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Frontier World 説明書  作者: ながワサビ64
ぼくの考えた最強召喚獣
18/21

12匹目


名 前【ドッペル】

性 別【男】

種 族【ドッペルゲンガー】

容 姿【全身真っ黒な顔のない人間】

タイプ【なんでも】

一 言【見た相手に成りきることができスキルなども反映できる。ただし、ドッペルのレベルが変身相手より低いと能力が下がる。一人称は俺で女性に変身することは嫌がる。基本的には主人に変身している。因みに剣や槍などの無機物にもなることができる。その武器の性能はドッペルのレベルによって変わる】


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 俺の振るう剣が、ナットラットの体を穿ち――もう一人(・・・・)の俺が振るう剣によって、ナットラットは経験値とGのデータに姿を変えた。

 横を通過するプレイヤーの殆どが、俺たちを二度見していくが……仕方のない事だと思う。なにせ同じ顔、同じ装備をした四人(・・)の俺が、違う動きでもって戦闘しているのだから。


『マスター。そろそろ時間』


「ん。俺の方も時間切れだな。じゃあ元の姿に戻っていいよ」


 俺は発動させていた《分身》のスキルを解き、その場に座った。近くにいた一人の俺が、闇に溶けるように姿を消す。

 俺と同じように、その場に腰をかけた俺の姿が“黒そのもの”へと変わっていき、もう一人の俺が闇へと消えた。

 状況として物凄い状態だが、今のは俺のスキル《分身》による、二人目の自分。


 そして、今目の前にいるのが、俺の姿を真似た、召喚獣のドッペル。

 先ほどのは彼の能力、《ドッペルゲンガー》による俺への変身で、更に彼も俺の持つスキル《分身》を使った事により、四人の俺が誕生したわけだ。

 自分が複数人いるという状態は、なんとも不気味な気持ちになるが、スキル構成が一緒なので連携が取りやすい。現状、パーティ要らずとなっている。


『マスター。俺は楽がしたい。次は武器に変身する』


 真面目そうな口調のドッペルだが、実はサボり癖がある。

 彼が駄々をこねても、俺が言う台詞はいつもと変わらない。


「なら休憩がてら、美女に変身してみせてくれよ」


 彼は美女が好きだが――自分で美女になるのは違うらしい。というか、自分で美女になるのは嫌だという。

 その気持ちは分からんでもないが、彼のワガママを許すには、俺のワガママも許してくれなければ対等とは言えない。


 いつもここで『じゃあいい』と拗ねるドッペルだったが、今日はいつもと様子が違う。


『見てろ』


 短くそう云うドッペルの姿がみるみる変わっていき――ちょこんと座る、猫に変身したのだった。

 鈴をつけた黒猫は『どうだ』と勝ち誇ったような表情で俺を見ている。


「一本取られたね」


 美女は美女だが、種族まで指定しなかった所につけこまれた。

 なかなかうまい返しだと関心しつつ、俺はドッペルのサボりを認めるのだった。

@水素様

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