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18 入学式です!!






学院の応接室でお茶を飲み、少ししてから講堂に皆で向かいます。講堂の中に入る前に私はお父様とお兄様の方に向きました。


「お父様、お兄様、...これから卒業まで頑張ります!お父様がたのように立派に学院で努めていきたいと思います。どうか見守っていて下さい」


そう言って頭を下げたら、鼻をすする音が聞こえ、顔を上げるとお兄様はとっても笑顔で、お父様は泣いていました。


「...リーナ!何て嬉しいことを言ってくれるんだ!!とても嬉しいよ!私はリーナの父親で良かったよ!」


「リーナ、応援してるから頑張っておいでね?辛いことがあったら何時でも言うんだよ?」


「はい!私もお父様の娘、お兄様の妹で良かったです!!....それではお父様がた、これからもお身体ご自愛くださいませ。失礼いたします」


入学式が終わりしだい、新入生はそのまま教室に向かい、オリエーテーションが終了しだい、寮に向かうことになります。なので、お父様たちとはここでお別れです。


夏休みなどでは家に帰れますが、二日休みなとでは何かしらの理由がなければ帰れません。しかし、手紙などは出せるので連絡は取れます。それでも、こんなに会えないのは初めてなので少し寂しく私もお父様のように泣きそうになってしまいました。


「ヴィル様.....これからもよろしくお願いいたします....。どうか、一緒に居てくださいね?」


「はい、約束しますよリーナ」


私が泣きそうになっていることが、分かったのかヴィル様はとても優しい笑顔で微笑んで下さり、そのままエスコートして下さいました。





講堂には私とイーリス殿下以外に遅れている人はいないので、私が講堂に入り席に向かっていると皆さんこちらを見ています。


遅れてきたことに対しての文句の視線ではなく、どちらかというとぼけぇ~とした視線でしたが、注目されることは初めてなので少し緊張してしまいました。


そのままヴィル様にエスコートしてもらい、席に座り、ヴィル様は侍従の方が座る席で、私の斜め後ろの席に座りました。


私たちが座ったと同時にイーリス殿下が講堂に入ってきました。そのとたんに視線が私からイーリス殿下に向き、私はほっとしました。


イーリス殿下は注目されることに慣れていらっしゃるようで、とても堂々と歩いて、生徒会の席に向かってます。イーリス殿下が座ると学院長様が席を立ち、壇上に上がりました。


「えー、皆さま入学おめでとうございます...........」


学院長の言葉はそれから20分近く話し、やっと満足したのか「それでは生徒会長より挨拶です」と締めくくりました。


学院長が壇上を降り、イーリス殿下が壇上に上がり前に立つと、女性徒の悲鳴のような歓声が上がり、驚いてしまいました。


「....びっくりした...イーリス殿下って凄い人気なのですね~」


「それはそうですよ、この国の次期国王で、いまだに婚約者がいない、それにあの顔ですから」


「...それもそうですね~それにしても、それに動じずに挨拶をするなんて驚きです...」


「...はは、まぁ王族の方ですからね、慣れていなければ、逆に変ですからね」


「そうなんですか~」


イーリス殿下が話す前の黄色い悲鳴が響くなか私はヴィル様と話していましたが、次第に静かになりました。


イーリス殿下は声を出すことなく周りを黙らせ、無事に挨拶を終え、壇上を降りていきました。


さすが、王族というよう迫力があり、素晴らしい話でした。そして、次は私の番です。新入生代表の言葉として私が話すことになっているのです。これは乙女ゲームでも、私が話しています。しかし、乙女ゲームでは、ヒロインが話すことになっていたのを、お父様に黙って、学院長に話をして無理やり私が話せるようにしていました。


今回は実力で新入生代表の言葉を言うことになっています。そしていよいよ私の名前が呼ばれ、返事をして壇上に上がり、礼をします。視線が私にあつまっていることにとても緊張します。


「このたびは私ども新入生のためにお集まり頂き誠にありがとうございます」


ここで一度礼をして、周りを見ます。すると、新入生の中にやたらとこちらを見ている女性がいました。その女性はヴィル様にぶつかってしまった方です。少し怖いくらいに見られていますが、挨拶を続けなければなりません。


「この良き日に入学できたこと、とても嬉しく思います。これから、私どもは四年間この学舎で勉学に励み、皆様と協力し、人生に悔いのない学生生活を送りたいと思います。どうぞ皆さま、ご鞭撻のほどお願いいたします。...以上で挨拶を終わらせて頂きます。これからよろしくお願いいたします...」


最後に礼をし、顔を上げるとお父様とお兄様の頷く姿が見えました。それに安心して壇上を降り、席に戻りました。


席に戻るとヴィル様が誉めてくださるときのように笑って下さいました。それに私も笑って返しました。


私が笑うと少し回りが騒がしくなりましたが、その後学院長の「各クラスごとに教室へ」との言葉に皆、教室へ移動して行きました。













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