15匹目
名 前【瞋】
性 別【男】
種 族【餓者髑髏(屍人族)】
容 姿【身長180cm程の黒い擦り切れた襤褸のようなローブを纏った骸】
タイプ【近接魔法殲滅型】
一 言【一人称は「儂」。基本的に古臭い古風な喋り方をする。敵を喰う事で体力、魔力を回復する事が可能。餓者髑髏と種族はなっているが、彼以外にこの種族は前にも後にも存在せず、単一種族と化している。ただ、単一種族、その上素のままでは強すぎるが故に、召喚の際にレベルに応じて枷が付けられている。レベルが上がり、素の状態で召喚出来るようになると、今度は喰った敵の数、質により強化されるようになる。最終的には、眼3つ、牙が上に4つ下に2つ生え、骨が黒く染まり、2匹の白い角が生えた大蛇が絡み付いている。大蛇をレベルが低い相手が見ると即刻死ぬ。月が隠れている間だけ肉付いた姿を取ることが出来る。その時の容姿は、3つ目の眼は黄金瞳で後2つは赫眼であり、肌の色は白いが体全体を紅い幾何学模様が覆っていて、髪は白い長髪である。服装は基本的には黒い和服であるが、戦闘時は緋みがかった黒い和服に黒い甲冑を要所要所着けたような姿になり、手の先まで覆われた籠手で戦闘をこなす。絡み付いている大蛇の戦闘力も高い。なつき度が上がると、彼の仲間が散発的に戦闘に参加するようになる。但し、あくまでも「散発的に」であり、いつも参加する訳ではない。参加する場合は彼の下に付くという形のためパーティーメンバーには数えられない。ただその代償は高く、彼の仲間という事もあり、格上の敵でも秒殺に終わるため、正直来なくてもいい存在である。後、骸のため機動性はかなり高い。】
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有名な伝説上の怪物の中に“目が合ったら石にされる”という、とんでも設定が存在する。それを討伐したとされる、またまた伝説上の人物は、鏡越しに怪物を確認し討ち取ったと言われている。
つまり、だ。とんでも設定を持つ怪物にも攻略方法はちゃんと存在しており、結果として漏れなく全部討伐されてしまっている。怪物が生き残り、誰にも倒されずに話が終わる例は無いと言えよう。
――しかし、その前例を覆す怪物は、実は存在していたらしい。というか、俺の横を涼しい顔をして歩いている。
「周りにプレイヤーが居ないとはいえ、これはちょっと……下手すれば掲示板に晒されるレベルで猛威を振るってる気がするんだが」
『儂のせいか?』
当たり前だろ。と、周りを飛び交う光の屑に視線を向けながら、とぼけた様子の瞋に心の中でツッコミを入れる。
この、周りを飛び交う光の屑は、平原に湧く特殊なモンスターとかではなく、平原に湧くモンスターだったものだ。
瞋の体を、まるで木を登るかのようにスルスルと這う二匹の大蛇が、チロリと不気味に舌を出した。
「雑魚に人権はないのだろうか」
『弱き者は駆逐される運命。儂がやらずとも、いずれ誰かによって倒されておったわ』
「そういうのを、責任転換って言うんだよ」
そうかもの。と、カタカタ笑う瞋。
黒の和服はそのままに、妖艶な白髪男性のシルエットから、禍々しい骸骨の化け物へと姿が変わっていた。
目標はフィールドボスのサイクロプス。
瞋が新しく覚えた魔法を試したいからと適当なステージとして選ばれたのが、ここ南ナット平原だった。
道中出てくるモンスターは、瞋の体に巻きつく大蛇が睨む――まさに蛇睨みのせいで、出会った瞬間死んでしまう。これは、大蛇が持つ特性によるもので、レベルの離れたモンスターは目が合っただけで即死判定となるというもの。
凶悪を通り越し、もはやサイクロプスよりボスっぽい。
『いたな。ダイキ殿は手を出さず、そこらで傍観しておくがいい』
「元よりそのつもりだよ」
それでいい。と、装備した黒塗りの籠手を二、三度確認するように動かしながら、佇む一つ目の鬼と対峙する。
赤みがかった和服には、急所の部分を覆うように黒塗りの甲冑が装備されていき、彼の周りに赤黒い魔力の靄が立ち込めていく。
分厚い雲が月を隠し、幻のように姿が変わる。
『そのみっともない一つ目が前から気に食わなんだ。儂が食ろうてやろう』
瞋が両の手を広げると、靄が掌に吸い込まれるように集まっていき、ふた塊の球体が形成される。
戦闘体制に入ったサイクロプスは棍棒を振り上げ、得体の知れない挑戦者に襲い掛かった。ボスであるサイクロプスに、即死判定は通らない。
瞋が左手を振るい、棍棒と触れる。
棍棒ははじき返され、サイクロプスが大きく仰け反る。
一瞬にして懐へと移動し、もう片方の手にある塊をねじ込むように押し付ける瞋。
悲痛な叫びとともに、サイクロプスの内部が破裂するかのように、その体を光の屑へと変えた。
『ふむ――たった一撃で消え去るとは、敵ながら潔よい』
さも満足そうに頷く瞋は、髑髏の姿に戻った頭を上下に動かす。
レベル差を考えれば、消え去るべくして消え去ったといえよう。
俺は可哀想なサイクロプスに同情しながら、瞋の元へと歩いていく。
この、とんでも設定の怪物。
はたして、倒せる人物が現れるのだろうか。
@野良音狐様
一言:ぶっ壊れ性能召喚獣の第一弾ですね。凝った設定をどれだけ再現できたか一抹の不安はありますが、前の14匹同様に楽しく書けました。




