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Frontier World 説明書  作者: ながワサビ64
ぼくの考えた最強召喚獣
12/21

6匹目


名 前【ラミーカ】

性 別【女】

種 族【吸血鬼】

容 姿【ゴシックロリーター幼女身長130cm】

タイプ【回復】

一 言 口癖妾 さみしがりやツンデレ 闇魔法 体術 呪術をつかう

闇魔法で遠距離攻撃 体術で近接攻撃&マナドレインもしくはライフドレイン

呪術はバッドステータスを相手にあたえたりなど


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 東ナット洞窟の岩石型モンスター『ナットロック』は物理防御が高くLPも高いが、魔法防御は低い。理想としては水属性魔法での攻撃が望ましいが……なるほど、ラミーカのようなタイプにも滅法弱いようだ。


ほは(ほら)かんえんへえ(観念せい)!』


 フリフリのついた黒と白の服……所謂(いわゆる)ゴスロリ服を着た黒髪の幼女が、両手両足を使ってナットロックにしがみつき、鋭い歯をガシガシと突き立てている。


 彼女の種族を知らないプレイヤーが見れば『岩に噛み付く謎の幼女』だが、彼女をよく知る俺には見慣れた光景であった。


 ーー吸血鬼ーー


 召喚したその日、彼女はそう名乗るや否や俺の首筋に噛み付いた。なんでも、契約の印とかなんとか理由をつけていたが、単純にお腹が空いていたのだと解釈している。


 吸血鬼の主食は血。


 ナットロックは無機物なため血は通っていないが、彼女の食事も例外なく血で賄っている。


『ははは! ほはへほひほひ(お前の命)ふっへはっは(食ってやった)! 』


 これは彼女の(アーツ)の一つ『ライフドレイン』。彼女は吸血行動によって食事の他に対象のLP・MPを奪う力も持っている。ナットロック相手には秒間10%という恐ろしいスピードでLPを奪っていた。


 ダメージを与えつつ自身の回復も行う、かなり燃費のいい技だ。逆に、相手に吸血行動から呪いを送る呪術(カーズ)も使う事ができるため、彼女の吸血が成功した時点で勝敗が決まる場合が殆どである。


『圧倒的な勝利!』


「もう少し女の子っぽい、美しい戦い方をしてほしいんだけどなぁ……」


 Vサインを向け高らかに笑うラミーカを見ると、ついつい本音が漏れてしまう自分がいる。実のところ、彼女の闇属性魔法もかなり優秀で、種族による特殊魔法である『命を狩る黒塗りの鎌(デス・サイズ)』は見た目も威力も凄まじい。


 俺の言わんとする事が分かったのか、ラミーカは不敵な笑みを浮かべたまま、黒髪を払う。


『吸血鬼の王女たる(わらわ)が、そうやすやすと一族の技を見せると思うなよ。どうしてもって言うのであれば、見せてあげない事もないがな』


「ごめん、ラミーカの威厳(いげん)のためにもさ……」


 吸血鬼の王女がナットロックにしがみついて吸血行動をしているなんて威厳がヤバい。ここは頭を下げてでも要求を飲んでもらおう。


「血は毎日飲ませてやるから、吸血は緊急時以外使うの禁止だ」


『毎日? ほんとに?』


 苦渋の選択だが仕方がない。俺への吸血行動を許すと、吸った後になんとも危ない顔になるのもなかなか問題だが……背に腹は変えられない。


 それから毎日、ラミーカに吸血させるのが日課となっていく。終わる度、危ない顔をしている彼女。(あるじ)である俺の血が最も美味しいと、なんとも反応し辛い発言も多々あるものの、最初に比べて随分(ずいぶん)懐いてくれている。


 破天荒な戦い方も、今では殆どしなくなった。実に平和な日々が続いている。


 しかし気のせいか……最近やけに喉が乾くんだよなあ。

@マイトガイン様

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