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蛊真人  作者: 魏臣栋
青茅山
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第八十九節一条病蛇、脚元に巣くう

五人の人影ひとかげ)道端みちばた)))まっていた。


古月角三こげつ かくみ)おだ)やかな笑顔えがお)方源ほうげん)かた)りかける:「ほうげんくん)今回こんかい)活躍かつやく)には全員ぜんいん))見張みは)ったよ。きみ)くみ)さそ)んだのは正解せいかい)だった。学堂がくどう))たばかりだから)からないこともあるだろう?説明せつめい)するぞ」


第一だいいち)に、家族任務かぞくにんむ)蛊師こし)全員ぜんいん)つき)最低さいてい)1いっけん)達成たっせい)しなければならない。達成数たっせいすう)しつ)評価ひょうか))まる」


第二だいに)任務にんむ)内務堂ないむどう)外事堂がいじどう)から発布はっぷ)される。1いちど)に1いっけん)しか)けられず、受諾じゅだく)したらかなら)完遂かんすい)せねばならん」


第三だいさん)特別とくべつ)事情じじょう)があれば任務放棄にんむほうき)可能かのう)だ。だが評価ひょうか)おお)きく)がる。二転蛊師にてんこし)のみ年1ねんいっかい)放棄権ほうきけん)がある」


第四だいよん)家族評価かぞくひょうか)前途ぜんと)左右さゆう)する最重要事項さいじゅうようじこう)だ。高評価こうひょうか)ほど将来しょうらい)ひら)ける」


方源ほうげん)うなず)いた――すで)熟知じゅくち)している内容ないよう)だった。角三かくみ)説明せつめい)あやま)りはないが、肝心かんじん)情報じょうほう)意図的いとてき)はぶ)かれている。


腐泥凍土ふでいとうど)採取任務さいしゅにんむ)完了かんりょう)した。つぎ)野鹿のじか)捕獲任務ほかくにんむ)だ。危険度きけんど)ひく)いから初心者しょしんしゃ)きみ)最適さいてき)だ」角三かくみ)追加ついか)した。


方源ほうげん)内心ないしん)冷笑れいしょう)しつつくち)ではこた)えた:「組長くみちょう)配慮はいりょ)感謝かんしゃ)します」


古月空井こげつ くうせい)即座そくざ)つづ)けた:「口先くちさき)だけじゃなく実質的じっしつてき)感謝かんしゃ)しめ)すべきだろ?組長くみちょう)食事しょくじ)招待しょうたい)するとかさ」


二人ふたり)女蛊師おんなこし)同調どうちょう)した:「そうよそうよ、ほうげんちゃん。人間関係にんげんかんけい)って大切たいせつ)なのよ。)からないこと)べながらおし)えてあげるわ」


古月角三こげつ かくみ)がハハハとわら)い、わざとらしく))る:「方源ほうげん)くん)こま)らせるなよ。学堂がくどう))たばかりで元石げんせき)とぼ)しく、ふところ)さび)しいんだから」


「そんなことないでしょ!?年末考査ねんまつこうさ)優勝賞金ゆうしょうしょうきん)だけでも百個ひゃっこ)元石げんせき)あるんでしょ?」女蛊師おんなこし)一人ひとり)がわざとこえ))り上げ、嫉妬しっと)()じりの表情ひょうじょう))せた。「うらや)ましいわね~、私達わたしたち)にとっても百個ひゃっこ)大金たいきん)なのに」


組長くみちょう)、それは方源ほうげん)くん)見損みそこ)なってるぜ」古月空井こげつ くうせい)ほが)らかにわら)い、心底しんそこ)たの)しんでいるように)せかけてつづ)けた。「ほうげんくん)がそんなケチなやつ)なわけないだろ?そうだろ、きみ)?」


もう一人ひとり)女蛊師おんなこし)方源ほうげん)近寄ちかよ)り、親密しんみつ)そうにささや)いた:「方源ほうげん)ちゃん、親切心しんせつしん)から)ってあげるわ。私達わたしたち)には)使つか)わなくてもいいけど、組長くみちょう)さんには絶対ぜったい)取りとりい)必要ひつよう)があるのよ。組員くみいん)評価ひょうか)一部いちぶ)組長くみちょう)))むから。優秀ゆうしゅう)だと)けば優秀ゆうしゅう)だし、落第らくだい)だと)けば落第らくだい)なの」


「そのとお)り!評価ひょうか))ければ上層部じょうそうぶ)))まる。キャリアを)めば、何年なんねん)らく)ができるんだぜ!」空井くうせい)即座そくざ)同調どうちょう)した。


古月角三こげつ かくみ)終始しゅうし))みを)かべながら見守みまも)っていた。


最後さいご)))りながら、慈悲深じひぶか)そうなかお)でにこやかに)った:「おいおい、余計よけい)なことを)うなよ。わたし)評価ひょうか)公正こうせい)客観的きゃっかんてき)だ。でも方源ほうげん)くん)安心あんしん)しなさい。新人しんじん)きみ)情況じょうきょう)おう)じて配慮はいりょ)するからね」



普通ふつう)少年しょうねん)なら、この連中れんちゅう)はなし)にコロッとだま)され感涙かんるい)していただろう。新人しんじん)無知むち)未熟みじゅく)さにつけ)むのが常套手段じょうとうしゅだん)だ。


だが方源ほうげん)ひとみ)終始しゅうし)清冽せいれつ)しず)かだった。


組長くみちょう)組員くみいん)評価ひょうか)関与かんよ)するのは事実じじつ)だ。これは一族いちぞく)制度せいど)で、権限けんげん)組長くみちょう)集中しゅうちゅう)させ管理かんり)容易ようい)にするためである。


しかしかれ)らが)うほど重大じゅうだい)ではない。


家族評価かぞくひょうか)における組長くみちょう)意見いけん)些細ささい)部分ぶぶん))ぎず、実質的じっしつてき)評価ひょうか)内務堂ないむどう)決定けってい)する。


たと)組長くみちょう)影響力えいきょうりょく)おお)きくても――それがなん)だ?


方源ほうげん)評価ひょうか)など眼中がんちゅう)になかった。


早急さっきゅう)修行しゅぎょう))三転さんてん)たっ)して脱出だっしゅつ)するつもりだ。一族いちぞく)百年ひゃくねん)無駄むだ))ごす)など毛頭もうとう)ない。


目先めさき)利益りえき)しか)えない蛊師こし)たちにとって評価ひょうか)重要じゅうよう)だが、方源ほうげん)にとってはちり)ほども価値かち)がない!


だからこそ、これらの脅迫的きょうはくてき)言葉ことば)方源ほうげん)まった)効力こうりょく)(およ)ぼさなかった。


)かった。用事ようじ)があるから、さき)失礼しつれい)する」方源ほうげん)一瞬いっしゅん)沈黙ちんもく)し、そう)げた。


は?


四人よにん)蛊師こし)たちが同時どうじ)呆然ぼうぜん)とした表情ひょうじょう))かべた。


「どういう意味いみ)よ!?さっきのはなし)全然ぜんぜん))いてなかったの!?」女蛊師おんなこし)一人ひとり))まる)くしてこころ)の中で怒号どごう)した。


「こいつの理解力りかいりょく)本当ほんとう)大丈夫だいじょうぶ)か?」古月空井こげつ くうせい)方源ほうげん)襟首えりくび)をつかんで直接問ちょくせつと))めたい衝動しょうどう))られた。


角三かくみ)口元くちもと)がぴくっと痙攣けいれん)した。


方源ほうげん)無反応むはんのう)に、かれ)らの芝居しばい)茶番劇ちゃばんげき)のように滑稽こっけい)うつ)り、周到しゅうとう)計画けいかく)嘲笑ちょうしょう)まと)となってしまった。


)り返り)って)方源ほうげん)背中せなか))ながら、角三かくみ)腹立はらだ)たしさは頂点ちょうてん)たっ)していた。


「おいおい方源ほうげん)いそ)がなくてもいいじゃないか」角三かくみ)いか)りを))み、無理むり)笑顔えがお)つく)って方源ほうげん)まえ))ふさ)がった。「部屋へや)さが)してるんだろ?おれ)))ってやるぜ。コネも多少たしょう)あるからな」


たし)かに部屋へや))りる必要ひつよう)があります。学堂がくどう)りょう)には)めません」方源ほうげん)まゆ)かす)かに)げ、平静へいせい)こた)えた。「組長くみちょう)なに)指南しなん)が?」


やす)くて立地たちち))物件ぶっけん)何軒なんげん))ってるぞ」角三かくみ)熱心ねっしん)そうにわら)い、先頭せんとう))ってある))した。


……


「わしのいえ)つき)十五個じゅうごこ)元石げんせき)値切ねぎ)りなしだ」

「はぁ?八個はっこ))りようって?寝言ねごと)寝床ねどこ))え!」

敷金しききん)一ヶ月分いっかげつぶん)家賃やちん)三ヶ月分さんかげつぶん)前払まえばら)いだ。どこもそうだ」

「このいえ)風水ふうすい))く、よる)しず)か。族長邸ぞくちょうてい)ちか)立地たちち))さは)かるだろ?つき)二十五個にじゅうごこ)たか)くない」


))れても、方源ほうげん)部屋へや))めかねていた。


「ほうげんちゃん、ケチすぎるわよ。この山寨さんさい)相場そうば)はこんなもんよ」

族長邸ぞくちょうてい)ちか)くの二階建にかいだ)てがひろ)くてなが)めも)いじゃない。百個ひゃっこ)あれば四ヶよんかげつ))めるんだから」

二人ふたり)女蛊師おんなこし)悪意あくい)ある)みですす)める。


方源ほうげん)くび)よこ))る:「手持ても)ちの元石げんせき)すく)ない。浪費ろうひ)できない」


「なら地下室ちかしつ)はどうだ?安上やすあ)がりだ」古月空井こげつ くうせい)眼光がんこう)するど)くさせて提案ていあん)した。


方源ほうげん)内心ないしん)嘲笑あざわら)った――この陰険いんけん)め!


山間やまあい)湿気しっけ)ひど)く、ふゆ)地下室ちかしつ)風通かぜとお)しがわる)風邪かぜ))やす)い。(たと)病気びょうき)にならなくても、関節かんせつ)いた)めるだろう。


沈黙ちんもく)する方源ほうげん)角三かくみ)くち)はさ)んだ:「共同きょうどう)リビングの一階いっかい)わる)くない。相部屋あいべや)なら家賃やちん)やす)くなる」


方源ほうげん)ふたた)くび))る:「一人暮ひとりぐ)らしが)きだ」


古月空井こげつ くうせい)はな)わら)い、不快ふかい)そうに)った:「あれもいや)これもいや)……)わせてもらうがな、ほうげん。現実的げんじつてき)じゃない理想りそう)ばかり)ってるんじゃねえか?




方源ほうげん)内心ないしん)嘲笑あざわら)った:「(たと)条件じょうけん))部屋へや)があっても、おまえ)たちがすす)める物件ぶっけん)など絶対ぜったい)えら)ばん」


この芝居しばい)慎重しんちょう))すための偽装ぎそう))ぎず、わな)有無うむ)さぐ)るためのものだった。


まさにわか)れを)げようとしたそのとき)沈嬷嬷しん もも)あらわ)れた。


「ほうげんさま)、やっとお)つけしました。学堂寮がくどうりょう)使つか)えなくなったので、ご主人様しゅじんさま)夫妻ふさい)宴席えんせき)用意ようい)なさいました。わざわざそと)部屋へや))りるなんて…」老婆ろうば)あま)こえ)すす)めた。


)たか……


方源ほうげん)胸中きょうちゅう)冷笑れいしょう)渦巻うずま)いた。この老婆ろうば)正確せいかく)場所ばしょ)))めたのは、間違まちが)いなくだれ)かが情報じょうほう)なが)したからだ。やはり黒幕くろまく)叔父夫婦おじふうふ)だった!


角三かくみ)こそが叔父おじ))がね)――自分じぶん)しば)かせ)だった。


沈黙ちんもく)する方源ほうげん)様子ようす)は、まよ)っているように)えた。


「ほうげんくん)叔父様おじさま)たく))めばいいじゃないか。元石げんせき)無駄むだ)づか)いもふせ)げる」角三かくみ)時宜じぎ))た「心配しんぱい)」をくち)にし、方源ほうげん)横顔よこがお)ぬす))ながら眼底がんてい)かげ)ひそ)めた。

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