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判別不明  作者: ふり
雑多
3/4

【5人全員】短編は難しい・2

 午後9時00分。


「せーのっ!」

 折った紙切れを広げる真央以外の4人。

「私が起か……」

 額に手を当てる紗弥菜。その横では上機嫌の香夏がいた。

「私は承」

「薫は転だね」

 薫は眉間にシワを寄せている未波を見やる。

「アタシが結はなぁ~……気楽に書きたいのにぃ」

 未波は唇をとがらせて、テーブルに突っ伏す。離れた所でノートパソコンに向かっていた真央が、顔を出してきた。

「それじゃ、決まったところでみなさん、がんばってくださいねっ!!」

 紗弥菜が手のひらを広げ、真央の顔面をわしづかみにした。それから、指先に力を込める。

「いいからアンタは明日の9時までのレポートを仕上げなさい」

「痛い痛いっ……すいません……がんばります……」



 * * *



「テーマはどうする?」

 紗弥菜が3人に水を向ける。すぐに薫と未波の意見が一致した。

「男はいらない」

「はいはい。香夏は何かある?」

「特には……ただ、みんなの足を引っ張りそうだなぁ」

 香夏の顔色が冴えない。未波は香夏の背中を軽く叩く。

「キョーねえ、ノープロノープロ! だんだん慣れてきたんだし、思いついた単語をテンプレにはめ込む! それでバッチグーでヨッチャンよ」

「うん、まあ……ね。ありがとう、みぃちゃん」

「ほら、テーマどうするのよ?」

 紗弥菜が長くなりそうなやりとりをぶった切る。薫が待ってましたとばかりに提案する。

「ちょうどカレー鍋を食べたんだし、カレーでもいいんじゃないかしら?」

「いいですね。んで、今度はジャンルだけど……」

「恋愛もの!」

 今度は香夏と未波の声がそろう。

「じゃあ、それで進めてみようか」



 * * *



 午後11時30分。


「文章を組み合わせてみたけど……まあ、いっか」

 紗弥菜が妥協すると、3人も一斉うなずいた。

「最高の最低限を果たせたつもりよ」

 薫が胸を張ると、香夏も同意した。

「最善は尽くしたつもり」

「アタシは不完全燃焼かなー。やっぱ、ホラー要素分がたりないって」

「どうしたかったの?」

「『隠し味はあたしの血♪』とか書きたかった」

「その一文ですべてが台無しだわ。そういえば、真央は――」

「寝てるわよ」

 薫は、座ったままの体勢の真央を横に寝かせ、頭の下に座布団を置く。

「レポートはできてます?」

「一応、文字数はたりてるみたいだけど……あまりにも無茶苦茶な構成だから、直さなきゃいけなさそう」

「もう……何やってんだか」

「こっちは薫がやっておくから、みんなは休んでていいわよ」

「ありがとうございます。とりあえず、できたブツを印刷してカバンに忍ばせておきますね」

「罪滅ぼししないと」

「……がんばってください」


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