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犬猿の仲

「見た目と、話し方がちぐはぐな方だ。彼が本当に我らの頂点、サジタリウス隊長なのか?」


 刹那のつぶやきに、何人ものクラスメイトが頷いた。

 それだけオネエ言葉が成瀬のイメージとはかけ離れていたのだ。


「一度会ったら記憶に残り続けそうなキャラね」


「あら、そう言うあなたの胸も、一度見たら忘れそうにないわよセフィーラ」


 宗美の言葉を聞いてビキビキッと額に青筋を浮かべながら、笑顔で質問する。


「どーゆーことかしら?」


「あら、わからないかしらー?高校生にもなってその胸平さんぶりのことを言ったんだけどー」


「っ、殺す!」


「皆!隊長を止めろ!」


 鬼の形相のセフィーラをアリエス小隊の隊員4人がどうどう、とセフィーラを抑える。

 宗美は爪の照りを見て知らん振りだ。


「離して!そいつ殺す!」


「あらヤルの?いいわよ、表に出なさーい」


 二人が本気で喧嘩を始めようとするので、慌ててキューちゃんが止めるため、二人の間に入る。


「待て待て、そうだ。ホムンクルス乗りならシミュレーターを使って優劣を決めればいいだろう」


「あら、いいわねー。面白そーじゃなーい」


「叩き潰してやるわ!」


 完全にやる気の二人。

 すると刹那が手を上げて待ったをかけた。


「その勝負、我らも参加させてもらう」


 刹那に続いて他の隊長たちも前に出る。

 宗美が不敵に笑う。


「いいわよー。面倒だから全員まとめてかかってきなさーい」


 宗美の挑発に隊長たちが顔をしかめる。

 いくら宗美が強いと言っても隊長格の自分たち全員と戦って勝てると言われたようなものだ。馬鹿にされていると言ってもいい。


 が、確実に勝てる勝負になったので、すぐに自信満々表情になった。


「あ、俺はパスで」


「え?」


 そんな中ゲイルが手を上げてそう言ったので、隊長たちの自信満々の表情が、陰った。


(コイツら、さては俺頼りだったな?)


 なんだかんだ言われても、ゲイルは全員から信頼されていたのだった。

 そして当の本人は苦笑いしていた。


 ◇◆◇


「意外だな。お前は真っ先に参加すると思ってた」


 キューちゃんがゲイルにそう言った。

 ゲイルは困ったように頬をポリポリとかいた。


「えーっと、確かキューちゃんだったか?俺のことを知ってるのか」


「佐々木九兵衛だ。俺はお前らの専属の整備士だ。ほら」


 九兵衛がゲイルたちに見せたものは、金槌の形のペンダント。間違いなくゲイルたちの持っていたものと同じものだ。


「と言うことは君は……」


「100年前の12部隊の整備士の子孫だ。後、年は19」


「年上だったか……」



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