8匹目
名 前 カム
性 別 ♂
種 族 聖獣
容 姿 白い毛皮の狼、片目に傷が入っていて閉じている。氷で出来たナイフや剣を武器として咥えていたりする
タイプ 高速戦闘に氷と雷を操る、ある程度まで巨大化が出来る
一 言 誇り高い戦士的な性格なので無駄に自分を卑下する存在や非道を行うものは容赦なく見捨てる。逆に言えば努力を行い、諦めない者が好み。嗅覚や聴覚が優れている為に非常に索敵能力に優れており、奇襲を得意とするタイプ。
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西ナット森林を駆ける白の獣。氷でできた長い剣を口に咥えた白狼が、手足に雷を纏いながら目的地へと走る。彼の背中に跨る俺は、白狼ーーカムの足をただ信じる他なかった。柄を握る手に、力が入る。
「カム、ケイ君の匂いは?」
『近いな……! いたぞ!』
開けた空間でプレイヤーに追い立てられる少年ーーケイ君は未だ在命。金色の子豚を庇うように短剣を構え、震える体で相手を睨んでいる。
対峙するは6名のプレイヤー。子供相手となり少しだけ罪悪感のようなものが顔に出ているものの、得物を向けながらケイ君をジリジリと追い詰める。
『ダイキ!』
「おう、突っ込め!」
殺意を剥き出しにしたカムは固有技である『氷雷の衣』を使う。フサフサの毛並みが剣山のような氷へと変わり、体に紫電を纏った。パーティを組む俺に被害はないが、近くで見るとやはり迫力がある。
俺を乗せたカムは開けた空間に飛び出した。彼等の後ろを取るような形のため誰一人気付かない。俺は二本の剣を抜いてカムの背中を踏み台にする。
「……えっ?」
速度を殺さぬままに二本の剣を水平に構え、回転を加えて一人を切り裂く。相手が気付かないままの奇襲攻撃は確定Critical。技も相まって、プレイヤーは状況が掴めぬまま、体をポリゴンの塊に変え、爆散する。
プレイヤー達は異変に気付くも時すでに遅し、ブチ切れたカムは潰れていないもう片方の目を黄色に光らせ、恐ろしい速さでプレイヤー達を蹂躙していく。体を二倍近くまで巨大化させ、止めと言わんばかりに四人のプレイヤーを横薙ぎ一撃で消滅させた。
俺が相手をしていたプレイヤーも、双剣の手数の多さをいなしきれず、その身を経験値へと変える。保護対象であるケイ君とペットの子豚が無事なのを確認し、俺たちは安堵の溜息を吐いた。
「しかし運営もエグいクエスト組むよな。方や少年と子豚の保護で、方や最高食材になる子豚の討伐だからな」
ケイ君関連のクエストは二つのルートがあり、先ほどのプレイヤー達は俺達とは別のルートからこの場所にやって来たようだ。
彼等にケイ君と子豚を倒されれば俺たちのクエストは失敗。その後は復讐に燃える両親に新たなクエストが言い渡されるらしいが……間に合って良かった。
「あ、ありがとう」
怯えた表情のまま呟くようにいうケイ君。カムは、集団に立ち向かった勇敢な彼を褒めるように、舌でペロリと顔をひと舐めした。
しばらくキョトンとしていたケイ君も、自分達が助かったのだと安堵し、子豚を抱えて涙を見せた。彼を両親の元に帰してクエスト完了だ。
「一見落着だな。お疲れ、カム」
『おう!』
寝息を立てる幼い少年と子豚を乗せた白狼が、夜の森を駆ける。行きの時とは打って変わり、彼等を起こさぬように優しく走るカムをひと撫でした。
よく走った、ありがとう。
@てんぞー様
一言:7匹目と内容が似ておりますが、同列クエストの別ルートの話となっております。7匹目はケイ君が襲われた後の話で、この話ではケイ君が襲われるのを未然に防いだ設定となっております。
7話クエスト内容→PK行為を行った経歴のあるプレイヤーを6人倒す(プレイヤーの指定は無い)
8話クエスト内容→ケイ君とペットの子豚の保護




