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【祝!金賞受賞!】【4/24書籍化!】収奪の探索者(エクスプローラー)~魔物から奪ったスキルは優秀でした~  作者: エルリア


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486.本選トーナメントに向けて戦いました

「予選トーナメント第六回戦もいよいよ佳境!おーーっとここで新明選手が勝負に出た!」


そんな実況を背中で聞きながら突進スキルで一気に接近、目の前で盾を構えるタンクめがけ燃える拳を叩きこむ。


何発防がれようとも何度も攻撃すればいずれそれも崩れてくるはずだ。


【イエティのスキルを使用しました。ストックは後八つです】


バラまいたバフスキルに加えて怪力スキルで攻撃力を上げてやると、まるでアルミの盾を殴っているように一撃殴るだけで相手の盾がべこべこに凹んでいく。


殴って殴って殴りまくって相手が体勢を崩したところへ思い切りハイキックをぶち込み、転倒したところで馬乗りになった。


たとえ強固な鎧で覆われていたといても、中身を攻撃すればすぐに根を上げるはず。


狙うは鎧のど真ん中!と、拳を振り上げた所で相手が降参を宣言、振り下ろされた拳は間一髪で相手の鎧の手前で止まった。


「強い!強すぎる!これが白狼の盾のリーダー!燃える拳が今回も火を噴いた!」


これにて試合終了。


後ろを振り替えると、先に相手を倒し終えた桜さん達が満面の笑みでサムズアップをしていた。


これで今日三勝目、次に勝利すればいよいよ本選トーナメントに出場できる。


「和人君ナイスファイト!」


「かっこよかったです!」


「毎回美味しい所持って行って悪いな」


「良いんです、むしろそうしたほうが色々と都合がいいので」


馬乗りになった相手を引っ張り起こし、歓声に手を振りながら桜さん達の所へと戻る。


彼女達も持ち前の実力でサクサク相手を蹴散らし、最後の美味しい所だけ俺に譲ってくれている。


こうすることで俺達が弱くないことを伝え、例のゴシップ記事を封じ込めようというわけだ。


今日の初戦は結構な大きさでヤジが飛んできていたけれども、それも俺達の本気を目の当たりにするとそれもだんだんと小さくなり、代わりに純粋なファンが応援してくれるようになってきた。


「試合終了~~~~!第三ブロック第六戦は白狼の盾が見事制しました!いよいよ次の第七回戦の勝者が本選トーナメントへ出場できます!果たして勝つのはどちらの旅団(クラン)か!待望の一戦は二時間後の開始です!」


大歓声を受けながらコートを下りて待合のある会場裏へ移動、するとそこには月城さんの姿があった。


「勝ち上がりおめでとう、いよいよ次で本選だね」


「おかげさまで。まぁ俺がやったのは最後だけでほとんどみんながやってくれたけどな」


「一人が強いだけじゃ団体戦は意味がない、全員が強くてこそ上に勝ち上がれるからね。しかも君達はあの子を温存してここまで来ている、その実力は間違いないよ」


「そんなに褒められて負けたら目も当てられないけどな」


「次の相手は・・・なるほど、確かに油断は禁物かもね」


褒めてもらえるのは嬉しいけれど、次で負けると何の意味もない。


リーグ戦と違ってトーナメントは一度負ければ終わりの一発勝負、油断は禁物だ。


「次の対戦相手はBランクのジャックTHEリッパーですね、対人戦に特化した旅団でダンジョンに潜るよりも個人戦を得意にしています」


「それ、探索者としてどうなんだ?」


「まぁそっちを楽しみにしている人もいるからね。今や対人リーグは人気カテゴリーだし、それ故に油断は禁物だよ」


「まぁスキルを使った対人戦は確かに華はあるけどさぁ」


探索者の本分はダンジョン探索だと思うんだが、まぁそこは資本主義の世の中なのでそういう需要に即すのも大事なことだ。


全国探索者覇勇戦もある意味その側面はあるし、ここで活躍してそっちでデビューする探索者もいるんだとか。


「まぁ君達なら大丈夫けど、相手はBランク探索者だから油断しないように」


そう言うと月城さんは自分の出場するブロックの方へと戻っていってしまった。


第七回戦まで後二時間、とりあえず待機室に戻って休憩するとしよう。


「とりあえずお疲れ様。次はいよいよ予選トーナメント最終戦、相手は格上のBランクでしかも対人戦に特化しているみただ。もちろん俺達なら大丈夫だと思うが、各自参加者の特徴などを確認しておいてくれ」


「対人戦かぁ、急所攻撃が無しとはいえここまでの戦い方からすると結構きわどいこともしてくるみたいだね」


「ギルド資料を見る限りそんな感じらしいな。遠隔攻撃と近接をスイッチするのは俺達と一緒、となるといかにタンクが踏ん張れるかが重要になる。ルナはまぁ肉体化しない選択肢があるけど、桜さんは十分注意してくれ」


「わかりました」


反則スレスレなダーティーな相手ではなさそうだけどもしもに備えるのは大事なこと、いざとなればリルに出てきてもらう手もあるけれど、とりあえず決勝までは温存いておきたいところだ。


その後は各自装備のメンテを行いながら穏やかな時間を過ごし、特に緊張することなく最後の戦いに臨むことが出来た。


ここはあくまでも通過点、こんなところで緊張してどうするよっていう感じの様だ。


まったく、頼もしい限りだよ。



「これより予選トーナメント決勝戦を開始します!赤コーナー、Cランク旅団『白狼の盾』!青コーナー、Bランク旅団『ジャックTHEリッパー』!、皆さま盛大な拍手でお迎えください!」


今日一番の拍手が通路の向こうから聞こえてくる。


さぁ、今回もサクッと勝ち上がりますか!


歓声を浴びながらメインコートの横まで移動、正面に見える相手は・・・まるで海賊のような見た目をしていた。


「なんだろう、いかにも!って感じだよね」


「だなぁ」


「私達もそんな風にした方がよかったでしょうか」


「そんな風ってどんな風?」


「リルちゃんのぬいぐるみを持つとか」


「あはは、それいいかも!」


相変わらず緊張感のない面々、別にそのままでもいいんだけど一応決勝戦なのでやる気ぐらいは見せておくか。


あのゴシップにつられて俺達を笑う人はもういないけど、手を抜いていると思われるのは癪だからな。


ひとまず装備を整えてから円陣を組む。


「で、とりあえず円陣を組んでみたけどこれからどうするの?」


「わからん」


「ちょっと、言い出したのは和人君でしょ!」


「いやー、言い出したものの何を言えば良いんだろうなぁ」


「そういう所も和人さんらしいですが、とりあえず油断をせず一人一殺で行きましょう」


「かっこいい桜ちゃん!でも殺しちゃだめだよ?」


「わかってます!」


「まぁまぁ。ともかくこれに勝てばスタートラインだ、全員気合入れていくぞ!」


「「「「おーーー!!」」」」


なんとも締まらない感じだが、この緩さも俺達の良い所。


程よく気合を入れた所でコートに上がるように合図が出た。


「けっ、女ばかり侍らせやがって」


「ここまでまぐれで来れたみたいだけどな、俺達に勝てると思うなよ」


「格の違いを見せてやるからな!」


開始前から殺意マックスでこちらを睨んでくる対戦相手。


まぁ、さっきの対戦相手もそんな感じだったけどそんなに羨ましいなら女性を入れたらいいのに。


女性だから弱いということは無い、それは彼女達が証明してくれている。


「へへ~ん、うらやましいだろ~」


「駄目だよ綾乃ちゃん挑発したら」


「くそ、いい気になるなよ!」


「お前から倒してやるからな!」


須磨寺さんの挑発に露骨に怒り出す対戦相手、これも彼なりの作戦なのかもしれないけれど・・・あまり余計な事はしないで貰いたい。


「それでは予選トーナメント決勝戦、はじめ!」


初の格上対人特化旅団との戦い、果たして勝負の行方はいかに。

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