クリーシャ・ベルゼン
モニターに映った顔は地球人で言うとゲルマン系の顔だった。
顔立ちは整っていてモテるだろうなと戦闘中だがくだらない事をゲイルは考えてしまった。
「吾輩か。地球暦2032年生まれレテシア軍地球攻略部隊特務隊隊長クリーシャ・ベルゼンだ。こちらが名乗ったのだからそっちも名乗るがいい」
「お、俺は地球暦2142年生まれ地球防衛軍大学附属高校特別学級のゲイル・北原」
相手と同じように名乗ったゲイルを見て、クリーシャはニヤリと笑った。
「2142年か。やはりな。吾輩の予想通りお前たちはタイムマシンを使えるのか」
「しまった……」
クリーシャはゲイルに生まれた年を聞くことで時間の矛盾を確かめたようだ。
ゲイルは自分の迂闊に唸る。
「地球の大陸の位置が未来の物でおかしいと思っていたが、さしずめ君たちは奴らの子孫といったところか」
想像以上に的を得ているのクリーシャの推理を聞きながらゲイルはどうすればいいかを考えた。
考え抜いた結果が。
「くくっ。さすがはハリスメネのパイロット様だな。100年前はプロトタイプで未来に送ることしかできなかったが、最近新型が作られて帰れるようになってな。ご先祖様の残したものにケリをつけに来たのさ」
ハッタリだった。
バレてしまったものは仕方ない。ならばわざと言ったふうにして大物感を出すしかない。
「ほう。威勢がいいな」
「おっと、俺を殺したら過去に戻れないぞ。俺はタイムマシンを持ってるからなぁ」
タイムマシンであるペンダントは全員が持ってるから嘘ではない。
だが先程まで出そうとしていた大物感はなくなった。
セリフが完全に小物のそれである。
「ふむ。……まあ問題ない」
「がぁっ!」
無駄のない軌道でキャットリーダーの後ろに回ったハリスメネが鋭い蹴りを繰り出してキャットリーダーをふっ飛ばした。
「殺さず捕らえればいいだけだ」
先程までと動きが違う。
ゲイルがリミッターを外してまで出した動きを平然と出す。
しかしクリーシャは涼しい顔。通常の機体で無駄な動きを完全に削り取った結果、最短距離で動いてくるためゲイルにとってはとてつもない速さで動いているように見えるのだ。
「パイロットとしての完成度が違いすぎる」
完全に逃げに徹しているおかげでかろうじて撃墜を免れているがそれがいつまで保つかわからない。
地獄のような十数分、そして遂にハリスメネのブレードがキャットリーダーに直撃する。
「させないわよぉ!」
ハリスメネとキャットリーダーの間に割り込んだ人馬のホムンクルス。
宗美のサジタリウスリーダーだ。
「宗美!」
「ゲイル、うごけるわね?反撃開始よお!」




