エピローグ・ショート:仏壇の前のヨシコ
久しぶりに帰ってきた日本の我が家。
ヨシコは、少し埃のかぶった仏壇に線香をあげ、チーンと鐘を鳴らした。
遺影の中で、夫が優しく微笑んでいる。
「……お父ちゃん、ただいま。久しぶりになってすまんな」
ヨシコは手を合わせ、報告した。
「カケルな、まだ見つからへんねん。……せやけど、あの子が生きてる気配は感じるんや。私、もうちょっとあっち(異世界)で頑張ってみるわ」
ヨシコは、カケルの写真――成人式の時の、夫に似た笑顔の写真――を指で撫でた。
「あんたは病気で寿命やったから、しゃあない。……でもな、ブラック企業は『人災』や。防げる悲劇やねん」
彼女の目には、強い光が宿っていた。
「私はもう、誰も死なせへん。この命、全部使ってでも……あの子らが笑って暮らせる場所、作ったるからな。……そっちで見守っといてや」
線香の煙が、まっすぐに上へと昇っていく。
それはまるで、夫が「行ってらっしゃい」と背中を押してくれているようだった。
「よし! 行くか!」
ヨシコはエプロンの紐をギュッと締め直し、再びゲート(異世界)へと向かっていった。
最後まで『異世界総務のヨシコさん』をお読みいただき、本当に、本当にありがとうございました!
ブラックな環境を変えたい、働く人が笑っていてほしい。そんな願いを込めて、この物語を書きました。
そして最後に、読者の皆様へ一つ「答え合わせ」を。
最後、ヨシコさんは「カケルは生きている」と信じて旅立ちましたが……その直感は当たっています。 別の異世界で、カケル君が自らの運命に立ち向かう物語――それが『…前借スキル…』です。
ヨシコさんの「業務改善」と、カケル君の「冒険」。 二つの物語は繋がっています。ぜひ、息子の奮闘も見守ってあげてください!
▼息子・カケルの物語
「異世界召喚されたので、『前借スキル』で速攻ラスボスを倒して楽をしようとしたら、理不尽にも“感情負債140億ルーメ”を背負うことになったんだが?」
https://ncode.syosetu.com/n1424ll/
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ヨシコさんとカケル君の戦いはまだまだ続きます。
そして・・・後日談として、ヨシコさんとカケル君の再会を何話か書きました。
引き続きお楽しみください。
作者拝




