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11話「遠く輝く夜空の星に」

Hero11:遠く輝く夜空の星に


・それは初夏のある黎明に起きた。

「・・・来たか。」

零が窓の外を見る。

瑠璃色な空に一点。星座のようなものが出現した。

まるで牛座だった。


・日が昇り生活が始まる時間帯。

しかし空の牛座は消えずそのせいで電波異常が発生していた。

「電波が通じないな。」

「俺のもだ。大元の会社で何かトラブルか?」

英雄部。

トゥオゥンダとジキルが自分のスマホを見る。

「あうううううう・・・・あううううううううう・・・・・」

「まほろちゃん?どうしたの?」

部屋の隅に縮こまるまほろを智恵理が心配そうに見る。

「赤羽、あの人は?」

「今日は会っていません。ルーナさんも・・・。」

由良と赤羽は窓から空を見上げる。

太陽が昇った今ほとんど薄れていて牛座は見えづらい。

しかし確実に問題にはなっていてあらゆる企業が問題を探っていた。

だが電波だけでなくあらゆる精密機器の全てが狂っていた。


・「はあ・・・はあ・・・・はあ・・・・」

「Ritz?」

シフルの前でリッツが胸を押さえて倒れた。

「りっちゃん!どうしたの!?」

火咲が抱き抱えると何故かリッツの体は内側から小刻みに震えていた。

「・・・私の中の精密機器の全てが・・・・ううううっ・・・・!」

「・・・・Shat out」

「!?」

シフルが呟くとリッツは強制的に気絶した。

「シフルちゃん、どうするの?」

「Though I do not know what is taking place,

I will lay her for a while.」

「・・・しばらく寝かせておこうって・・・いつまで・・・?」

残された二人が空を見上げる。


・町外れの屋敷。

「・・・まさか人間・人形以外で人の言葉を話す生き物がいるとはな。」

塔矢がメアを傍らに椅子に座る。

その正面。

「我々としても第二公用語が通じるとは思っていなかった。」

異形の何かがそこにいた。

空間そのものが歪んでいてはっきりとした姿が見えない。

「済まないね。我々3次元人が無理に4次元に干渉するとこうなるのだ。」

「4次元?」

「やはりそんなことも知らないのか。

よくこの世界は3次元だと言われているが厳密に言えば4次元だ。

点と線と面に時が加わっているのだから。

しかし我々には時は存在しない。

まあこのようなウンチクはいいだろう。

単刀直入に言わせてもらえれば、

24時間以内にこの街をそっくりそのままもらおうか。」

「・・・何のために・・・?」

「今から1週間ほど前。

風の旅人と呼ばれる一族がこの星にやってきた。

だが彼らは二度とは宇宙には戻ってこなかった。

この星、それもこの町の座標で完全に消失しているのだ。

それの調査をしたい。

しかし我々の内一個体を四次元化させることしか出来ない。

街1つを調査するとなるとこの街そのものを三次元化する必要がある。

そうなればこの街は時間という概念がなくなり

君達4次元人にとっては耐えられない空間となるだろう。

だからそれまでにこの街の住人すべてをどこかに移動させて欲しい。」

「いきなりでそれは無茶な話だ。せめて三日間は欲しい。」

「そうも言っていられない。

我々3次元人が同じ星で連続で

四次元化出来るのは24時間が限度。

次に四次元化出来るのは400年後となってしまう。」

「他の宇宙人とやらには任せられないのか?」

「・・・先に言ってしまえば今回の件で

地球に怨嗟を生じてしまった種が多すぎる。

地球では馴染みがないかもしれないが

惑星内で起きた全ての不祥事は例え犯罪者一個体の仕業であれど

その星全体の罪となる。

この24時間を過ぎて我々三次元人が干渉できなくなってしまったら

君達に害意を持つあらゆる宇宙人がどんな手段を使ってでも

この星を奪うだろう。」

「星を?」

「そうだ。我々のように街1つだけなどと生ぬるいことはしないだろう。

この星に原因があることは明白。

ならば星ごと消してしまうという手段さえ考えられる。」

「・・・・・・。」

「だから24時間以内に移住をさせるのだ。

さもなくば強制的にこの街を三次元化させる。」


・「と言う事があったんだが。」

英雄部。

塔矢とメアが説明に来た。

「風の旅人って確かゼラギロの・・・・」

「ってことはゼラギロもその仲間達も全員誰かに殺されたってことかよ!」

トゥオゥンダとジキルが怒りを露にする。

「タイムリミットはあと20時間半。

既にここの学長はもちろん市長にも話は通してある。

お前達もここから離れるんだ。」

「・・・この街ってことはギリギリであたしのマンションは圏外か。

みんな、空部屋もあるし一度そこに来ないか?

安くしておくけれど・・・・。」

「俺はすぐ近くに自分の家があるからそこでいいや。

トゥオゥンダもそれでいいだろう?」

「・・・・ああ。」

「けど、甲斐さんとルーナさんが見当たりません。

連絡も付きませんし・・・・。」

「そう言えば明代もいない・・・。」

「・・・まだ時間はある。

荷物を運んでからあの3人を探そう。

零ならきっと近くのゲーム屋か本屋かラーメン屋にいるだろ。」

トゥオゥンダが発案しそれぞれが行動を開始した。

タイムリミットまであと20時間26分。

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