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銃剣魔弾の精霊王  作者: 白羽彼方
二章 異世界
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異世界『ジ・アース』


 門をくぐるとドサッと体が叩きつけられました。

 よく周りを見てみると私たちの衣服文化と似ている・・・・・・でも何か違う。

 この世界は私たちの世界ではないことを指し示している。

「一体ここはどこ?」

「なに記憶喪失のフリしているのよ。もしかして本当に記憶喪失なの?」

「はい?」

 よく分からずに首をかしげてしまいました。

 話しかけてきた少女はどこかの制服を着た少女。

 髪が長くてスレンダータイプの女性。いわゆるモテルタイプの女性です。

「まぁいいや。どうしてこんなところで倒れているの?皆の迷惑だよ。」

「迷惑ってどういう・・・・・・。」

 プアー。突如機械音が鳴り響きました。何事かと驚き戦闘態勢を取ろうとしましたが特に敵意はないようです。

 わけのわからない機械的な何かが音を発しているだけ。

 何かを警告するように音を発しているようです。

「もしかして車を知らないの?どこのお嬢様よ。」

「文献でしか見たことがない・・・・・・あれが車?」

 車なんて漫画の物語の中や書物の中にしかないと思っていました。

 おとぎ話。本当に存在していたかわからなかったもの。

 箱のような形のものがどうして動くのか意味不明なシロモノです。

「車自体が珍しいのね?でもここだと邪魔だから早く渡りきるわよ。」

「どこへ渡るのですか? 見たところ川や崖は見当たりませんが。」

「いいから早くこっちに来る。」

 無理やり引っ張られて人が通っている場所まで連れてこられました。

 先程までいた場所は車とかいう箱型の機械が走り去っていく。

 何がどうなっているのやら。

「そうです。四大はどこに。」

「四大?」

 彼女は(何を言っているの?)という目をしています。

 あの子達は無事でしょうか。あのまま門をくぐったのですからこの世界へやってきたはずです。思えば飛んでくるかもしれませんがこの世界では勝手が違いそうです。

「すいません。魔法はこの世界にありますか?」

「魔法か。魔法なんて世界中で使われているわよ。」

「この世界に魔法が存在する・・・・・・ならどこかにいるはずですよね。」

「ちょっとどこに行くのよ。」

「私の友人たちを探しに行くんです。いろいろ教えてくれてありがとうございます。」

 いろいろ教えてもらったのですから礼は言いました。

 このコンクリートジャングル。ほとんどが無機物で出来ているこの街で彼らは心細い思いをしているかもしれません。

 足に風の力を乗せて・・・・・・ジャンプ。

「うっそ。あの人、あんな高度な魔法が使えるの。」

 後ろから先程の少女の声が聞こえましたが気のせいでしょう。

 あの四人のことだから空から探せば見つかるはず。

「いた。」

 半透明な姿を持つ4つの影を発見しました。

 その姿は四大精霊たちの姿です。

 風の力をうまく使い四大のすぐ傍に着地。駆け寄りました。

『主か・・・・・・この世界はなんだ?』

『念話出来る距離がかなり狭まっているよ。どうしてかしらないけど。』

『電波が多いのかもしれません。』

『ここでは全く実体化できないしね。』

この4方はいつもどおりで安心しました。

私はこの世界のことを。さきほど知ったこと彼女に話した

『車のある世界か・・・・・・我も幾数年見たことはない。』

 どうやら相当昔にも車は走っていない。箱型の乗り物も存在しない。

 それだけは確認できました。

『でも技術の発展は魔法の力をなくすはずではなかったの?』

 そうです。私が提唱した魔法は全て才能ない人間のために作られたものであり才能のある人間は魔法を行使することができない。だから次第に技術は退化し機械類の類は見なくなってしまった。でもこの世界は機械だらけ。それでも人は魔法を使っているという。

 私の提唱が間違っていたのでしょうか?

『でも多分間それも違っていない。この世界はマナに満ち溢れている。だからみんな魔法が使えるしあとは個々の能力のみになっているんだと思う。』

『でも我らの能力は激減したぞ。』

「それには心当たりがあります。精霊は精霊信仰によって力を得ています。ここの人たちは精霊を進行していないのでは?」

 四大という単語を口にしたはずなのに先程の彼女の反応は薄かった。

 まるでそんなもの存在などしていないと言わんばかりの目でした。

『ありえるぞ。我らが力は人の思いで成り立っている。信仰がなくなれば力が軽減するのも当たり前ということか。』

『だとすれば私たちの力を取り戻すには・・・・・・。』

 この世界に精霊信仰を浸透させるほかはない。

 仮に浸透させ力を取り戻してもこの世界から逃げられるとは思いませんけど。

『何をするにもまず宿が必要だ。心当たりはあるか主。』

「あるわけないでしょう。私もこんなところ初めてなのですから。」

 ここがラクリマであれば泊まることができたでしょう。

 自らのポケットを漁ってみます。クレア姫からもらった選別しかありません。

 その選別もお金。今いる世界で使えるとは思えません。

 どうしたものでしょうか。働き口を探さなければ食べることもままなりません。

『主。我々もこの世界の謎を追う。何かわかり次第この街に戻ることにする。』

唐突に何を行っているのですか?

『主たるあなたはこの街を拠点に暮らしてください。何なんとかなりますよ。』

 この街を拠点に暮らす? このコンクリートジャングルにですかぁ!?

「むむむむむ、無理ですって!」

『大丈夫だよ。きっとなんとかなる。』

 これまでで一番の他人事ですね。

『この世界には何かあるそう思うからこそ僕らは行動するんだよ。』

「・・・・・・そこまで言うからには何かしら確信はあるのですね。」

 コクンと精霊たちは頷きました。

『我が主よ。吉報を待つが良い。』

『行きますよ。散開!』

 精霊たちは東西南北それぞれに飛んで行きました。

 さて、これで本格的に働かなければ食事もままなりません。

 建物から降りるため何かしたに行くためのものを探し階段があったのでそれで下に降りました。降りたのはいいのですがこれまたどう動けばいいのかわかりません。

とりあえずあの赤、黄色、青の色の機械は進行方向の色が青なら渡っていいみたいです。

人の波に乗りながら道を進んでいきました。

しばらくそうしていますと広い場所に出ました。

どうやら公園のようです。公園は機械的じゃないのですぐにわかりました。

もしかしたら寝むれる場所があるのではないかと公園を見渡します。

「あそこなら少し寝やすそうですね。」

見つけたのは雨露しのげそうな洞窟のような遊具。

今日くらいならこの場所をねぐらにしても良いと思います。

眠れる場所は確保できたので今度は職探しです。

先程数字の書いてある文字列が連絡先のようでしたがその記号の意味がわかりません。

そもそもこの世界の文字が読めません。ありえないぐらい複雑です。

話している言葉は同じなのに。本当に職を探すにもどうしたらいいのやら。

「あら。こんなところに美少女ホームレスが一人。」

 上から目線の赤髪の少女が私に話しかけてきました。

 美少女と呼ばれるのは別に悪いことではないですけどホームレスというのは・・・・・・。」

「好きでホームレスなわけではないですよ。」

「へぇ。こんな生活している割には相当プライド高そうね。気に入ったわ。」

何がどうして気に入ったのか彼女の思考が気になります。

「私は久城院雪華。久城院財閥の一人娘よ。」

そんなこと言われても全くわからないのですが?

しかしこの偉そうな態度。実は物凄いお金持ちの可能性があります。

「それでどうしてこんなところにいるの? 教えないと死刑にするわよ。」

国家権力を使えるほどの人・・・・・・やはりかなり位の高い人物のようです。

となれば逆らうと面倒なことになるのでしょうか。

最先の悪いスタートかもしれません。

だからといってここにいる理由はおとぎ話のような出来事を話さなければなりません。

まさに頭おかしい子に思われてしまいます。ある程度的をえていて納得できる説明を。

「異世界からここに飛ばされてきてしまいました。・・・・・・って何言っているのですか私!」

 素直に答えすぎです。馬鹿ですか私。アホですか私。

「面白いジョークね。深山。」

 久城院さんが指をパッチンと鳴らすといきなり執事っぽい人が現れました。

 人間ではありえない速度です。執事ってどいつもこいつもこんな感じですか。

「この反応。久城院以外の執事も見たことがありそうですよ、お嬢様。」

「そんなことはどうでもいいの。この子のこと今すぐに調べられる。」

「そうですね。・・・・・・・名前さえあれば1分で調べられます。」

「そう。あなた、名前を答えなさい。」

「私ですか? 名前はユエ・エリトーゼです。」

 あちらは名乗ってくれたのにこちらが名乗らないのも礼儀に反するのでしっかり答えました。それにしても名前が随分変というか私の世界とネーミングセンスが違うというか。

「調べ終わりました。しかしこれは予想外の結果です。」

「どうしたっていうのよ。深山の情報網に引っかからなかったとでも言うの?」

「そのまさかですね。国内の住民票全てに検索をかけましたがさっぱりです。」

「この国の国内にいながらID不明者・・・・・・。これで4件目よね。」

 4件目? 4件目ということは私と同じような境遇が他に3人もいるということですか。

「でもこれだけ若い人は初めてでしょう。あなた、年はいくつ?」

 ここで素直に言ったら棚悪い子でしょうか。

 それだけはカンベン被りたいです。ですがここで偽ったらもう何か負けた気がしてしまいそうです。それも嫌です。しょうがありません。実際の年齢を言ってしまいましょう。

「121才です。」

「21才ね。了解。」

 すんなり100の位は破棄されてしまいました。

 本当のことなのになぜだか切なくなりました。

「ふふふふ。それにしても面白い。謎だらけの美少女・・・・・・萌える。」

 燃えるって何が?私に燃える要素は・・・・・・1つありましたね。

「深山。面白おかしいこの生物の監視を私が行います。この子一年生でも通用するわよね。」

「・・・・・・かしこまりました早急に手配いたします。」

 言い終えるとまた高速移動しました。本当に人間とは思えません。

あのスピードで動けば科学的に多大な負荷がかかるはずなのですけど。

 それにしても何を手配する気なのでしょう。私、気になります。

 ですがその前に職を探さなければ!

 公園から出ていこうと足を踏み出そうとすると腕を握られました。

「どぉこに逃げるつもり。地獄の底まで逃がさないわよ。」

 はっ! 後ろからすごい気配が。

 まるでラスボスにいきなりエンカウントしたような気分です。

「あ、あのー。な、なにか御用ですか?」

「ユエ・エリトーゼ。あなたの衣食住と身柄を保証することにしたの。」

 人が知らぬ間にいろいろ進んでいたようです。

 しかも絶対に裏がありそうなほどの好条件。ヤバイと頭の中で警報が鳴り響いています。

 今すぐ走り去ってこの方と会わなかったことは「逃がさないって言ったでしょう。」できませんでした。いつの間にか関節をきめられ動けません。

「私から逃げようなんていい度胸しているじゃない。ますます気に入ったわ。」

「私をどこに連れて行くつもりですか!? 地獄よりひどい場所ですか!?」

「天国みたいなところだと言ってあげるわ。」

 絶対に嘘だと思いましたが抗う術もなく連れ去られてしまいました。

 これからどうなるのでしょうか・・・・・・。

 大事なことなので二回言います。例の車とやらに乗せられてどこかに連れ去られました。



次回「もうどうにでもしてください」

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