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車酔いの少女  作者: げんたろう
中学生編
14/28

車酔いの少女13 ~見た! 聞いた! 倒れた!~

今日は2話投稿!


梅雨といえば、ジメジメ、ムシムシ。

校則違反であることを承知で、自宅から学校の近所にある兄の職場(中華飯店)まで自転車通学をしている角野も、このシーズンはバス通学の常連だ。

その上、目覚まし時計が狂っていて、いつものバスより2本も早いヤツに乗ってしまい、気分はブルー。


降水確率は90%だというのに、雲の隙間から晴れ間が覗く憎憎しい空模様を睨んでいると、マネージャーの水野がバスに乗り込んできた。



(マネージャー、朝、早っえぇなぁ~)



水野は角野に気付かず、一人用の席に座ると、カバンをゴソゴソ探って、身体を丸めた。

身体をずらして様子を見ると、本を読んでいるようだ。・・・しかもマンガじゃない。


(そーいや、森川と図書館デートしてたっけ)



なんともなしに水野の様子を視界の端に入れていたら、しばらくすると森川まで乗車してきた。



(こいつら・・・朝も一緒なのかよ)



放課後、一緒に帰っているのは知っている。同じバスだというし、付き合っているから当然だろう。

しかし、彼女居ない歴=年齢の角野には、リア充なこの2人が甘酸っぱく感じる。

(いずれ、カノジョが出来たらオレもあんな風に通学すんのかな・・・)




角野は当然、森川が水野の肩なり叩いて、「おはよう」とか言っちゃって、バスの中でバカップル会話でも繰り出すと思っていた。

2人はそういったキャラじゃないが、角野のカップルのイメージがそうなのだ。

森川は思ったとおり、水野の前に立った。

それは、角野は知らないがいつものことで、その後の森川の行動もいつものことだったのだが・・・。


角野は想像以上の甘酸っぱい風景を朝から堪能してしまった。





「森川よー。おめー、オレが今日の朝同じバスって知らなかっただろ?」

「・・・・・・知らなかったな」

「そーだろうよ。おめー、水野しか見えてないってカンジだったもんよ」



昼食。

バスケ部部室でいつもの如くレギュラー3年は一緒に食べていた。

森川、角野、野々宮、大友、大崎、佐野の6人だ。

佐川は学年が違うので居ない。水野は友人の海野とランチライムを堪能しているだろう。



「そっか、雨だから角野はバスなんだっけ」

「(チャリ通学は)バレるなよ。活動停止にはならんだろうが、色々五月蝿いからな」

「わーってるよ」

「で、森川と水野がどうかしたのか?」


当然野々宮が乗ってきた。


「どうかしてんのは、森川だよ」


角野はデザートのメロンパンをほおばった。



「眠かったけど、森川見てたら目が覚めたぜ。メロンパンより甘めーし」

「じゃ、俺のデザートは森川の激アマ話にするから、詳しく聞かせてよ」






*****




森川はバスに乗り込んで、角野に気付かず水野の席の前に立った。

挨拶をするものと思っていたのだが・・・・。



じーっと水野を見ている。

(そして水野は気付かない。どんだけ夢中になって本読んでるんだよ!)



森川は水野の読んでいる本を観察したり、水野の後ろ髪についた寝癖を直したりしている。

(だからなんで気付かないんだ、水野!)





*****



「いつも無表情のくせに、口元笑ってるし」

「うーん・・・気持ち悪いけど、そんなに甘い話?」

「カノジョなんだし、普通だろ?」

「ナマで見た俺は、ものすごく居たたまれなかったんだよ!」


角野がギャーギャー騒いだが、野々宮は不満気な顔で無視して、森川に聞いた。



「本人ここに居るし、ちょっと甘い話でもしてくれない? 購買で菓子パン買いにいくの面倒くさい」

「くっそ! 俺は耳を塞いでいるからな! 俺は聞かないからな!」



これ以上、森川の甘酸っぱい部分を見たくない角野が耳を塞ぐのを確認して、森川が口を開いた。




「俺は・・・・・・」





30分後。




「秀司・・・お前そこまで考えていたのか」

「くっ・・・・・なんて破壊力だ。甘すぎて歯茎がケイレンしそうだよっ」

「中学生の考えることじゃねーぜ」

「ご立派と言いたいですが・・・・・怖いですよ、森川君」


4人が倒れ、被害にあわなかった角野が、皆のダメージにビビる。


「聞きたくねーけど、気になるっ! お前何言ったら、こいつらがこんなんなるんだよ!?」

「・・・・・・ただ水野との将来展望について語っただけだが」

「あーもー、そんだけ聞いても、甘酸っぺーよっ!!!」


見えないけど、実はかなめにベタ惚れなんだよ、森川は、な話。

こんな中学生はいねーと私も思うけど、フィクションです。


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