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ミドリバチと少女




魔の森で討伐をしている時だった。


魔道通話からセバスの声が聞こえてきた。


「シンさま、冒険者が魔の森で奇妙な少女を見つけてきました。言葉が通じない為に困ってます」


「分かった!今から帰るから待っててくれ」


妙に言葉が通じない少女が気になった。


丁度、ミドリバチを倒し切った頃合だ。

急いで死霊術で蘇らせてゆく。その数834体だ。



ミドリ色のハチが空中に蘇って、集団で飛んでいる姿は威圧感が半端ない程凄い。

しかし、今は俺の仲間だ。もっと強度アップを図るぞ。


黒騎士が荷馬車から金属を運んできた。


1台2台と金属を、黒騎士が地面に下ろした。

山積みにされた金属で、なんとか間に合いそうだ。


3台目の荷馬車の方を見た。ああ、もう空っぽだ。

空っぽになった荷馬車は城に向かって帰った。




早速、錬金術だ。

山積みの金属に錬金術が染み渡って昇華しょうかして空中に溶け込んだ。

そのまま空中のミドリバチにまとわり付いた。


じわじわとメタルの光沢に成り代わってゆく。

全てのミドリバチが完成するのに1時間も要した。




俺は黒狼にまたがった。


「行くぞ城へ。全員付いて来い」


黒騎士たちとミドリバチが付いて来た。

騎乗した黒騎士は100人。





城では、セバスが待っていた。


セバスに案内されて部屋に入った。

そのベッドには、うずくまるように少女が寝ていた・・・


なんだあのとがった耳は、それに肌が透き通るぐらいに白い。

髪も銀で出来ているように輝いていた。


顔立ちも超美人だ。


「あれが例の少女か・・・」


「そうです。この子が例の少女です。発見当時の容態は疲労と空腹だったと冒険者はいってます。ビリアの回復魔法で完治したはずですが、精神系に問題があるようで無理に起こさない方がよいと」


「分かった。ララ・フローネを呼んでくれ。テレパシーで会話出来ないか試した」


「分かりました。早速呼んで参ります」


さっそうと出て行った。



俺はこの子を見た瞬間に、ある事を思い出した。

賢者がここに来る以前の事だ。


今の住民と同じように、罪人として追放され住民全てが突然消えてしまった事件が何度かあった。

帝国側は、魔物に襲われたか、密かに船を作って脱出したと安易に判断して放置した。


俺は、その住人の子孫でないかと思った。


魔の森のマソが人間に悪い影響を与えたと、俺は睨んでいる。

生き物が魔物に変化するように・・・

人間だけが例外だと考えるのは無理だ。

今のように結界がなかった昔なら、必然的にそうなってもおかしくないはずだ。



あ!動いた。

目を開けると、美しい目だ。

目は、俺の右目と同じの赤だった。


「なにやら必死に話してるが、高音で話してるので聴きとりにくい」


俺の魔眼は、言葉では無意味だ。

あ!ひらめいた。


俺は紙とペンを手渡して、書くように身振りをした。

なんとなく分かったようで、書き出した。


やはり、書いた文字も全然知らない文字だが、書いた行為で文字に意味が伝わって俺にも読めた。


『わたしはブレーメン国の王女の娘のミザイです。いつものように騎乗したルルによって空の散歩をしていたら、邪龍ガルバートに襲われお供の兵もやられてしまい、逃げている途中に落下してしまいました。徘徊する邪龍ガルバートから逃げ隠れしていて、迷子になってしまったのです。どうか助けて下さい。お礼はします』


成る程、大方の事は分かった。

国を作っていたのか、規模はどれくらいなのか気になる。


色々質問したいが、俺の魔眼では見る事しか出来ない。

一方通行だ。



丁度、開け放たれたドアからセバスとララが入ってきた。


「いい所に来た。・・・・・・こんな事情だ。国の規模を聞いてくれ」


『・・・・・・・・・・・・』


『・・・・・・・・・』


「規模は、1万人が暮らしてるそうです」


「その程度なのか・・・」


「なんでも長生きで、子供も生まれにくいそうです。100年前は2万人も居たそうです」


「食べ物はなんなんだ」


「基本的に果実か野菜だそうです」


「分かった。セバス、聞いての通りだ。用意を頼む」


「かしこまりました」と出て行った。


「明日には、ブレーメン国を探しに行こうと言ってやってくれ」


「分かりました」


『・・・・・・』


『・・・』


「ミザイさんは、感謝してますと言ってます」




果実をばくばくと食べていた。

手を直接に使って食べるのが、あっちのスタイルらしい。

ナイフやフォークが目の前にあるのに、全然使わない。

器に入れた野菜を、掴んでは口の中に入れていた。

その手は止まらない。


よっぽど腹が減っていたのだろう。


ぶどうのワインがお気に入りで、ぐいぐい飲んで寝てしまった。


寝室に寝かしたのは、ララと女性の料理人だった。

この女性もセバスの弟子で住み込みだ。


そしてララが聞いた話だと、大怪我で死んだ人なら24時間以内なら生き返らせれ薬があるそうだ。

それは錬金術にも長けた人々が居る事を示していた。


新たな錬金術が見られるかもしれないなーー。




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