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狐に嫁入り!  作者: 春海
出会い
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(強制的に)嫁になるようです


…ん?

…んん?!

…いや、いやいやいや、ちょっと待って。今なんか聞きなれないとても不愉快な単語を耳にした気がする。

嫁?へ?ヨメ?

あ、夜目が利くとかそんな感じかな?

はっはっはー



「そうね、これで暗闇もバッチリね!」




『何を言っておるのじゃ、小娘。

頭がパンクしてアホゥになってしまったのか?』



そんな憐れんだ目で見ないで。すごい虚しくなるから。



「いや、なんかちょっとついていけてない。

ん?もう一度聞いてもいいかな?誰が何になるって?」



私の耳が最高潮に悪かったと信じたい。

そうだ、そうに決まってる。難聴だったのだ、今この瞬間だけ!


受け入れられない私に対して、時雨はまたニヤニヤと笑う。腹立たしいことこの上ない。



『なんじゃ、聞き取れなんだか?

良い良い、何度でも言ってやろうぞ。


“其方”が“我の”嫁になるのじゃ。』



「…ヨメ。

それはつまり、はにーとはダーリンということ…?」




『そうじゃ、はにーとだーりんと言うことじゃ。』



フンっ、て…

すごい偉そうに言ってるけどこの狐。

私まだ了承してないよね?え?




「こ、この話は無効よ!

だって私…了承してないもの!」




『そんなもの。2人の愛の前では木っ端微塵じゃよ。』




「私に愛なんてない!」



なんで私たちあ、あああ愛し合ってるみたいになってるのよ!



『…ふむ、聞き分けの悪い小娘じゃの。

しかし、其方が何を言うても事は変わらぬぞ?

何せもうご両親には了承を得たからの!』



「何してくれとんじゃこの物の怪が!!!」




『!?


…ほっほっほ…元気が出て何よりじゃな。小娘。

先ほどまでの死んだ魚の様な目は完全になくなったではないか。良いことじゃ。』




「あ、あんたが訳のわからないことばかり言うから…っ」



そこでふと、気付いた。

もしかしてこの男はこれを狙っていたのかもしれないと。

私が感情を表出できる様に。

怒りを露わにさせるために。彼はこんな茶番を始めたのではないか…と。


だが…



『はてさて、いったい何百年ぶりかのう。

こんなに若い娘を娶るのは。ほっほっほ

楽しみじゃなぁ。』



あ、このバカ狐。絶対深く考えてない。

さっき意味深なこと言ってたけど、多分なんも考えてないわ。



「ん?いや、ちょっと待って。

両親に了承を得たって言ってたわよね?

まさかその姿見せたわけじゃ…」




『流石にそんなことはせぬよ。

ただ、少し幻術を使ったがの…?

なぁに、生命に支障はない。安心するがよい。』




「安心できるか!

何をやったのよ?!」




『ま、まぁまぁ、そう怒るでない。

ただ、我と其方が昔からの知り合いであるという記憶を入れただけじゃ。

あ、ちなみに其方が我を好いているという記憶にしておいたぞ!』




「いや。最後のいらないよね?え?本当何余計なことしてんの?」



アホなの?この狐アホなの?

怒りのあまり近くにあった枕を投げようと身構えたその時。






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