ロッタとツヴァイク魔導団②
二人はまた大声で笑った。
「水術使いが炎術も使うんですってよフラーム」
「うふふふ……ははははは、お茶を煎れるには便利そうね」
そう言って二人はまた笑った。
「……もうよい、お前達の不敬な態度にはうんざりじゃ」
ロッタがツヴァイクを睨むとツヴァイクもまた笑った。
「もういいだろう、忠告だか挨拶だか何をしにきたのか知らんがそろそろ立ち去ったらどうだ? 紅い髪の魔法使いよ」
「そうじゃの……そうするとしよう」
それだけ言うとロッタは弾け飛ぶように姿を消した。
「……やれやれ何をしに来たのか……それにしても愚策とは言ってくれる、不敬なのはどっちなのだ?」
細身の男が進み出てくる。
「ツヴァイク様、あの紅い髪の魔法使いは危険だと思います」
ツヴァイクは面倒くさそうに男を見た。
「どうしたのだトラウベ?」
「手首と足首にはめたリングを見なかったのですか?」
「……それがどうしたというのだ?」
「あれは……封印のようなものではないでしょうか?」
「封印? 増幅かもしれんではないか」
「あのような閉じた形では魔力の増幅は出来ません」
ツヴァイクは苛立ちを抑えるように頭を振った。
「何が言いたいのだ?」
「四肢に封印を課しているにも関わらず一瞬で転移する魔法を行使しました、あれは恐ろしく高度な魔法です。それに水術士でありながら炎術も使えると言いました。本当であれば相当な手練れ……僕は、あの魔法使いには注意が必要と思います」
ツヴァイクは溜息を吐いた。
「言いたいことはそれだけか」
「……はい」
「……分かった、木人形の操作に戻れ」
「…………はい」
トラウベはとぼとぼと元の場所へ戻った。
「私もあの魔法使いはヤバいってのには賛成よ」
トラウベは顔を上げてメローネを見た。
「メローネさん……」
「だけど、あなたの役割は軍師の真似事じゃないでしょ? 今は木人形を操るのが私たちの仕事、今回は特に数が多いんだから大変よ」
「……そうですね、すみませんでした。西側、急いで展開します」




