領地勧誘隊と弱点対策
我がローラン領土は、移住計画で14万人を超す領土となった。
通訳機の製作は大変だったが、新たな移住者も劇的な変化に戸惑ったのも事実だ。
あまりにも環境がよ過ぎたせいか、家の外で毛布に包まって寝る者が居たぐらいだ。
甘い菓子やケーキの食べすぎで、腹をこわす者も続出して、食べ物制限を掛ける始末だ。
そして未開発の土地に家が建ち並び、独特な風景をかもし出していた。
移住者本人が手伝った家が、特に異国風な建物となった。
家全体が木材で、釘を1本も使わず建てられた。
その為に、木材を燃え難くする加工が施された。
これで火事になっても、すぐに全焼しないだろう。
そして新たな野菜が、料理に出るようになった。
「ここが家庭料理専門のレストランか、変わった野菜が出てくるそうだ・・・なんかいい匂いがするな」
「はーい、野菜煮込み3人前ですよ。熱いから気をつけてね」
テーブルに載ったのは、深みのある器にたっぷりと野菜が入ったものだ。
3人は早速、スプーンですくって食べだした。
「うん、美味しいぞ。少し、かあさんの味がする」
「なに泣いてるだ。あ、そうか・・・」
「だけど早く食べて行かないと、怒られてしまうわよ。大事な挨拶があるって」
「大丈夫だって、そんな事を言うならしゃべってないで食えよ」
やっぱり遅れた3人だった。
「またお前たちか、せっかくの初任務で遅れるとは何事だ」
「副隊長、そんなに怒ると持病がぶり返しますよ」
「おお、そうだった。ここに来て治してもらったのに再発したら困るからな。体中から臭い体臭が出る病気だとは知らなかったからな。お前らも早く言ってくれれば良かったのに」
「それは、皆が我慢してただけですよ」
俺は高い台の上で、その光景を見ていた。
あの臭いおっさんが副隊長になっていた。それにあの3人もスラムの住人だ。
歳も若い。今回の任務も無事にやってくれるだろうか・・・
あっちにも見知った者が混ざっていた。
セバス「今回の領地勧誘隊は、4隊が別々の決めらた街で勧誘してもらう手はずです。危険が迫ったらすぐに逃げ帰って来るように言い聞かせてます。なので無理はしないと信じてます」
「そうか、それでも心配だな~」
なのに全員の前でアリッサが話だした。
「今回の総責任者は、このわたしアリッサよ。わたしの指示にしっかりと従ってね。さもないと怖い事になるわよ」
なんだよ、その言い方は・・・皆が引いた目で見てるぞ。
強引に総責任者になって、なにがしたいだかよく分からん。
「ドラゴンは、わたしたちの味方だと強調するのよ。そして相手の内情を吟味して攻略してちょうだい。分からない時には連絡して聞くように・・・嘘は言ってはダメよ。嘘の手前で踏み止まって話をするのがコツだから」
なんか詐欺ぽい話までしてるぞ。
強引で恐ろしい女だ。
「機体の最終確認が終了しました」
「分かったわ。今回の任務は無事に終了する事を願っているわ」
4機が並んだ転送飛行機に、次々に乗り込んで行った。
その家族や友人が見守っている。
そして順番に機体に多重魔法陣を光らせて消えていった。
「行ってしまったわ」そういい残して、アリッサは去った。
そんな俺に、遠くから呼んでいる者がいた。
そして「ハアハア」と疲れたようすで話し出した。
「魔道工房へ来て下さい」そう言って座り込んでいる。
日頃から運動不足だな。
室内で魔道具の開発や製作しかやってないから仕方ない。
円盤型移動機を取り出して、まだ「ハアハア」と言ってるオルソンを無理やり乗せて出発だ。
「領主さま、世話を掛けさせて申し訳ありません」
「立たなくていい。座ったままで休んでいろ」
すぐに魔道工房へ着いた。
「ほれ、この円盤型移動機を魔道工房用に使う事を許す」
「本当で御座いますか・・・これって乗りたかったんです。早速、乗ってみます」
フッと浮かんで俺を残して何処かへ行ってしまったよ。
案内もせずに・・・しょうがない奴だ。
仕方ないので魔道工房へ入った。
そこでは、予想できない事が起きていた。
工房メンバーが同じメンバーに、ナイフで腕を浅く切っている。
浅いが切り傷から血が流れてる。
一瞬、メンバーが狂ったかと思った。
それも大勢のメンバーが居る中でだ。
誰も止めない。あ、あれは魔道カメラだ。それで撮り続けていた。
「なにをやっているんだ。そんな、人を傷つけてもいいと思ってるのか!」
「あ、領主さま違います。実験をしておりました。ごらん下さい」
銃を持ったリーザンが、傷ついた腕を狙って撃った。
傷ついた腕が光、傷がふさがっていた。
またも魔道カメラがその腕を撮っている。
「もしかして回復銃か?」
「そうです。今は浅い傷しか回復できませんが、もっとパワーアップしてより良い物にしてみます」
「その銃の予備はあるのか」
「あります。これより更に効果が薄い物ですが・・・」
「それを貸してくれ」
こんなに早い段階で作るとは思いもしなかった。
そんな銃なら、俺の構想でもすぐに浮かんだ。
あえて作らなかった物なのだ。
アンデッドの弱点になりそうで、作らなかった。
しかし、作られてしまったら仕方ない。
アンデッドで試して効果を調べるしかない。
呼んだミドリバチが舞い下りた。
回復銃の安全装置を解除。
悪いと思いながた撃った。体に当たって光った。
「何か異常は無いか」
『なにもありません』
何度も何度も撃った。何も変化もなかった。
体全体がコーティングされていたから大丈夫なようだ。
そこで思いだした。
黒騎士の目は、開いたままだ。
ドラゴンも同じだ。
ネオオークを出した。
このネオオークの目も、なにも守られてない状態だ。
近距離から目を撃った。
「ブヒー、ブヒ」
あ、痛がってる。目を押さえて転げまわった。
早速、回復を施した。
転げまわった奴がむくりと起き上がった。
「ブヒブヒ」と怒ってる。
オリハルコンの純度が1番高い物を、錬金術で薄く引き伸ばした。
ちょうど透明になった頃合で止めた。
それを目の部分の大きさに加工して張り付けた。
「ちゃんと見えてるな」
「ブ、ブヒ」見えているならいいぞ。
俺が銃をかまえた。
「ブヒブヒ」と又も怒った。
「今度は大丈夫だ。俺を信用しろ」
銃を撃った。平気な顔をしている。
更に撃ち続けた。それでも平気だ。これで対策完了だ。
しかし、対策をする対象が多いのにげっそりした。
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