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来世は異世界で  作者: 三日月
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閑話:その後。

お久しぶりです。

戦闘の後日の話です。短いですが。


ではどうぞ!


短話:片付け




地竜による自爆攻撃の後、俺たち周辺の魔物に関してはほぼ綺麗に消え去ったのだが、まだまだ多くの魔物が残されており、俺たちは治療・休憩もそこそこに救援に向かった。

全体的に無尽蔵とも思えるほどの魔物に押され気味になっており、徐々に後退しながら戦闘を繰り返していた。

それでもほぼ全ての魔物を駆逐できたのは良かった。その分の犠牲も払ってはいるが…。


魔物の襲撃が収まったのは、ほぼ一日が立ってからだ。その間、代わる代わる休憩と戦闘を繰り返していて、流石に疲れた。終盤なんかは無駄にケガを負ってしまったりと、まだまだ戦闘に関しての改善点が見つかった。そのことに関してだけは良かったが。



魔物も退け、帝国中が歓喜したのも束の間。戦闘の跡地には数々の爪痕が残され、魔物の死骸に紛れて騎士・冒険者・一般人だったものも見受けられた。

帝国主導で、戦闘が終了した日のうちに、復興という名目の片付けが始まった。

基本的には騎士がやり、冒険者には依頼がきている。そして驚くことに、帝国にある学園の生徒及び一般市民にも、希望者だけであるが募集が掛かったらしい。


そんな訳で俺たちは、魔物の死骸処理、犠牲者のの埋葬、壊れた建築物の修繕等を依頼として受けた。

今回は二手に分かれて、俺とアイリスは犠牲者探し及び埋葬。レオンとリリィは魔物の死骸処理だ。

アイリスやリリィには、他の仕事の方がよくないか?と勧めたが、断られたのでこうなった。


因みに戦闘が終わった後、ノアに短い時間でコッテリ説教された。なんで私を呼ばないんですか?や、召喚してれば怪我をせず楽に戦闘が終わったのに。等々……。笑顔で追い詰めてくるので、普通に怒られるよりも質が悪い。まぁ、実際ノアの言う通りなので反論も出来ないのだが。



「ノルン、こっちにも人が居るわ!」



アイリスに呼ばれ行くと、魔物の死骸の下敷きになっている騎士と思われる人物が居た。

そこまで傷は無いのだが、心臓の部分を鎧ごと角のようなトゲに刺されており、即死したのだろう……。

しかし、死してなお騎士の剣と盾を放さない姿を見て、尊敬の念を覚えた。


黙祷してから、この誇り高き騎士を指定された場所へと運ぶ。

騎士は急遽仮設された詰所へ運ぶことになっている。

犠牲者は身分などは一切関係なく、国葬となっている。本来の功労という意味ではないが、国が執り行うのだからそこまで間違ってはないだろう。



詰所に着くと犠牲者の確認を行っていた騎士が駆け寄ってきた。



「ッ!こ、こいつは何処に、居た…?」



「……ここから西側の、初期の前線付近です。」



「…そうか。こいつを見付けてくれてありがとう…。こいつは俺と同期の奴だったんだ…。


……バカヤロウ。勝手に死にやがって…。」



泣き崩れる騎士の側を離れ、俺とアイリスはそっと立ち去った。



「…アイリス。大丈夫か?顔色が悪いぞ。」



「大丈夫。…大丈夫よ。」



それ以上言っても仕方ないので言わないが、慰めるように二回ほど頭をポンポンして、作業に戻った。



それからも同じことを繰り返し行い、一旦の作業終了が伝えられた頃には夕方も終わりを迎えようとしていた。

俺もアイリスもレオンとリリィも、くたくたになっていて、宿に着いたら直ぐに眠りについてしまった。





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短話:追悼




「そろそろか…」


戦場の片付けがある程度終わった次の日。俺たちは帝国のシンボルでもある城の前の、広場に集まっている。

そこには、騎士、冒険者、民衆など様々な人々が居り、皆出来るだけ黒い服装をしていた。

この文化は、初代勇者が伝えたモノらしい。本当は喪服を伝えようとしたんだろうけど、取り敢えず黒い服で浸透したようだ。


そして広場が人々でいっぱいになりつつある時、城のバルコニー的な場所に、これまた黒い装束を身に着けた神聖ミラーズ帝国皇帝が姿を現した。皇帝が出てきた途端に一切の話し声などが消え、皇帝の方を見る。



「・・・此度の魔物との闘いで、我々は多くの”英雄”と守るべき民という”宝”を失った。そして我も含め、それに涙し怒りを覚えた者も多いであろう。しかし、その悲しみも怒りも忘れてはならない。


歩み続けるのだ!”停滞”は死者への冒涜であり、唯一の慰めは我々が歩みを止めない事である!

我々は、此度亡くなった者たちの分まで歩み続けなければならない。・・・国民よ立てっ!悲しみも怒りも己の糧にし。立てよっ国民!


生きている己の”使命”を忘れてはならないっ!今はまだ悲しみにくれ、怒りに震えよ。しかし、いつかは顔を上げ、また歩まなければならないのだ。散って逝った”英雄”と”宝”のことを忘れるな。以上だ。」



そう言い切った後その場の全員で死者へ黙祷を捧げた。


その後の発表で分かっている限りで、騎士143名。冒険者126名。一般人12名の死者。全体で負傷者635名という、近年では戦争以外での死傷者数では最大の事件となった。





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短話:犯人 皇帝視点



我は民たちに対しての演説が終わった後、訪問者の報せを受けた。

今回の魔物との闘いは、一般には大規模な魔物の襲撃として、裏で操っていた真犯人の事は伏せていた。このことが世に出てはいらぬ混乱を招く恐れがある。


そうこうしてる間に会議室に着いた。


「・・・ミラーズ皇帝陛下、お待ちしておりました。」



「おぉ、エクス殿。少々遅くなってしまった。すまないな。して、何用かな?」



冒険者ギルドで現Sランク上位・・のエクス殿。そんなエクス殿は、無言で何か物体を地面に転がした。



「・・・今回、魔物を操っていた犯人の男だ。」



「ッ!!」



「すまないが殺してしまった。が、その魂は救われることの無いようにしたから安心してほしい。そしてついでに粗方のこの男の研究資料も集めておいた。ろくでもない研究だったが、今後再発防止のために帝国でよく研究しておいてくれ。」



「約束しよう。正式にとはいかないが、何か要望はあるか?報酬を支払いたいと思うんだが。」



「・・・後ほど手紙をギルドから送るので、そちらに記しておきます。今は特にないので。・・・それでは。」



「うむ。承知した。」



我の言葉とほぼ同時に、エクス殿は姿を消した。残されたのは男の死体とその研究資料。資料は機関の方へ送り、死体は”専門家”に送ることを決め、我もその場を後にした。





次は何の話にしようか・・・。


恐らく少しの間は短話とか閑話を挟んで、次の話にいけるといいかなぁとは思っています。

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