表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転移した俺は万能スキルでスローライフを謳歌する  作者: みなと劉


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

525/525

525 収穫の余韻と、キッチンに広がる甘い予感

収穫したばかりの瑞々しい野菜たちをシンクに置くと、俺はそのままキッチンの中心へと向かった。

窓から差し込む朝の光が、清潔に保たれた調理台を明るく照らしている。

「さて、次は朝のデザート、あるいは軽い昼食の準備といこうか」

俺は心の中で必要な材料を強く思い浮かべる。

「最高級の小麦粉、蜜の詰まった真っ赤なりんご、そして香りの強い発酵バター」

ぽんっぽんっぽんっ。

小気味よい音と共に、テーブルの上には陶器のボウルに入った真っ白な小麦粉、表面に朝露を纏ったような艶やかなりんご、そして銀紙に包まれた厚切りのバターが並んだ。

隣で様子を見ていたメセタが、りんごの甘い香りに鼻をピクつかせる。

「我が君、今度は何が始まるのですか?」

「お楽しみだ。獲れたてのりんごを使った、ちょっとした贅沢だよ」

まずは、りんごをおろし金で丁寧に擦り下ろしていく。

シャリシャリという音と共に、フレッシュな果汁と甘酸っぱい香りが一気にキッチンを満たした。

次に、大きなボウルに小麦粉を広げ、そこへ常温に戻しておいた濃厚なバターを贅沢に投入する。

「よし、ここからが本番だ」

俺は袖を捲り上げ、小麦粉の山に擦り下ろしたりんごを汁ごと流し込んだ。

粉の白さと、りんごの淡い蜜色、バターの黄金色が混ざり合う。

指先で粉とバターを擦り合わせるように混ぜ、徐々にりんごの水分で一つにまとめていく。

手のひらを通じて伝わってくるのは、しっとりとした生地の弾力と、バターの脂が体温で溶け出す滑らかな感触。

捏ねれば捏ねるほど、素材の香りが一つに溶け合い、えも言われぬ芳醇な匂いへと変化していく。

「いい感じだ。生地がしっとりしてきたな」

メセタが期待に満ちた目でじっと手元を見守る中、俺は心を込めて生地を捏ね続けた。

この無心になれる時間が、何よりも心地よかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ