第134話 悪役なら古代文明の秘密を見る
古代遺跡。
管理兵を倒した先。
開いた巨大な扉。
その奥には。
長い年月眠っていた空間が広がっていた。
「……。」
壁一面。
古代文字。
巨大な魔法装置。
そして。
中央に。
一人の人物が眠る装置。
「これが。」
セレナが息を呑む。
「古代文明の創造主……。」
イリスは静かに頷く。
「はい。」
「私を作った存在。」
「世界管理システムを作った者です。」
リリアが不安そうに見る。
「起こして大丈夫なんですか?」
「分かりません。」
「……。」
珍しい。
イリスが迷っている。
「あなたでも分からないことがあるんですね。」
セレナが言う。
「はい。」
イリスは答える。
「私は管理するために作られました。」
「しかし。」
「創造主の目的までは。」
「完全には理解していません。」
「……。」
その時。
装置が動き始めた。
『認証』
『世界変動率確認』
『対象確認』
『アルベルト・フォン・グランディア』
「……。」
また俺か。
光の中。
一人の男が現れる。
白髪。
古代の衣装。
穏やかな顔。
「目覚めたか。」
男はイリスを見る。
「管理者。」
「そして。」
俺を見る。
「世界を変えた者。」
「……。」
「名前は。」
男は微笑む。
「オルフェウス。」
「この世界管理システムの設計者だ。」
「……。」
オルフェウスは周囲を見る。
「なるほど。」
「未来は。」
「私が想定したものとは違う方向へ進んだか。」
「何をした。」
俺が聞く。
オルフェウスは首を振る。
「何も。」
「私はただ。」
「未来を観測していた。」
「……。」
「未来を?」
「そうだ。」
壁の映像が浮かぶ。
そこには。
無数の可能性。
戦争。
平和。
滅亡。
繁栄。
様々な未来。
「この世界は。」
「何度も滅びる可能性があった。」
「だから。」
「管理システムを作った。」
イリスを見る。
「世界を守るために。」
「……。」
「しかし。」
「一つだけ。」
「予測できなかった存在がいる。」
オルフェウスが俺を見る。
「あなたです。」
「……。」
「俺?」
「はい。」
「あなたは。」
「未来を選ばない。」
「?」
「世界を救おうとも。」
「変えようとも思わない。」
「ただ。」
「目の前の問題を解決する。」
「……。」
「その結果。」
「全ての未来が変化する。」
リリアが笑う。
「また言われていますね。」
「……。」
もう慣れた。
オルフェウスは続ける。
「しかし。」
「問題があります。」
「何だ。」
「あなたが存在する未来。」
「そこには。」
「新たな可能性があります。」
「……。」
「それは。」
「今まで存在しなかった。」
「世界の外側から来る存在。」
「……。」
空間が揺れる。
遺跡全体に警告。
『外部干渉を確認』
『未知領域から接続』
「外部?」
魔王が構える。
オルフェウスの表情が変わる。
「まさか。」
「まだ早い。」
「……。」
イリスが聞く。
「創造主。」
「これは何ですか。」
オルフェウスは答える。
「世界の外から来る者。」
「そして。」
俺を見る。
「あなたを必要としている存在です。」
「……。」
また。
面倒な話が始まった。
第134話を読んでいただきありがとうございます!
古代文明の創造主オルフェウスが登場しました。
イリスの誕生理由、世界管理システムの目的、そしてアルベルトが未来へ与えた影響がさらに明らかになります。
しかし、新たな脅威は「世界の外側」から現れようとしています。




