12話「僕らの願いが届く時」
Hero12:僕らの願いが届く時
・零、ルーナ、明代を探すために車で移動する
トゥオゥンダ、ジキル、赤羽、智恵理、まほろ。
由良はバイクで先行している。
「しかし、逃げる人ほとんどいないな。」
「流石にいきなり宇宙人とか異次元人とか信じる奴いないだろう。
・・・俺達は慣れすぎてると思うが。」
都会は極めていつもどおりだった。
そんな中。
「・・・・あ、」
車の目の前で別の車から一人の子供が落とされた。
「お、おい!!」
慌ててジキルとトゥオゥンダが下りて子供を抱き上げる。
「う、ううううう・・・・・」
「大丈夫か!おい!」
「血は出てないみたいだが・・・骨はやばいかも知れない。」
「どうする?救急車にも警察にも連絡は通じないぞ?」
「・・・とりあえず俺達で保護しよう。」
二人が子供を抱えて車に戻る。
「君、名前は?」
「さ、彩紋・・・。」「サイモン?変わった名前だな。」
「今時珍しくないんじゃないのか?」
「まあ光宙や黄熊よりはマシか。」
「私達で応急処置をしましょう。赤羽ちゃん手伝ってくれるかしら?」
「はい。智恵理さん。」「ま、まほろは・・・・?」
「・・・うん。まほろちゃんも手伝ってくれるかしら?」
「う、うん!」「じゃ、まず汚れを・・・」
「しかし、ひどいことをするな。
この事態でパニックにでもなったのか?
彩紋の親は。」
「お、親じゃないよ・・・。あいつらは僕達家族をさらって・・・・。
何だか宇宙人と関係があるとかで・・・・それで殺されそうに・・・」
「何だって・・・!?宇宙人ってそれってあいつらは・・・」
「例の三次元人か、それとも別の宇宙人か・・・・」
「既に地球にも宇宙人が来ていたんですね。」
それから彩紋の応急手当をしつつ
近くのゲーム屋や本屋、ラーメン屋を虱潰しに探すが
零達の姿は見当たらない。
「そう言えばこれ・・・」
赤羽が1枚のチラシを出した。
そこには今日発売のエロゲの情報が載っていた。
「・・・まさかあの野郎
こんな事態にエロゲ買って家でプレイしてるってのかぁ!!」
「いや、家には赤羽がいるし部室には俺達がいる。
だから誰も近寄らない場所でやってるんじゃ・・・・」
「ってことはネカフェか!?」
急遽ハンドルを切って近くのネカフェに急行した。
とりあえず18歳未満が二人いるためそのチラシはシュレッダーに裂かれた。
・一方。
彩紋を落とした車。
「・・・む?」
走る前方に人影。
「・・・・」
それが軽く手を振るうと車が大爆発した。
「貴様・・・・」
燃える炎の中無傷の謎生物が姿を現した。
「やはり宇宙人か。」
そこにいたのは零とルーナだった。
「カウラの円盤を使って何をしているのかと思えば
飛んだ大根を見せられることになるとはな。」
そして、次の一撃は宇宙人の目にも見えなかった。
ただ、気が付けばその宇宙人は完全に消滅していた。
「少し厄介なことになったんじゃないのか?」
「かもしれない。この24時間が勝負だな。」
そして二人は再び姿を消した。
・結局この町のあらゆるネカフェに行ったが
零の姿は見当たらなかった。
「・・・なあ、零だけならともかくルーナと明代もいないんだろ?
それなら3人は同じ場所にいるんじゃないのか?」
「・・・確かに。そうかもしれない。
零とルーナは同じ家だったな。でもいない。
なら明代の家ってことかもしれないな。」
「・・・とりあえず合流時間だから一度立花と合流しよう。」
一度スタンドでガソリンを補給してから集合場所である
由良のマンションに向かった。
「え?明代?ああ、あいつならあたしと同じ部屋に住んでいるよ。」
「そうなのか?」
「ああ。けど今朝から姿を見ない。
もしこの状況が宇宙人と関わっているのならもしかしたらあいつは・・・」
「何だ?明代が宇宙人と同関わりがあるってんだ?」
「まさか強ければ宇宙人にさえ発情するって言うんじゃないだろうな・・・?」
「・・・あんたら何言ってるんだ?
明世のこと知ってるんじゃなかったのか?」
「は・・・?」
「明代は、宇宙人だぞ?」
・伊王野邸。
「・・・・やっぱりこの近くにいるよねぇ~?」
明代がゆらゆらと体を揺らしながら歩いていた。
タイムリミットまであと17時間。