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55 結末は...









お兄様達とイーリス殿下が部屋にやって来てから、私はヴィル様の膝からやっと降ろしてもらえ、ヴィル様の隣に座っていました。


お兄様とイーリス殿下は私達の前のソファーに座り、フラン様はお茶を入れ、入れ終わると殿下の後ろに立たれました。


「いやーフラン君は良い仕事をしてくれたね。ありがとう」


「いえ...」


「なに言ってるのアレク。早く妹離れした方がいいんじゃないかな?」


「ははは、それこそなにを言ってるのかな」


お兄様とヴィル様が「あはは」と低い声で笑いあってるなかに殿下が耐えきれずといった感じで「お前たちうるさいぞ!マリーレーヌの事をカリーナ嬢に説明するのだからいい加減黙れ!」と嫌そうな顔をしながら声をあげました。


「あの、マリーレーヌさんは...」


「ああ、あの後応接室に連れていってから、魔力制御装置を着けたんだ。これで精神魔法も他の魔法も使えなくなった」


「そうですか...」


「マリーレーヌは魔力制御装置を着けるまでは暴れていたんだが、魔力制御装置を着けたとたんにおとなしくなって、この世界は私のもう物なのに、あの女が邪魔したからとかぶつぶつ言っていた。...マリーレーヌは壊れた人形のようにそれしか言わなくなった。この言葉の意味が分かるか?」


殿下に聞かれた言葉の意味はこの世界が前世のゲームの世界と同じということだということは分かりました。


しかし、私はこの世界がゲームの世界と同じだとしても、私達生きている人間がゲームで操られていることのない、一人一人が意思をもった人間だということが分かっているから、私は「いいえ」と伝えることしかできませんでした。


「...そうか。今回一番傷ついたカリーナ嬢にとっては悔しい結末になるかもしれないが、マリーレーヌは北の外れの教会で監視つきで監禁されることになる。これは精神魔法が使えることを隠していたことと、勝手に人に使ったことに対する処罰だ」


「そうなんですか...でも、何故私が悔しい思いをすると思ったのですか?」


マリーレーヌさんが結局ゲームに囚われていたことでこんなことになってしまったのは悲しいですが、殿下が私が悔しい思いをするということを思ったのには驚き、何故か聞くとその場にいた全員に驚かれました。


「そ、それはマリーレーヌはカリーナ嬢を傷つけたのに対して、マリーレーヌはただの監禁だけなんだぞ!悔しくないのか?」


「え、ええ、私にはヴィルも戻ってきましたし、ヴィルが精神魔法にかかっていたときも、私の周りには皆様がいらしたもの。今は私には大切な味方がたくさんいると分かって幸せです‼だから悔しいと思ってはいないですよ」


「リーナは優しいね、いい子」


「お、お兄様、恥ずかしいです」


お兄様が私の頭を撫でてきたので、周りの目が気になって恥ずかしくなってしまいました。


「やっぱりいい加減妹離れするべきだと思うけど」


「なに言ってるの俺は一生リーナを可愛がるよ」


「それは私だけで十分だと思うけどね」


「「あははは」」


「お前ら本当にいい加減にしろよ‼」


お兄様達が言い合ってるところに殿下も加わり、それからは30分は言い合っていたそうです。


私はその言い合いの最中に寝てしまい、起きたら次の日の朝になっていました。












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