12匹目
名 前【ドッペル】
性 別【男】
種 族【ドッペルゲンガー】
容 姿【全身真っ黒な顔のない人間】
タイプ【なんでも】
一 言【見た相手に成りきることができスキルなども反映できる。ただし、ドッペルのレベルが変身相手より低いと能力が下がる。一人称は俺で女性に変身することは嫌がる。基本的には主人に変身している。因みに剣や槍などの無機物にもなることができる。その武器の性能はドッペルのレベルによって変わる】
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俺の振るう剣が、ナットラットの体を穿ち――もう一人の俺が振るう剣によって、ナットラットは経験値とGのデータに姿を変えた。
横を通過するプレイヤーの殆どが、俺たちを二度見していくが……仕方のない事だと思う。なにせ同じ顔、同じ装備をした四人の俺が、違う動きでもって戦闘しているのだから。
『マスター。そろそろ時間』
「ん。俺の方も時間切れだな。じゃあ元の姿に戻っていいよ」
俺は発動させていた《分身》のスキルを解き、その場に座った。近くにいた一人の俺が、闇に溶けるように姿を消す。
俺と同じように、その場に腰をかけた俺の姿が“黒そのもの”へと変わっていき、もう一人の俺が闇へと消えた。
状況として物凄い状態だが、今のは俺のスキル《分身》による、二人目の自分。
そして、今目の前にいるのが、俺の姿を真似た、召喚獣のドッペル。
先ほどのは彼の能力、《ドッペルゲンガー》による俺への変身で、更に彼も俺の持つスキル《分身》を使った事により、四人の俺が誕生したわけだ。
自分が複数人いるという状態は、なんとも不気味な気持ちになるが、スキル構成が一緒なので連携が取りやすい。現状、パーティ要らずとなっている。
『マスター。俺は楽がしたい。次は武器に変身する』
真面目そうな口調のドッペルだが、実はサボり癖がある。
彼が駄々をこねても、俺が言う台詞はいつもと変わらない。
「なら休憩がてら、美女に変身してみせてくれよ」
彼は美女が好きだが――自分で美女になるのは違うらしい。というか、自分で美女になるのは嫌だという。
その気持ちは分からんでもないが、彼のワガママを許すには、俺のワガママも許してくれなければ対等とは言えない。
いつもここで『じゃあいい』と拗ねるドッペルだったが、今日はいつもと様子が違う。
『見てろ』
短くそう云うドッペルの姿がみるみる変わっていき――ちょこんと座る、猫に変身したのだった。
鈴をつけた黒猫は『どうだ』と勝ち誇ったような表情で俺を見ている。
「一本取られたね」
美女は美女だが、種族まで指定しなかった所につけこまれた。
なかなかうまい返しだと関心しつつ、俺はドッペルのサボりを認めるのだった。
@水素様




