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その勝負 受けて立つわ

主要登場人物紹介

基本は、オビト、アスカ、ヒロミの幼馴染トリオを中心に話が進みます。そこで、まずは主要メンバー3人の登場人物紹介!


オビト皇子

 ご存知、後の聖武天皇。好きなウドンはキツネ。遠慮のかたまりで、あまり具材をトッピングできない。


アスカ=ウィスタプラン

 将来は皇后となってオビトと結ばれる。好きなウドンは天ざる。ウドンと別皿に天ぷらを山盛りにして食べることにあこがれている。


ヒロミ=ドグブリード

 聖武天皇の第二夫人。好きなウドンは温ウドンに海老天2本。シンプルイズベストを基本としつつ、盛り付けにアクセントを加えることも忘れない。

 時は天平――(ところ)は異世界――

 ここはキヨミハラ学院――皇族貴族の子女が通う都の名門校だ。


 中等部――

 我らが主人公、オビト皇子は、キヨミハラ学院中等部の1年生だ。

 時の女帝(オビトから見れば祖母にあたる)から、嫌われている。


 孫だから可愛がられている筈ではって?

 それは典型(ステレオタイプ)というものだ。

 嫁と姑はいがみ合うもの。この関係が改善されなければ、祖母が孫を嫌うということも、当然に考えられる。

 だから、このクラスで、彼に近づこうとする者はほとんどいない。


 こんな教室にいてもつまらない。

 昼休み、生徒のほとんどが食堂に向かう中、オビトは一人、校舎裏に向かおうとする。食欲もないし、そっちの方が落ち着く。そのオビトを、呼び止める者がいた。

 オビトの幼馴染の、アスカ=ウィスタプランと、ヒロミ=ドグブリードだ。2人は、この教室の中、オビトが心を開ける数少ないクラスメートだ。


ヒロミ

「オビト、どこ行くの? 今日は、食堂で、餺飥(はくたく)があるんだよ。 見に行きましょうよ」


 餺飥(はくたく)とは、うどんのことである。東国では、ホウトウとも呼ぶ。学院では、1年に1度、餺飥女(はくたくめ)と呼ばれるうどん打ちを20人ほど招いて、楽曲に合わせてうどんを作る催しを行っている。学院の生徒たちは、この催しのことを「餺飥(はくたく)」と呼んでいた。

 昼休み、オビトはいつも1人だ。オビトは、今は亡き先帝の血を引くれっきとした皇子だ。引きこもりのような態度をとってほしくない、そう思って、幼馴染のアスカとヒロミが餺飥(はくたく)に誘ったのだ。


オビト

「僕は――いいよ。 餺飥はくたくは、アスカとヒロミの2人で、見に行けばいい」

アスカ

「はぁ? 何言っているの? アンタ、この前は、メスリ丘古墳(ダンジョン)を攻略したほどの出来る皇子なのよ。 もっと自信を持ちなさい!」


 そう言ってアスカがオビトの手をとって、強引に食堂に連れて行こうとする。

挿絵(By みてみん)

 面倒くさい奴が現れた――。

 ヒロヨ皇女だ。オビトから見て、異母妹にあたる。


ヒロヨ

「やーぱり、アンタ、オビトはいつ見ても腰抜けね!」

アスカ

「何ですって! いくら皇女(ひめ)様といっても、それは失礼な物言いでなくて?」


 オビトは、「よせよ」と言って、アスカの服を背中から引っ張る。しかしアスカは前に出る。


ヒロヨ

「メスリ丘古墳(ダンジョン)を攻略したと聞いたから、こうしてご挨拶に来たのだけれども、その様子では、『攻略した』というのはデマだったのかしら?」

ヒロミ

古墳(ダンジョン)を攻略したというのは本当よ。 古墳(ダンジョン)の主も、調伏したわ」

ヒロヨ

「信じられないわ。 だって、お宅のボーゼン殿ですら(たお)せなかったという御魂(みたま)だったそうじゃない。 そんな荒魂を、守護霊(トーテム)をもたないオビトが調伏したなんて話、誰が信じるというの?」

アスカ

「で、で、で、でも! オビトが調伏したというのは、真実(ほんとう)なんだから!」

ヒロヨ

「証拠はあるのかしら? 荒魂を調伏したというのなら、その荒魂はどうしたのかしら? オビトの守護霊(トーテム)になってくれたのかしら? 見たところ、オビトは、未だに守護霊(トーテム)使いになれていないようだけど」

ヒロミ

御魂(みたま)は、古墳(ダンジョン)の玄室に封印してきたわ。 だから、オビトの守護霊(トーテム)にはなっていない」

ヒロヨ

「ほらほら、やっぱり古墳(ダンジョン)攻略の証拠なんてないじゃない。 これでハッキリしたわ。 オビトは、腰抜けの上に嘘つきだと」


 オビトは、「もう、メスリ丘古墳(ダンジョン)は攻略できなかったということで良いよ」と言って、アスカとヒロミに、ヒロヨを相手にするのはやめようと提案する。しかし、2人はそれを聞かない。目の前で、自分たちの幼馴染が侮辱されたのだ。簡単なことでは引き下がれない。


アスカ・ヒロミ

「「オビトは腰抜けじゃない! 嘘つきでもない!」」

ヒロヨ

「ダメよ、証拠もなくそんなことを言っては。 フフフ、ではこうしましょう。 どうしても、オビトがメスリ丘古墳(ダンジョン)を攻略したと言い張るなら、もう一度、古墳(ダンジョン)を攻略してみなさい。 今度は、私も立ち会うわ。 また、お兄様も呼びますわ。 オビト、この挑戦、受けるわね。 逃げ出したりしたら、良いこと? あなたが腰抜けの嘘つきだって、クラス中に言いふらしてやるんだから」


 オビトは、「分かったよ。そういうことなら、腰抜けということで」と言おうとしたが、その前に、アスカとヒロミが答えてしまう。


アスカ・ヒロミ

「「その勝負、受けて立つわ!」」

現在構想中の長編小説「天平のファンタジア」の予告的短編「プレリュード」シリーズの02です。


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内容の歴史的背景は、ときどき「天平のファンタジア拾遺集」で解説していますので、ご興味ある方はそちらもご覧ください!

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