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来世は異世界で  作者: 三日月
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ウォル爺さんの青空教室

レオンたちとの合同訓練かこの話か迷って、この話です。


では、どうぞ。


魔物が村を襲ってからというもの、父さんは鍛冶場にこもってせっせと装備の修繕やら鍛え直しをやっている。


俺は壊れた刀のつなぎとして、一般的な両刃の剣を渡された。なんでも刀はアレ一本しか作ってなかったらしく代わりが無かった。


仕方ないと思いつつ、俺は授業を受けるために広場に向かった。


そこにはいつもの面子がそろっていた。



「ノルーン。遅いぞ!もうすぐ始まる」


「ノルン!魔物と戦ったんでしょう!?大丈夫だった?」


「……おは、よう。ノルン…」



そんな一度に喋られてもなぁ。まぁ全部返事するが。



「みんなおはよう。まだそこまで急ぐ必要はないだろレオン。

なんとかケガもなく大丈夫だったよ。心配してくれてありがとな、アイリス。

リリィは、母さんの手伝いしてたんだろ?お疲れ」


そういうと、みんな其々リアクションを取りながらも会話が続く



「そういや、レオンはこの前の魔物たちと戦ったのか?親父さんが西門の方で戦ってたって聞いたけど?」



「あぁ。俺も一応戦いには行ったけど、前線には出させてもらえなかったし、今はそれでよかったって思ってる。親父や自警団の人たちの戦いを見て、俺はまだまだなんだって思いしらされてな。

それに俺が使ってた盾が攻撃のいなし方をミスって破損しちゃって、でもランスだけでも応援に行こうとしたら止められて、南門の方には応援に行けなかったんだ」



「そうだったか。なぁ魔物を屠った時、どう感じた?」



「最初は怖かった。でも俺がその魔物を倒してなかったら、違う人が傷ついたかもしれない、最悪死んだかもしれないって思ったら、怖いとは思ったけど身体が動いてくれたよ。

ただ、夜に殺した魔物の夢みちまって気分は最悪だったけど…。」



「やっぱ怖いよなぁ。俺も手が震えてたし、感傷に浸るなら帰れって父さんに怒られた。」


するとレオンたちは驚いたように俺を見た



「アタシ、ギルバートさんが怒ったところみたことないわよ?」


「俺もだ」 


「……私も。」


あー父さんはいつも笑みを浮かべてるからなぁ

俺は苦笑しながらも



「父さんも怒るときは怒るよ。それに、戦闘中に考え込んでた俺が悪いから。怒られるのもしょうがない。」


其々ふーんやそうなんだ、と言いながら納得した



そこへ今日の教師役の人がきた。

・・・今日はウォル爺さんか。


ウォル爺さんは、村はずれの広大な土地で酪農をして村の乳製品を支えてる爺さんだ。なんでも、父さんたちが村に来た時から今と変わらぬ姿らしい。



「……私の、お母さん、が小さい、、時から、、おじいさん。だって、言ってた…」



訂正。グアルティネッサさんの幼少期から、もう爺さんらしい。何歳だよ!?

リリィのお母さんって村に代々住んでる人だろ…



「ホッホッホッ。遅れてすまんのぅ。流石に家から広場までくるのは骨が折れるわい。

みんな揃っておるかの?まぁ揃ってなくても始めるんじゃがの。


ホッ!そうそう、この前は災難じゃったのう。魔物なんぞが来たらしいな

あいにく儂は出かけておって知らなかったんじゃが、みな無事で何よりじゃ!



・・・さて、そろそろ始めるか。まずは歴史からいこうかのぅ。」



眠くなりそうなゆったり口調でウォル爺さんが語ってく



「みなが存在するこの世界ができたのが約、何年前だったかのぅ。えー、多分60万年前くらいだったかな?まぁ、もんの凄く前にできた。」


初っ端から突っ込みどころ満載だな。おい。



「そして紆余曲折あっての、魔物の勢力がドンドン我々の生活圏を飲み込んで行ったんじゃ。そこで、残った国が勇者様を召喚して魔物を追い払ってくれるように頼んだんじゃ。これが確か約3000年前だの。」



3000年!?そんなに前なのか…じゃあ、刀の作り方を知ってる”師匠”はその子孫とか弟子とかか?



「そのあと、魔物から奪還した土地に勇者様たちが国を作ったんだがの、そしたら勇者様たちを召喚した国が異議を出してきたんじゃ」



「はいっウォル爺さん!なんでですか?」

子供の一人が手を挙げ質問した


「たしか、”勇者を召喚したのが我が国なのだから、勇者が作った国は我が国のモノだ”と主張を始めたのだよ。

…人間の尽きることのない欲望と愚かしさの一面が垣間見える出来事だの。」


爺さんは目を細めながら続きを話す


「しかもその国の王は召喚当時の王とは違ってての、一説には暗殺されたとも言われとる。

そして勇者様たちはそんな物言いに呆れ、相手にしなかった。


そしたら、その愚王は勇者様の作った国へ戦争を仕掛けたのだよ。

馬鹿にも程があるが、その王の周りは自分に都合のいい部下たちしか居らず、先代から仕えていた者たちは、さっさと見限って別の国に行った者もいれば処刑された者までいるという。」



そこで俺も質問する



「国民や兵士たちは戦争に賛成したんですか?」



「悪知恵、とでも言うのかのぅ。国民に対しては勇者が戦争を始めた等の嘘を吐き国民の感情をあおり、兵士には家族や恋人の名を出して脅迫したりと、無理やり戦争の方向へもっていったのだよ。

勿論ありえないと言う者もおったが、その者たちを追放したり処罰したりなどをしていったら、自然とみな口を閉じそんなことを言う者はいなくなる。



・・・そして戦争を仕掛けたんだがの、開戦2時間足らずで勇者様がたの勝利であっけなく戦争は終わった。」



「どうやったんですか?」



「簡単じゃよ。城ごと国の上層部をふっ飛ばした。跡形もなく、な。

大体、戦争を始めるのは国だが、実際戦争に駆り出されるのは国でも王でもなく民じゃ。兵士もまた国民。

それに、兵士たちは脅されていたから参加したからであって、元々士気も低かった。

そんな状態で、勇者様方本人が派手に城を破壊したから、戦う気力も木っ端微塵に砕け散ったのであろうよ。戦後の処理を合わせても2週間で終わったらしい。


その国は今はなくなって、現在は勇者様が作った”神聖ミラーズ帝国”の領土としてある。


それに当時から現在まで最も広く、時代の先を常に走っているのも帝国じゃな。」



勇者たちが作ったのに、帝政にしたのは何故だろうか…



「帝国の”初代皇帝ミラー”は勇者様でもあり、皇帝として7年という短い期間で他の国にはない、数々の新しい組織や設備などを増やしていってのぅ。

代表的なのは、世界で初めて国民の子たちを義務で学び舎に通わせる制度を作り、今ではその学び舎は学園と呼ばれておる。」



学校があるのか!よく作ったな。俺とかも入れるのだろうか?



「はいはいっ!それは俺たちも入れるのか!?爺さん!」

俺が訊く前にレオンが勢いよく質問する



「ホッホ、元気だのぅ。たしか、大まかな年齢で分けられる入学試験とやらを通過できれば、たとえ他国の者や孤児でも入学できるらしい。

それに学園では、将来のために授業は自分で受けたいものを受ける方式らしいぞい。」



前世の大学みたいなものか?



「こういった学園の他にも、犯罪者を取り締まるための専門の騎士隊や”裁判所”なる犯罪者・その疑いがある者を公正に裁く施設などもあってな

帝国には色々と他の国にはないものや珍しいモノで溢れてるんじゃよ。勿論娯楽も多いぞ!」



ほえー、すごーい、行ってみたい!などの声が上がった

爺さんは、子供たち(俺たち)を優しく見ながら次の授業に進む。



「ホホッ。みなもいずれ帝国に行くことがあるかもしれんが、その時は儂にお土産を頼むぞ!ホッホッホ。


さてさて、歴史はとりあえず帝国を教えたから、今日はもういいじゃろ。今度はまた違う話じゃ。」



俺らが帝国に行くときに、まだ生きてる気なのかこの爺さんは?・・・でも案外ピンピンして、ありえそうな話だ



「さて、つぎで終わろうかのぅ。疲れたわい。

そうだのぅ・・・、家畜の乳しぼりのコツと召喚獣の話、みなはどっちが聞きたいかの?」



俺たちに聞きたい話を尋ね、若干乳しぼりのコツを聞きたい子たちが多かったため、そっちに決まった。



「少しだけ乳しぼりの方が多かったから、そっちを話すが、召喚獣の話を聞きたい者がいれば、後日儂の家まで来てくれれば教えるからの!


それでじゃ、乳を搾るときはの・・・・・・」



なら今度ウォル爺さんの家に行ってみるか。

レオンたちも来るだろうか?後で訊いてみよう。



そうして俺たちは爺さんから乳しぼりのコツの話を聞いて、その日の授業は解散となった。




これから忙しくなるかもなんで、更新が減るかもしれないですが、これからも応援のほどを宜しくお願いします!

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