10話「種を司る者」
Hero10:種を司る者
・甲斐家。
「フンダラガッバッシャァァァァァァァァァッ!!!」
零が数ヶ月分の食料を載せた10トントラックを背負って帰宅した。
「どうしたんですかそれ?」
まだ朝のため寝間着姿で歯を磨く赤羽が覗き込む。
「ああ、食料だ。まあこれだけで2,3ヶ月は持つだろう。
二人しかいないわけだしな。」
「・・・それですが・・・」
「え?」
「実は昨夜ここを訪ねてきた人がいて・・・」
「まさか・・・赤羽が、男を連れてきた・・・!?」
「違います!」
「ならやっぱり女の子か!?女子小学生か!?
連れ込んだ女子小学生に足腰砕かれて始まる
ラブストーリーをご所望なのか!?」
「・・・知ってますか?
私調子いい時白虎で虎徹絶刀征並みの威力出せるんですよ?」
「やめてくれ。コントラバス地味たギプスをはめる羽目になっちまう。」
そんな漫才をしていると、
「相変わらずあなた達の漫才は見ていて楽しいものだ。」
そこへ和服姿の少女が姿を見せた。
「お前、ルーナか!」
その少女の名はルーナ・クルーダ。
白銀の長髪を揺らして魔改造された和服を纏った少女。
零の旧い知り合いである。
「お前、どうしてここに・・・・!?」
「空の城もいいがたまには地に足をつけたくなってな。」
「甲斐さん、昨夜突然現れてあなたを探していました。
なので家に入れてしまっていたのですが何かまずかったでしょうか?」
「いや、何でもないが・・・」
「それにしても、赤羽美咲か。
相変わらずいろんな世界と縁のある奴だな。」
「で、何の用だよ。」
「英雄部。」
「は・・・?」
「英雄部に入らせてもらうぞ。」
「お前が大学に・・・!?」
「そう。どのみち私の眷属であるガインを借用しているだろうに。」
「え、ガイン!?あのロボットってこの人のだったんですか!?」
「ああ、そうだよ。3年前にもらった。」
「奪い去っていったの間違いだろう。
それでいてこないだはメールで人を顎で使って
あの後始末をさせおってからに。」
「後始末・・・・?」
「まあ、いいだろう。じゃ、英雄部に行くんだな。」
・英雄部。部室。
「おーおー、元気だったか?」
ルーナが警備をしているガインを撫でる。
ガインは機械的だが猫なで声を出して甘えているようだ。
「・・・誰この人?何であの這い寄る混沌の躾出来てるんだ?」
「ルーナさんという方でガインを作った人らしいですよ。」
「あの人何だかあまり好きじゃないなぁ・・・」
由良、赤羽、明代がそれぞれ感想を述べる。
「お姉ちゃん、だぁれ?」
「ほう、珍しい者もいるな。」
まほろに反応してまるでスライドするように迫る。
「ちょっと!まほろちゃん怖がってるじゃないですか!」
それを智恵理が止めてどこからともなくパンツを出す。
「あれ、私のパンツ・・・」
「あなたのですか。ですがまあいいです。」
「よくねえよ不審者。」
智恵理の頭を小突くトゥオゥンダ。
「で、どうするんだ?今更ながらここの大学の生徒じゃなさそうだが。」
「ああ。英雄部に入りたいそうだ。」
「うむ。お空の上で一人で暮らすには如何に贅沢しようとも飽きたのでな。」
「空の上?」
「こいつは成層圏に浮遊居城を構えていてそこに住んでるんだよ。
何故か昨日からはうちにいるらしいがな。」
「・・・相変わらずお前の関係者はまともな奴がいないな。
と言うか変人率が増えていく・・・」
「一人ドラマCDとかやってるお前がその筆頭だろうに。」
それから9人でDVDとか見ることにした。
今日はオンドゥルで有名なあのライダーだった。
「・・・懐かしいな。」
「最低でもあんたらあの時にはこれ見てたってことだろうに。」
零達5人があのテーマパークでの一件を思い出す。
「しかし廉よ。どうして最終巻だけないのだ?」
「欠陥品だったからな。中古だったし。」
「・・・そうか。」
「そう。おかげで誰も最終回は見られてないんだよな。」
「せっかく後半から面白くなったってのに。」
「オンドゥルラギッタンディスカ!?」
「和訳を用意しろ和訳を。DVDについてんだろうが。」
・夕方。
「で、どうして家まで来るんだよ。」
「無論ここに住みたいから。」
甲斐家。
ルーナが付いてきていた。
「と言うか甲斐さんこそ珍しく家に帰るんですね。」
「ああ。部室のテレビ最近電波の通じが悪くなったんでな。
やっぱブラウン管はそろそろダメか。
64でバトルコレクションぶっ通しでやるのが最近の日課だったんだが。」
「相変わらずあなたの頭の流れは古いなぁ。」
「何をぉ?ちゃんとVitaには某超次元女神VIIが入ってるんだぞ。」
「それ違法では?」
そんなこんなで家に着いて3人で食事。
「・・・相変わらずよく食べるなぁ・・・」
ルーナが呆れる。
赤羽も零もバケツ程もある器の
ミネストローネを流し込むように口に入れていく。
その後、赤羽が風呂に入ってる間。
「で、どうして今更地上に降りてきた?」
ワインと砂肝をテーブルに置いて零が尋ねる。
「暫くぶりに目覚めたあなたとその周りの観察。
あなたの周りでは昔からいろんな事が起きるからね。
・・・流石にないと思うけれどあの時のような事が起きないとも限らないし。」
「・・・まあ、そうそう起きやしないさ。
切り札は自分だけ。永遠にな。」
零がワインを月を尻目に口に含む。




