。


「どうしたどうしたァ!逃げてばかりじゃ勝てねぇぞ!」


こちらを挑発しながら魔法を発動させ続ける。このまま疲れてくれると楽なんだけどね…。


「フッ!」


僕は素早く後ろに回り込みそのままもう一度殴りかかる。けれども、僕の拳は見えない壁にまた阻まれるのだった。


「甘めぇんだよ!」


アドルフ君は後ろを振り向きながら剣を薙ぎ払うように振る。僕はそれを後ろに飛んで回避する。らちがあかないな…。


アドルフ君はそのまま剣で切りかかってくる。僕はそれを避けながらも見えない盾にうんざりしていた。せめて武器があればなぁ…。


≪【紋章:勇気の証】の定着を確認。紋章授与者に5つの希望を授けるため、魔源(マナ)の流動を開始します≫


はい?


頭に響く声に思わず動きを止めてしまいそうになる。アドルフ君の剣が迫ってきていたが、大きく後ろに飛んでそれを回避した。


後ろに飛んでいるときに気づいた。僕の右手の紋章が輝いていることに。


魔源(マナ)の流動が完了しました。授与者の願いに応え、5つの希望の変質を開始します≫


頭の中に響く声を聞き終わると、五芒星のそれぞれの頂点がさらに輝く。それに伴うように、僕の体の傷が癒えていった。


「なんだ!?何が起こった!」


アドルフ君も困惑の声を上げる。一番驚いてるのは僕だけどね。


傷が全て癒えると、今度は僕の両手を白く輝く暖かい光が包み込む。


光が収まると、そこには僕の腕にぴったりとはまった白く綺麗なガントレットが現れていた。


「なにこれ!?」


<【紋章:勇気の証】の力の一つ、武装の光により顕現された、マスターの武装です>


僕の心からの驚愕に、頭に響く声が答えてくれた。それよりも…


「誰君!?」


<【紋章:勇気の証】の力の一つ、英知の光によって誕生した、世界の知識です>


僕の二度の驚愕にもなんの反応も示す事なく淡々と答えてくれる世界の知識さん。呼びづらい…。


「なに一人で騒いでやがる![ファイアーボム]!」


「しまっ!」


世界の知識さんの声に意識を向けすぎてアドルフ君の攻撃に反応できずモロに爆発に巻き込まれてしまう。


「ハッ!ざまぁねぇぜ…………なっ!?」



アドルフ君の驚愕した声が聞こえてくる。その理由は、先ほどモロに爆発を食らった僕が、無傷でその場に立っていたからだった。


「なんのダメージもない…どうなってるんだ…」


頭の処理が追いつかないよ…。


<【紋章:勇気の証】の力の一つ、守護の光によって、先ほどの爆発を防御しました>


うん、もう驚かない。


「勇気の証…一体いくつ力があるんだ…」


<5つの力が存在します>


そういえばさっき、5つの希望を授けますって言ってたっけ、驚きすぎて忘れちゃってたよ。


「あとで全部教えてね…」


<承りました>


襲い来る精神的疲労になんとか耐え、僕はアドルフ君に意識を戻した。

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