第6話
その頃、ビー助の兄、バチは迷っていた。
弟のビー助を追うか、それとも、ここで、嬢達の加勢をするか……。
「きゃぁああああ!!!!」
シェリーの声が響き渡る。
見ると、彼女は人間たちの網にかかっていた。
「痛い!!!やめて!!!痛い!!!」
(まずい。何とかしないと、彼女は一生奴等の檻の中で過ごす事になる。)
「お願いっっっ!!!バチ!!!シェリーを助けて!!!」
ジェシカが涙声で訴えてきた。
(人間には……絶対に近づくなって長年教えられてきたが……。)
(……っっしかし、彼女達はっっっ。)
「お願い!!!バチ!!!たった1人の妹なの!!!お願い!!!」
ポロポロと彼女の目から涙がこぼれていた。
不意に、ビー助の笑顔が頭をよぎった。たった1人の…弟…。
「っっっあああああああああああああっっっ!!!!!」
彼は網の中の獲物に夢中になっている人間に向かって飛んでいった……。
「やったぁ!!!兄ちゃんありがとう!!!」
痛がるシェリーを指で捕まえる人間の兄弟。
シェリーは、巨大な敵には無意味に、足を必死にジタバタさせていた。
その人間の弟の腕に向かって、彼は針に力を入れて近づいていった。
(ビー助……。)
「プチ」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!刺された!!!兄ちゃん!!!ミツバチが刺してきたよぉ!!!」
パッ、と指からシェリーが放たれた。
「おい!大丈夫かよ!!赤くなってるな……。母さんに言おう。まずは毒を抜かなきゃ!おい、泣くなよ。大丈夫だから。ほら。入ろう。」
ガチャ ガチャ ガチャ
泣き声と共に、人間たちは家の中へ入っていった。外には網が残されたまま……。




