第135話 悪役なら世界の外側を見る
古代遺跡。
創造主オルフェウス。
そして。
世界の外側から来る存在。
「……。」
俺は黙って聞いていた。
正直。
理解できない。
「世界の外側?」
リリアが聞く。
「この世界の外に。」
「別の世界があるということですか?」
オルフェウスは頷く。
「正確には。」
「世界という箱の外側。」
「そこには。」
「この世界とは異なる法則が存在する。」
「……。」
セレナが壁の記録を見る。
「古代文明は。」
「それを知っていたんですか?」
「はい。」
オルフェウスは答える。
「しかし。」
「接触するべきではなかった。」
「なぜ。」
「力の差が大きすぎるからです。」
その瞬間。
空間が歪む。
塔の上空。
黒い穴。
「来る。」
イリスが言う。
「外部存在。」
「接続開始。」
全員が構える。
そして。
穴の向こうから。
一人の少女が現れた。
「……。」
見た目は。
普通の少女。
しかし。
感じる魔力は。
異常だった。
「こんにちは。」
少女は笑う。
「初めまして。」
「この世界の人たち。」
「……。」
魔王が剣を抜く。
「何者だ。」
少女は首を傾げる。
「私は。」
「観測者。」
「あなたたちの世界を見に来ました。」
「……。」
オルフェウスの表情が険しくなる。
「観測者。」
「まさか。」
「知っているのか。」
俺が聞く。
「はい。」
「彼らは。」
「世界を観察する存在。」
「しかし。」
「時に。」
「観察対象へ干渉する。」
「……。」
少女は笑う。
「安心してください。」
「今回は。」
「壊しに来たわけではありません。」
「では。」
セレナが聞く。
「何をしに?」
少女は。
俺を見る。
「あなたを見に来ました。」
「……。」
また。
「俺?」
「はい。」
「アルベルト・フォン・グランディア。」
「あなたは。」
「この世界では。」
「異常な存在です。」
「……。」
イリスが言う。
「予測不能。」
「未来変動率。」
「最大。」
少女は楽しそうに笑う。
「面白い。」
「普通。」
「世界を変える者は。」
「世界を変えたいと思う。」
「でも。」
「あなたは違う。」
「……。」
「ただ。」
「静かに暮らしたい。」
リリアが笑う。
「そこまで知られているんですね。」
「はい。」
少女は頷く。
「だから。」
「興味があります。」
「あなたが。」
「どこまで世界を変えるのか。」
「……。」
嫌な予感。
「帰れ。」
即答。
全員が固まる。
「え?」
少女も少し驚く。
「初対面ですよ?」
「関係ない。」
「?」
「面倒な予感がする。」
数秒。
そして。
少女は笑った。
「やっぱり。」
「あなた。」
「面白いですね。」
空間の穴が閉じる。
しかし。
去り際。
少女は言った。
「また来ます。」
「その時。」
「あなたの選択を見せてください。」
「……。」
静寂。
オルフェウスが呟く。
「危険です。」
「彼らが興味を持つということは。」
「この世界は。」
「特別な観測対象になった。」
「……。」
俺はため息を吐く。
「世界を救ったと思ったら。」
「今度は世界の外か。」
リリアが微笑む。
「でも。」
「帰る場所はありますよ。」
「……。」
確かに。
屋敷。
領地。
仲間。
「なら。」
「早く片付ける。」
新たな問題。
世界の外側。
しかし。
俺の目的は変わらない。
静かな生活。
そのために。
第135話を読んでいただきありがとうございます!
ついに「世界の外側」の存在が登場しました。
これまでの敵とは違い、破壊や支配ではなく「観測」という目的を持つ存在です。
アルベルトの予測不能な行動が、ついに世界の外へ影響を与え始めます。




