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side: M

日本に戻ってこいと父親に言われたのが半年前。正直あんな家に戻りたくなかったが目的を果たすためにはまだあの男の言う事を大人しく聞いておくしかない。


戻るだけでなく帰国してすぐ名ばかりの婚約者のご機嫌を伺ってこいと命令された時は一瞬殺意が芽生えた。

俺の婚約者は顔はまぁまぁ良いがそれだけだった。俺の見た目と上辺に騙されている馬鹿でつまらない女だ。

一日中俺にベッタリくっついていたあの鬱陶しかった日々がまた繰り返されるのかとため息を吐いた。


来栖川家は雪村家より格は下だが利用価値があるからあまり無碍には出来ない。

甘い言葉でも二言三言かけてさっさと帰ろうと思っていた。


なかなか美味い紅茶を飲み干したと同時に部屋の扉が開いた。


どうやら女が来たらしい。

きっと昔のように抱きついてくるだろうと身構えたが、その予想を裏切って人四人分入る位の距離を開けてお辞儀をした女はまるで別人だった。



しかし癖のある巻き髪とつり目は2年前と変わっていない。

笑顔が引き攣って口元が痙攣していたから久しぶりの再会で緊張しているのかと考えたがそうではないらしい。始終何かに怯えていたり駆逐するとかおかしなことを叫んで婚約解消して欲しいだとか同じ学校に通うの止めると言い出すから何故か無性に腹立たしくてついからかってしまった。


顔を近づけても顔に触れても顔を赤らめるどころか身体を震わせて真っ青になったかと思えば急に作り笑いではない笑顔で友達になろうとか恋の協力するなどと言い出す始末。


お前の思考回路は一体どうなっているんだ、

一度解剖させろ。じっくり頭の中を見てやるから。


しかし、ただ媚び諂ってくるかと思えばコロコロ表情を変える女からなんとなく目が離せなくなった。





ーもしかしたら退屈な日常が少しはマシになるかもしれないな。


次回からやっと学校行きます、多分。

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