22話「遠い空・クルーダ」
Hero22:遠い空・クルーダ
・ある日のこと。
「なぬ?私の家に行ってみたい?」
いつもどおり部室で紅茶飲みながら不倫ジャンボ8億円の
チケットを凝視していたルーナに詰め寄る部員女子達。
「ルーナさんはずっと我が家にいましたので
たまには逆というのをしてみたいかと。」
「これも親睦を深めるためと思ってですね。」
「ま、いいんじゃないのか?」
「ちょっと結構かなり?ドキドキ。」
「おそらのうえー」
「いやあなた達。私の家どこにあるのか言わなかった?」
「確か成層圏にあるんでしたっけ?」
「そうだけど。これだけの人数でどうやって行くつもり?」
「ジェット機か何かあるんじゃないのか?」
「ルーナさんはいつもどうやって地上と行き来を?」
「私は実は空を飛べる。だから問題ないのだけれど・・・。」
「あら、奇遇ですわね。私も空くらい飛べますわ。
ドリル・つばさ・智恵理!ドォリィィバリィィィ!!」
智恵理がドリバリーコンボとなって空を飛び始めた。
「・・・これだからアナ○イムの家の娘は、
自在に技術の限界を超えてきやがる。」
由良が思わず頭に手をやる。
「でもでもぉ、あたしもちょっとだけなら飛べるんだよ~?」
と言う明代もプカプカと浮き、隣でまほろも浮き始めた。
「私は異次元技術で空歩けるんで。」
キャリオストロが見えない階段を上がるように空へと登っていく。
「・・・意外と空を制している方多いんですね。」
「・・・全くだ。ここまで人外が揃ってるとは思わなかった。」
赤羽と由良がため息。
「よう、何話してんだ?」
「・・・お前、よく女子達の会話に混ざれたな。」
「せっかく男どもだけでラーメン屋行く予定でごまかしていたってのに。」
男3人がやってきた。
「ああ、廉か。彼奴らが私の家に来たいというのだが。」
「天空朝廷にか?他の生物呼んで大丈夫なのか?」
「まあ、私が注意していれば大丈夫だとは思うが、
流石に歴代でも初だろうからな・・・。」
「・・・まあ、こっちもついていくから大丈夫だろう。」
「・・・いや、あなたも来るのか。」
・そしてルーナの実家である天空朝廷。
そこに10人がやってきた。
「さ、流石に空気が薄いな・・・」
「まあ、成層圏だからな。
富士山やエベレストよりよほど高いとこにあるし。」
高山病となって倒れ伏すトゥオゥンダ。
ジキルもちょっときつそうだった。
「ど、どうして女子達はまほろでさえ平気なんだ・・・?」
「お前らがあまりにも普段体を使っていない事の顕れだろうに。」
零がため息。
他の6人が興味深そうに周囲を見渡す。
「まるで世界遺産に登録されてそうな風景ですね。」
「まあ、世界に公表されれば確実に騒ぎになるであろうな。」
「ここのこと知ってる方は他にいませんの?」
「廉は一度来たことがある。あともうひとり。
しかしそれ以外では初めてだし存在自体知らないだろう。
レーダーに映らぬ仕組みのようだし。」
「まあどっかのヴァカな軍が攻めてきたとしても
欠片ほども残らず全滅すると思うがな。」
「そんな兵器があるのか?」
「いや、この城の周りには無数の26億乗の数の微生物が集まっているからな。
街1つくらいなら数分で灰すら残らず食い尽くされるぞ。」
「は?微生物?」
「・・・待てよ、なんかどっかで重要そうなファクターが・・・」
考える二人だったが頭痛のせいで思考がまとまらない。
「・・・はぁ。寝室借りるぞ。こいつら寝かせておかないと。」
「うむ、こちらは女子達だけで巡ってやるとしよう。」
零がトゥオゥンダとジキルを担いで寝室へ向かう。
昔一度だけ来たことがあるこの部屋に迷わず来た零は
足蹴でドアを開けて埃まみれのベッドに二人を投げつける。
「いて!」「ってか煙!!」「我慢しろ。」
それから零はランプの置いてあるテーブルに近づき、
古びた写真立てを伏せた。
一方。
女子達はルーナの部屋に案内された。
そこはおとぎ話にでも出てきそうな不思議な部屋だった。
「わあ、すごい部屋・・・」
「ここに来るのも久々だな。少し前まではずっといたというのに。」
「ルーナさん、ご両親は?」
「とっくの昔に死んだよ。もう顔も覚えてない。」
「・・・そうですか。すみません。」
「気にするな。それより少し手伝ってくれ。
服とか荷物を運びたい。」
ルーナがクローゼットを開けるとまたもや不可思議な洋服が沢山顔をのぞかせた。
「すごい・・・、年代物っぽいのに全く傷んでない・・・。」
「物が傷むと言うのは微生物が少しずつ素材を食べているから起きる現象だ。
しかし私はその微生物を自在に操ることができる。
だから傷んだりはしないよ。」
「・・・明らかにおかしいはずなのにおかしいと思えないほど
私達の日常って犯されてるんですね。」
「・・・全くだな。私は同居人が宇宙人だぞ?」
赤羽と由良がため息。
「甲斐さんとはいつからの知り合いで?」
「ずっと前だよ。まだお互いに小さかった。
けどあいつが学校に通い始めてからは離れ離れが多かった。」
「幼馴染ってわけですね。」
「まあ、そうとも言うかも知れない。」
それから荷物をまとめて寝室で駄弁る男3人と合流して
地上に戻っていった。




