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クラスでぼっちの俺が生徒会長とギャルをクズ男から救ったら何故か惚れられてしまい毎日言い寄られるようになり、それを知った義姉が俺を取られまいと結婚を申し込んだせいで三つ巴の戦争が始まった。  作者: この山田は無鉛プレミアムガソリン専用仕様となっています。レギュラーガソリンの使用は故障の原因となるため絶対にお止めください。レギュラーガソリンの使用によって生じたいかなる損害も当社は責任を負いません。
5章 文化祭と夏祭りと海水浴と
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5-1-1   俺は綾瀬先輩に誘われる

7月初旬。



「意外と似合ってるわね」

「うん・・・・・・・・なんでだろう、悔しいわね」

「ぼっちのくせに似合ってるのがなんだか腹立たしいわね」



俺が本番で使う衣装が届いたので着ろと言われて着てみればこの言われようである。



「本番サボってやろうか」



そう心中毒づくと栗栖が



「かっこいいよ、健一郎」



と俺に言う。



「ああ、ありがとう」



と俺は同じく本番用の衣装を着た栗栖に当たり障りない返しをする。

ちなみに衣装は俺はその道では有名らしい執事漫画で主人公が執務中に来ている服を基にしたものとのこと。

栗栖は白で肩が結構出てて鎖骨もほとんど出てる、パーティードレスっていうのだろうか、

ああいう感じのワンピースタイプの服を着ている。



「彼女たちの言うことは気にしちゃダメだよ」

「わかってる」



あの程度でムカつくほど俺は幼稚じゃない、と思う。

で、さっき名前呼びだったのには何か意味があるのか・・・・・・・?



「ね、本番用の服を着たアタシはどう?」

「普段と違ってすごくきれいな感じで似合ってる」

「え!?あ、ありがとう。すごくうれしい」



栗栖が俺の感想になぜかおどおどする。




「みんな、今週から放課後は文化祭の準備の時間に割り当てられる。

だからこれからは本番に向けて色々準備していくよ。

みんな、気合い入れていこー!」

「みんな、頑張ろう」

「「「おー!」」」



俺はクラスの連中が実行委員の言葉に沸き上がる様子をどこまでも冷め切った目で見る。



「伊良湖、アタシたちもがんばろうね」

「え、ああ」



栗栖にそう言われた俺はすぐに短く頷く。

そして実行委員の指示で文化祭の準備が始まる。




+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++



「今日はここまでにしよう」

「「「「「お疲れ様ー!」」」」」



実行委員の一言で今日の文化祭の準備は終わる。



「俺も帰るか」



俺も実行委員の一言で帰ることとする。

外はすでに真っ暗になっている。

栗栖に別れの挨拶をした後いつも通り駐輪場まで差し掛かった時



「こんばんは」



と言ってその陰からいきなり黒髪ロングで色白の女が出てくる。

心底驚いて肝が底冷えし、思わず大声を出しかけたその時



「んん?もしかして綾瀬先輩?」



冷静によく見てみると、その人物は綾瀬先輩のようだ。



「綾瀬先輩・・・・・・・・・ですか?」



俺の問いかけにその人影は



「あら、ひどいわね。

自分が助けた人のことを忘れるなんて。

そうよ、綾瀬よ」



という回答が人影から返ってくる。



「綾瀬先輩、夜中に突然物陰から出てくるやめてください。

真っ暗なところから突然黒髪ロングの女の人が出てくるというのはホラー映画みたいでめちゃくちゃ怖いです」

「仕方がないでしょう。明かりがないのが悪いのよ」



綾瀬先輩がそう言いつつ俺のほう向かって歩いてくる。



「もしかしなくても待ち伏せしてたんですか?」

「ええ。実際には私が陰に隠れてすぐ健一郎くんが来たから待ち伏せとは言いにくいわね」

「・・・・・・・確かに待ち伏せかどうか微妙なところですね」



ってそういうことじゃなくて・・・・・・・・・どうしてこんなところに綾瀬先輩がいるのか訊きださねば。



「で、どうして綾瀬先輩はここに?」

「文化祭のことで少しね」



文化祭のことで?

まさか今更やめろって?いやそれならすでに実行委員に伝わって今日の話題になってるはず。

じゃなかったら一体何を?



「文化祭の日だけれど、どこかで暇になったりする合間があるかしら?」

「え?一応ありますけど?」

「ちなみに、そのときに一緒に回ったりする約束をしてる人が、その、もういたりするのかしら?」

「・・・・・・・・・・え?いえ、いませんけど?」



俺が綾瀬先輩のその質問に答えると綾瀬先輩は何か意気込んだ表情で俺にまた質問してくる。



「じゃあ、文化祭の日に私と一緒に出し物を見て回ってくれないかしら?」

「すみません俺は誰とも回るつもりは」

「私と一緒に回ってはくれないの?」



綾瀬先輩が懇願するように俺を見つめる。

だが俺は



「すみません。一緒には回れません」



と綾瀬先輩のお願いを断る。



「・・・・・・・・わかったわ。でも理由は聞かせてほしいわ」

「去年の文化祭は意識不明から生還したばかりのころで行けなかったので・・・・・・・・・

今年は一人で自由気ままに回りたいんです。身勝手なことを言ってすみません」

「わかったわ。ごめんなさいねこっちこそ。そういうことなら私はこれ以上は言わないわ」



綾瀬先輩は申し訳なさそうな表情をする。



「それじゃ、私はこれで帰るわ。気を付けて帰ってね、健一郎くん」

「はい、綾瀬先輩も気を付けて」



綾瀬先輩は俺に挨拶をした後校門に向かって歩いていく。

俺も綾瀬先輩が帰った後にバイクに乗って家に帰った。

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