邪龍ガルバート
ブレーメン国を探す為に、城の訓練場に選抜メンバーが揃っていた。
ドラゴンのドランに俺と、後ろにはララまたがって待機中だった。
ララは少し緊張気味で、キョロキョロしている。
ハチにまたがって飛んだ事はあるが、ドラゴンは未経験だから仕方ないのか。
そこへミザイが現れてドランを見て逃げ出そうとした。
しかしミラーが後ろに居て、ミラーとぶつかって倒れるところを支えられた。
「あ、ごめんなさい」
ララに手伝ってもらい。
ミザイに、通訳用の魔道具の耳飾りを手渡していた。
だから話せるように、ようやくなったのだ。
だからミザイを落ち着かせるように言い放った。
「心配するな。このドラゴンは俺の使い魔だから襲う事はない」
「え!そうでしたか・・・」
「その怪鳥のシルバードに乗るといい。それも使い魔だから大人しいはずだ」
意を決してたようにララは、シルバードに乗り込んでさっそうと飛び立った。
あ~あ、なれた感じだ。
まあ、アンデッドであることは内緒だ。
その方が、ブレーメン国との交渉もしやすいだろう。
メタルバチにまたがったミラーと黒騎士50人も、続くように飛び立った。
あれ!地上に待機しているハチたちが、飛び立とうとしない。
俺が命令しないとダメなのか・・・やはりレベル不足で、そこまでの知能がないのか・・・
「お前らもついて来い」
1220体まで膨れ上がったハチたちが、一斉に飛び立った。
ピンク、青、赤、ミドリに分かれて、群れをつくって飛んでいる。
なんだろう、凄い風景だ。
「ドラン、俺らもゆくぞ!」
『お任せあれ』と大きな動作で飛びあがった。
一瞬で高い高度に達して、ハチたちを見下ろしていた。
「高度の上げ過ぎだ。シルバードの上空まで高度を落とせ」
『分かりました』
ようやく近づくと叫んだ。
「ララ、記憶に頼って好きなように飛び回ってくれと伝えてくれ」
「はい、伝えます」
ミザイは後ろを見て、手を振ってOKの合図を送ってきた。
俺はミザイの後を追い続けたが、大分迷走している事がすぐに分かった。
やはり記憶が曖昧なのか、それとも襲われた時の記憶がよみがえってパニックったのか・・・
「ララ、ミザイを落ち着かせるようにやってみてくれ」
「え!それはどういう意味ですか?」
「そのままの意味だ。君は相手を落ち着かせる事ができるんだ。騙されたと思ってやってくれ。テレパシーにはそんな作用があるからな」
「え!本当ですか。頑張ってやってみます」
ララは、眉間にしわを寄せて頑張っていた。
なんとなくだが、ミザイから迷いがなくなったようにコースをとるようになった。
落ち着いた証拠だ。
結構な時間を飛び続けて、俺は魔眼で遠くのドラゴンの姿をとらえた。
もしかして邪龍ガルバートなのか・・・
「ララ、ドラゴンを発見した事と、そのドラゴンを退治してもいいか聞いてみてくれ」
「ド、ドラゴンですか!!・・・・・・伝え終えました。コテンパンに退治してと言ってます」
「ミラー、ハチたちを引き連れて、あのドラゴンを退治して来い」
念話で『分かりました。退治してきます』と伝わってきた。
『ハチども!ドラゴン退治に行くぞ』
どんどんスピードを上げて飛んで行った。
大勢のハチがドリルアタックをして、硬いウロコを針でねじりながらウロコを突破。
そのまま毒を注入!!
ドラゴンの体中はハチだらけだ。
あ、大きな口を開けて、自分自身に火のブレスを吹きだしている。
メタルなハチが、みるみると赤くなっていた。
それでも毒注入は止まらない。
ドラゴンが苦しそうに雄叫びを轟かせている。
そして動きが止まった。
その瞬間に、キリモミ状態で落下してしまった。
大地に落下した衝撃が響きわたった。
うめき声が下から聞こえている。
そんなドラゴンに向かってミラーが飛び降りた。
落下速度を利用してバスタードソードを頭に突き刺した。
その威力は凄く、頭が陥没する程だ。
ミザイもシルバードを地上に下ろして、急ぎ飛び降りてドラゴンの方へ駆け出した。
「邪龍ガルバートに間違いないわ。それにしても邪龍ガルバートを容易く倒すなんて信じられない」
「それが君を襲ったドラゴンか?」
「はい。邪龍ガルバートで間違いありません。この邪龍ガルバートにどれだけの同胞が殺されたことか・・・」
「そうか、感傷にふけるところを悪いが、回収するので下がってくれないか」
ミラーに引張られて、ミザイは下がった。
俺は確認して、腰袋を取り出した。
口のヒモを解いて、邪龍ガルバートに手を付いて呪文を唱えた。
「邪龍ガルバートを亜空間へ」
一瞬で邪龍ガルバートは消えた。
亜空間袋に収納されたのだ。
商売人ロゲルの亜空間魔法を何度も見て、魔法陣の本を参考に俺が作り上げた。
100以上の失敗作を作って、ようやく成功した1点物だ。
それ以後、まかなか成功してない。
どれだけ収納できるのか。俺自身も分からない・・・
「それは何ですか!あの巨大な邪龍ガルバートがその袋に入ったのですか!!」
やはり初めて見る者には、驚愕してしまう出来事だった。
ミザイは、袋を奪い取って中を覗き込んだ。
覗いても見えないのに、ただ黒い空間しか見えないはずだ。
それに、俺しか扱えないように、登録もしている。
「どうして、この中に入ったの」
手を突っ込むが、弾かれていた。今度は逆さまにして振っても、中から何も出てこなかった。
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